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▼家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(平成14年5月28日)
▼動物の愛護及び管理に関する法律(平成11年12月22日)
▼動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成17年6月22日)



家庭動物等の飼養及び保管に関する基準


平成14年5月28日
環境省告示第37号

第1 一般原則
  1.  家庭動物等の所有者又は占有者(以下「所有者等」という。)は、命あるものである家庭動物等の適正な飼養及び保管に責任を負う者として、動物の生態、習性及び生理を理解し、愛情をもって家庭動物等を取り扱うとともに、その所有者は、家庭動物等を終生飼養するように努めること。
     
  2.  所有者等は、人と動物との共生に配慮しつつ、人の生命、身体又は財産を侵害し、及び生活環境を害することがないよう責任をもって飼養及び保管に努めること。

第2 定義
    この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 (1)動物  哺乳類、鳥類及び爬虫類に属する動物をいう。
 (2)家庭動物等  愛がん動物又は伴侶動物(コンパニオンアニマル)として家庭等で飼養及び保管されている動物並びに情操のかん涵養及び生態観察のため飼養及び保管されている動物をいう。
 (3)管理者  情操のかん涵養及び生態観察のため飼養及び保管されている動物並びにその飼養及び保管のための施設を管理する者をいう。

第3 飼養及び保管に当たっての配慮
  1.  家庭動物等を飼養しようとする者は、飼養に先立って、当該動物の生態、習性及び生理に関する知識の修得に努めるとともに、将来にわたる飼養の可能性について、住宅環境及び家族構成の変化も考慮に入れ、慎重に判断するなど、終生飼養の責務を果たす上で支障が生じないよう努めること。
     
  2.   特に、家畜化された動物ではない野生動物等については、一般にその飼養及び保管のためには当該動物の生態、習性及び生理に即した特別の飼養及び保管のための諸条件を整備し、及び維持する必要があること、譲渡が難しく飼養の中止が容易でないこと、人に危害を加えるおそれのある種が含まれていること等を、その飼養に先立ち慎重に検討すべきであること。さらに、こうした動物は、ひとたび逸走等により自然生態系に移入された場合には、生物多様性の保全上の問題が生じるおそれが大きいことから、飼養者の責任は重大であり、この点を十分自覚する必要があること。

第4 共通基準
  1.  所有の明示
     家庭動物等の所有者は、その責任の所在を明らかにし、逸走した家庭動物等の発見を容易にするため、名札、脚環、マイクロチップ等を装着するなど、動物の種類を考慮して、容易に脱落又は消失しない適切な方法により、その所有する家庭動物等が自己の所有であることを明らかにするための措置を講じるよう努めること。
     
  2.  健康及び安全の保持
     所有者等は、次の事項に留意し、家庭動物等に必要な運動、休息及び睡眠を確保し、並びにその健全な成長及び本来の習性の発現を図るように努めること。
     
    (1) 家庭動物等の種類、発育状況等に応じて適正に飼料及び水を給与すること。
    (2) 疾病及びけがの予防等の家庭動物等の日常の健康管理に努めるとともに、疾病にかかり、又は負傷した家庭動物等については、原則として獣医師により速やかに適切な措置が講ぜられるようにすること。
    (3) 所有者等は、適正な飼養及び保管に必要なときは、家庭動物等の種類、習性及び生理を考慮した飼養及び保管のための施設(以下「飼養施設」という。)を設けること。飼養施設の設置に当たっては、適切な日照、通風等の確保を図り、施設内における適切な温度や湿度の維持等適切な飼養環境を確保するとともに、適切な衛生状態の維持に配慮すること。

     
  3.  生活環境の保全
    (1) 所有者等は、自らが飼養及び保管する家庭動物等が公園、道路等公共の場所及び他人の土地、建物等を損壊し、又はふん尿その他の汚物、毛、羽毛等で汚すことのないように努めること。
    (2) 所有者等は、家庭動物等のふん尿その他の汚物、毛、羽毛等の適正な処理を行うとともに、飼養施設を常に清潔にして悪臭、衛生昆虫等の発生の防止を図り、周辺の生活環境の保全に努めること。

  4.  適正な飼養数
     所有者等は、その飼養及び保管する家庭動物等の数を、適切な飼養環境の確保、終生飼養の確保及び周辺の生活環境の保全に支障を生じさせないよう適切な管理が可能となる範囲内とするよう努めること。
     
  5.  繁殖制限
     所有者は、その飼養及び保管する家庭動物等が繁殖し、飼養数が増加しても、適切な飼養環境及び終生飼養の確保又は適切な譲渡が自らの責任において可能である場合を除き、原則としてその家庭動物等について去勢手術、不妊手術、雌雄の分別飼育等その繁殖を制限するための措置を講じること。
     
  6.  動物の輸送
     所有者等は、家庭動物等の輸送に当たっては、次の事項に留意し、動物の健康及び安全並びに動物による事故の防止に努めること。
    (1) 家庭動物等の疲労及び苦痛をできるだけ小さくするため、なるべく短い時間による輸送方法を選択するとともに、輸送時においては必要に応じ適切な休憩時間を確保すること。
    (2) 家庭動物等の種類、性別、性質等を考慮して、適切に区分して輸送する方法をとるとともに、輸送に用いる容器等は、動物の安全の確保及び動物の逸走を防止するために必要な規模及び構造のものを選定すること。
    (3) 輸送中の家庭動物等に適切な間隔で給餌及び給水するとともに、適切な温度、湿度等の管理、適切な換気の実施等に留意すること。

  7.  動物に起因する感染性の疾病に係る知識の修得等
    (1) 所有者等は、その所有し、又は占有する家庭動物等に起因する感染性の疾病について、動物販売業者が提供する情報その他の情報をもとに、獣医師等十分な知識を有する者の指導を得ることなどにより、正しい知識を持ち、その飼養及び保管に当たっては、感染の可能性に留意し、適度な接触にとどめるなど、自らの感染のみならず、他の者への感染の防止にも努めること。
    (2) 家庭動物等に接触し、又は家庭動物等の排泄物を処理したときは、手指等の洗浄を十分行い、必要に応じ消毒を行うこと。

  8.  逸走防止等
     所有者等は、次の事項に留意し、家庭動物等の逸走の防止のための措置を講ずるとともに、逸走した場合には、自らの責任において速やかに捜索し捕獲すること。
    (1) 飼養施設は、家庭動物等の逸走の防止に配慮した構造とすること。
    (2) 飼養施設の点検等、逸走の防止のための管理に努めること。

  9.  危害防止
     所有者等は、人に危害を加えるおそれのある家庭動物等を飼養及び保管する場合には、次の事項に留意し、逸走の防止等、人身事故の防止に万全を期すこと。
    (1) 飼養施設は、動物が脱出できない構造とすること。
    (2) 飼養施設は、飼養に当たる者が、危険を伴うことなく作業ができる構造とすること。
    (3) 所有者等は、人に危害を加えるおそれのある動物の逸走時の措置についてあらかじめ対策を講じ、逸走時の事故の防止に努めること。
    (4) 所有者等は、飼養施設を常時点検し、必要な補修を行うとともに、施錠の確認をするなど逸走の防止のための管理に万全を期すこと。
    (5) 捕獲等のための機材を常備し、当該機材については常に使用可能な状態で整備しておくこと。
    (6) 所有者等は、人に危害を加えるおそれのある家庭動物等が飼養施設から逸走した場合には、速やかに関係機関への通報を行うとともに、近隣の住民に周知し、逸走した動物の捕獲等を行い、家庭動物等による事故の防止のため必要な措置を講ずること。

  10.  緊急時対策
     所有者等は、地震、火災等の非常災害に際してとるべき緊急措置を定めるとともに、移動用の容器、非常食の準備等、避難に必要な準備を行うよう努めること。非常災害が発生したときは、速やかに家庭動物等を保護し、及び家庭動物等による事故の防止に努めるとともに、避難する場合には、できるだけその家庭動物等の適切な避難場所の確保に努めること。
     
 第5 犬の飼養及び保管に関する基準
  1. 犬の所有者等は、さく等で囲まれた自己の所有地、屋内その他の人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのない場所において飼養及び保管する場合を除き、犬の放し飼いを行わないこと。
     
  2. 犬の所有者等は、犬をけい留する場合には、けい留されている犬の行動範囲が道路又は通路に接しないように留意すること。
     
  3. 犬の所有者等は、適当な時期に、飼養目的等に応じ、人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのないよう、適正な方法でしつけを行うとともに、特に所有者等の制止に従うよう訓練に努めること。
     
  4. 犬の所有者等は、犬を道路等屋外で運動させる場合には、次の事項を遵守するよう努めること。
     
    (1) 犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと。
    (2) 犬の突発的な行動に対応できるよう引綱の点検及び調節等に配慮すること。
    (3) 運動場所、時刻等に十分配慮すること。

  5. 犬の所有者は、やむを得ず犬を継続して飼養することができなくなった場合には、適正に飼養することのできる者に当該犬を譲渡するように努め、新たな飼養者を見いだすことができない場合に限り、都道府県等(動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第18条第1項に規定する都道府県等をいう。以下同じ。)に引取りを求めること。
     
  6. 犬の所有者は、子犬の譲渡に当たっては、特別の場合を除き、離乳前に譲渡しないように努めるとともに、その社会化が十分に図られた後に譲渡するよう努めること。また、譲渡を受ける者に対し、社会化に関する情報を提供するよう努めること。
 第6 ねこの飼養及び保管に関する基準
  1. ねこの所有者等は、周辺環境に応じた適切な飼養及び保管を行うことにより人に迷惑を及ぼすことのないよう努めること。
     
  2. ねこの所有者等は、疾病の感染防止、不慮の事故防止等ねこの健康と安全の保持の観点から、屋内飼養に努めるものとし、屋内飼養以外の方法により飼養する場合にあっては、屋外での疾病の感染、不慮の事故防止等ねこの健康と安全の保持に十分な配慮を行うこと。
     
  3. ねこの所有者は、繁殖制限に係る共通基準によるほか、屋内飼養によらない場合にあっては、原則として、去勢手術、不妊手術等繁殖制限の措置を講じること。
     
  4. ねこの所有者は、やむを得ずねこを継続して飼養することができなくなった場合には、適正に飼養することのできる者に当該ねこを譲渡するように努め、新たな飼養者を見いだすことができない場合に限り、都道府県等に引取りを求めること。
     
  5. ねこの所有者は、子ねこの譲渡に当たっては、特別の場合を除き、離乳前に譲渡しないように努めるとともに、その社会化が十分に図られた後に譲渡するよう努めること。また、譲渡を受ける者に対し、社会化に関する情報を提供するよう努めること。
     
 第7 学校、福祉施設等における飼養及び保管
  1. 管理者は、動物の飼養及び保管が、獣医師等十分な知識と飼養経験を有する者の指導の下に行われるよう努め、本基準の各項に基づく適切な動物の飼養及び保管並びに動物による事故の防止に努めること。
     
  2. 管理者は、飼養及び保管する動物に対して飼養に当たる者以外の者からみだりに食物等を与えられ、又は動物が傷つけられ、若しくは苦しめられることがないよう、その予防のための措置を講じるよう努めること。
     
 第8 その他
所有者等は、動物の逸走、放し飼い等により、野生動物の捕食、在来種の圧迫等の自然環境保全上の問題が生じ、人と動物との共生に支障が生じることがないよう十分な配慮を行うこと。
 第9 準用
家庭動物等に該当しない犬又はねこについては、当該動物の飼養及び保管の目的に反しない限り、本基準を準用する。


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動物の愛護及び管理に関する法律

昭和48年10月1日
法律第105号

一部改正 昭和58年12月2日
平成11年7月16日
平成11年12月22日

目次

第1章 総則(第1条 - 第4条)
第2章 動物の適正な飼養及び保管
第1節 総則(第5条 - 第7条)
第2節 動物取扱業の規制(第8条 - 第14条)
第3節 周辺の生活環境の保全に係る措置(第15条)
第4節 動物による人の生命等に対する侵害を防止するための措置(第16条)
第5節 動物愛護担当職員(第17条)
第3章 都道府県等の措置等(第18条 - 第22条)
第4章 雑則(第23条 - 第26条)
第5章 罰則(第27条 - 第31条)
附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。

(基本原則)

第2条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。

(普及啓発)

第3条 国及び地方公共団体は、動物の愛護と適正な飼養に関し、前条の趣旨にのつとり、相互に連携を図りつつ、教育活動、広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならない。

(動物愛護週間)

第4条 ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。

2 動物愛護週間は、9月20日から同月26日までとする。

3 国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。

第2章 動物の適正な飼養及び保管

  第1節 総則

(動物の所有者又は占有者の責務等)

第5条 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者としての責任を十分に自覚して、その動物を適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

2 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物に起因する感染症の疾病について正しい知識を持つように努めなければならない。

3 動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置を講ずるように努めなければならない。

4 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の飼養及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。

(動物販売業者の責務)

第6条 動物の販売を業として行う者は、当該販売に係る動物の購入者に対し、当該動物の適正な飼養又は保管の方法について、必要な説明を行い、理解させるように努めなければならない。

(地方公共団体の措置)

第7条 地方公共団体は、動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管について、動物の所有者又は占有者に対する指導その他の必要な措置を講ずることができる。

  第2節 動物取扱業の規制

(動物取扱業の届出)

第8条 動物(哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものに限り、畜産農業に係るもの及び試験研究用又は生物学的製剤の製造の用その他政令で定める用途に供するために飼養し、又は保管しているものを除く。以下この節及び次節において同じ。)の飼養又は保管のための施設(以下「飼養施設」という。)を設置して動物取扱業(動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示その他政令で定める取扱いを業として行うことをいう。以下同じ。)を営もうとする者は、飼養施設を設置する事業所ごとに、環境省令で定めるところにより、次の事項を都道府県知事(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)にあつては、その長とする。以下この節並びに第15条第1項及び第2項において同じ。)に届け出なければならない。

一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名
二 飼養施設を設置する事業所の名称及び所在地
三 主として取り扱う動物の種類及び数
四 飼養施設の構造及び規模
五 飼養施設の管理の方法
六 その他環境省令で定める事項

2 前項の規定による届出には、飼養施設の配置図及び付近の見取図その他の環境省令で定める書類を添付しなければならない。

(変更の届出)

第9条 前条第1項の規定による届出をした者(以下「動物取扱業者」という。)は、同項第3号から第6号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。

2 動物取扱業者は、前条第1項第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があつたとき、又は届出に係る飼養施設の使用を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

3 前条第2項の規定は、第1項の規定による届出について準用する。

(承継)

第10条 動物取扱業者について相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、当該動物取扱業者の地位を承継する。

2 前項の規定により動物取扱業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(基準遵守義務)

第11条 動物取扱業者は、動物の健康及び安全を保持するために飼養施設の構造、その取り扱う動物の管理の方法等に関し環境省令で定める基準を遵守しなければならない。

2 都道府県又は指定都市は、動物の健康及び安全を保持するため、その自然的、社会的条件から判断して必要があると認めるときは、条例で、前項の基準に代えて動物取扱業者が遵守すべき基準を定めることができる。

(勧告及び命令)

第12条 都道府県知事は、動物取扱業者が前条第1項又は第2項の基準を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて、飼養施設の構造、その取り扱う動物の管理の方法等を改善すべきことを勧告することができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

(報告及び検査)

第13条 都道府県知事は、第8条から前条までの規定の施行に必要な限度において、動物取扱業者に対し、飼養施設の状況、その取り扱う動物の管理の方法その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、当該動物取扱業者の飼養施設を設置する事業所その他関係のある場所に立ち入り、飼養施設その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(条例による措置)

第14条 都道府県又は指定都市は、動物の健康及び安全を保持するため、必要があると認めるときは、飼養施設を設置して動物取扱業を営む者(動物取扱業を営もうとする者を含む。)に対して、この節に規定する措置に代えて、動物の飼養及び保管に関し、条例で、特別の規制措置を定めることができる。

  第3節 周辺の生活環境の保全に係る措置

第15条 都道府県知事は、多数の動物の飼養又は保管に起因して周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

3 都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長(指定都市の長を除く。)に対し、前2項の規定による勧告又は命令に関し、必要な協力を求めることができる。

  第4節 動物による人の生命等に対する侵害を防止するための措置

第16条 地方公共団体は、動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止するため、条例で定めるところにより、動物の所有者又は占有者が動物の飼養又は保管に関し遵守すべき事項を定め、人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定める動物の飼養について許可を必要とする等により制限し、当該動物の所有者又は占有者その他関係者に対し、当該動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止するために必要な措置をとるべきことを命じ、必要があると認めるときは、その職員に、当該動物の所有者又は占有者の飼養施設を設置する場所その他関係のある場所に立ち入り、当該動物の飼養状況を調査させる等動物の飼養及び保管に関し必要な措置を講ずることができる。

  第5節 動物愛護担当職員

第17条 地方公共団体は、条例で定めるところにより、第13条第1項の規定による立入検査又は前条の規定に基づく条例の規定による立入調査その他の動物の愛護及び管理に関する事務を行わせるため、動物愛護管理員等の職名を有する職員(次項において「動物愛護担当職員」という。)を置くことができる。

2 動物愛護担当職員は、当該地方公共団体の職員であつて獣医師等動物の適正な飼養及び保管に関し専門的な知識を有するものをもつて充てる。 

第3章 都道府県等の措置等

(犬及びねこの引取り)

第18条 都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第252条の22第1項の中核市(以下「中核市」という。)その他政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。この場合において、都道府県知事等(都道府県等の長をいう。以下同じ。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。

2 前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。

3 都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長(指定都市、中核市及び第1項の政令で定める市の長を除く。)に対し、第1項(前項において準用する場合を含む。第5項及び第6項において同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。

4 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする公益法人その他の者に犬及びねこの引取りを委託することができる。

5 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第1項の規定により引取りを求められた場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。

6 国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第1項の引取りに関し、費用の1部を補助することができる。

(負傷動物等の発見者の通報措置)

第19条 道路、公園、広場その他の公共の場所において、疾病にかかり、若しくは負傷した犬、ねこ等の動物又は犬、ねこ等の動物の死体を発見した者は、すみやかに、その所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報するように努めなければならない。

2 都道府県等は、前項の規定による通報があつたときは、その動物又はその動物の死体を収容しなければならない。

3 前条第5項の規定は、前項の規定により動物を収容する場合に準用する。

(犬及びねこの繁殖制限)

第20条 犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。

2 都道府県等は、第18条第1項の規定による犬又はねこの引取り等に際して、前項に規定する措置が適切になされるよう、必要な指導及び助言を行うように努めなければならない。

(動物愛護推進員)

第21条 都道府県知事等は、地域における犬、ねこ等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから、動物愛護推進員を委嘱することができる。

2 動物愛護推進員は、次に揚げる活動を行う。

一 犬、ねこ等の動物の愛護と適正な飼養の重要性について住民の理解を深めること。
二 住民に対し、その求めに応じて、犬、ねこ等の動物がみだりに繁殖することを防止するための生殖を不能にする手術その他の措置に関する必要な助言をすること。
三 犬、ねこ等の動物の所有者等に対し、その求めに応じて、これらの動物に適正な飼養を受ける機会を与えるために譲渡のあつせんその他の必要な支援をすること。
四 犬、ねこ等の動物の愛護と適正な飼養の推進のために国又は都道府県等が行う施策に必要な協力をすること。

(協議会)

第22条 都道府県等、動物の愛護を目的とする公益法人、獣医師の団体その他の動物の愛護と適正な飼養について普及啓発を行つている団体等は、当該都道府県等における動物愛護推進員の委嘱の推進、動物愛護推進員の活動に対する支援等に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。

第4章 雑則

(動物を殺す場合の方法)

第23条 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によつてしなければならない。

2 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、前項の方法に関し必要な事項を定めることができる。

(動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置)

第24条 動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する場合には、その利用の必要な限度において、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によつてしなければならない。

2 動物が科学上の利用に供された後において回復の見込みのない状態に陥つている場合には、その科学上の利用に供した者は、直ちに、できる限り苦痛を与えない方法によつてその動物を処分しなければならない。

3 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第1項の方法及び前項の措置に関しよるべき基準を定めることができる。

(経過措置)

第25条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

(審議会の意見の聴取)

第26条 環境大臣は、第五条第四項、第十一条第一項若しくは第二十四条第三項の基準の設定、第十五条第一項の事態の設定又は第十八項第五号(第十九条第三項において準用する場合を含む)若しくは第二十三条第二項の定めをしようとするときは、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。これらの基準、事態又は定めを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

第5章 罰則

第27条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

2 愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行つた者は、30万円以下の罰金に処する。

3 愛護動物を遺棄した者は、30万円以下の罰金に処する。

4 前3項において、「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。

一 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

第28条 第12条第2項の規定による命令に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。

第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。

1 第8条第1項又は第9条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

2 第13条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

3 第15条第2項の規定による命令に違反した者

第30条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第31条 第9条第2項又は第10条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、20万円以下の過料に処する。

附 則

(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第3条の規定は、公布の日から施行する。

(検討)

第2条 政府は、この法律の施行後5年を目途として、国、地方公共団体等における動物の愛護及び管理に関する各種の取組の状況等を勘案して、改正後の動物の愛護及び管理に関する法律の施行の状況について検討を加え、動物の適正な飼養及び保管の観点から必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

(施行前の準備)

第3条 (略)

(経過措置)

第4条 この法律の施行の際限に改正後の第8条第1項に規定する飼養施設を設置して同項に規定する動物取扱業を営んでいる者は、当該飼養施設を設置する事業所ごとに、この法律の施行の日から60日以内に、総理府令で定めるところにより、同条第2項に規定する書類を添付して、同条第1項各号に揚げる事項を都道府県知事(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252 条の19第1項の指定都市にあっては、その長とする。)に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出をした者は、改正後の第8条第1項の規定による届出をした者とみなす。

3 第1項の規定よる届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、20万円以下の罰金に処する。

4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

(総理府設置法の一部改正)

第5〜8条 (略)






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動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する
法律について


 動物愛護管理法の一部を改正する法律は、平成17年6月22日に公布されました(法律第68号)。法律の施行は、平成18年6月1日となります。
 改正の概要は以下のとおりです。

1.基本指針及び動物愛護管理推進計画の策定(第5条、第6条)

  1. [1]環境大臣は、動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するため、基本的な指針を定めることとなります。
     
  2. [2]都道府県は当該指針に即して、動物の愛護及び管理に関する施策を推進するための計画を定めることとなります。

2.動物取扱業の適正化(第10条〜第24条)

(1)「登録制」の導入

  1. [1]現行の届出制を登録制に移行し、悪質な業者について登録及び更新の拒否、登録の取消し及び業務停止の命令措置が設けられます。
     
  2. [2]登録動物取扱業者について氏名、登録番号等を記した標識の掲示が義務付けられます。

(2)「動物取扱責任者」の選任及び研修の義務付け

  1. [1]事業所ごとに「動物取扱責任者」の選任が義務付けられます。
     
  2. [2]「動物取扱責任者」に、都道府県知事等が行う研修の受講が義務付けられます。

(3)動物取扱業の範囲の見直し

 動物取扱業として、新たに、インターネットによる販売等の施設を持たない業が追加されます。また、「動物との触れ合いの機会の提供」が含まれることが明確化されます。

(4)生活環境の保全上の支障の防止

 動物の管理方法等に関して、鳴き声や臭い等の生活環境の保全上の支障を防止するための基準の遵守が義務付けられます。

3.個体識別措置及び特定動物の飼養等規制の全国一律化
(第7条、第26条〜第33条)

  1. (1)人の生命等に害を加えるおそれがあるとして政令で定める特定動物について、個体識別措置が義務付けられます。なお、その他の動物について、その所有者を明らかにするための措置(努力規定)の具体的内容を環境大臣が定めることとなります。
     
  2. (2)特定動物による危害等防止の徹底を図るため、その飼養又は保管について全国一律の規制(許可制)が導入されます。(現行制度は、必要に応じた条例規制)

4.動物を科学上の利用に供する場合の配慮(第41条)

 動物を科学上の利用に供する場合に、「科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により動物を適切に利用することに配慮するものとする」が加えられます。(現在は、「できる限りその動物に苦痛を与えない方法」と規定)

5.その他

  1. [1]学校等における動物愛護の普及啓発:動物の愛護と適正な飼養に関する普及啓発を推進するため、教育活動等が行われる場所の例示として、「学校、地域、家庭等」と明記されます(第3条)。
     
  2. [2]動物由来感染症の予防:動物の所有者等の責務規定として、「動物に起因する感染性の疾病の予防のために必要な注意を払うよう努めること」が追加されます(第7条)。
     
  3. [3]犬ねこの引取り業務の委託先:都道府県知事等が実施する犬又はねこの引取りについて、「動物の愛護を目的とする団体」が委託先になりうることが明記されます(第35条)。
     
  4. [4]罰則:登録制への移行、特定動物の飼養等規制の全国一律化等に伴い設けられた措置に関し、必要に応じて罰則が設けられます(第45条〜第50条)。愛護動物に対する虐待等について、罰金を30万円以下から50万円以下に強化されます(第44条)。
     
  5. [5]検討条項:この改正法の施行後5年を目途として、必要に応じて所要の措置を講ずる旨の検討条項が設けられます(附則第9条)。


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