猫にブラッシングをしたい!少しずつ慣れさせるのがコツ
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愛猫にブラッシングしようとすると逃げられたり、威嚇されたりして困っていませんか? また、「猫は自分で毛をなめているからブラッシングは必要ない」と思っていませんか?
猫のブラッシングは、抜け毛を取り除き、毛玉を予防するためにも大切なケア。スキンシップとしても欠かせません。少しずつ慣れさせてお手入れしてあげましょう。この記事では、猫をブラッシングに慣れさせるコツを解説します。
どうしてブラッシングが嫌い?
道具としての「ブラシ」そのものや、人に触られることに慣れていないと猫はブラッシングを嫌がります。過去にブラッシングのために無理に押さえつけられた、痛い思いをした経験も原因になります。
母猫や兄弟猫と早く引き離されたなど、社会化が不足している猫はブラッシングをいやがる傾向が高めです。そのため、少しずつ慣れさせていく必要があります。
猫にとってのブラッシングの効果
ブラッシングは、猫にとってさまざまな効果があります。
抜け毛を取り除く
抜け毛を取り除き、飲み込むのを防ぐ効果があります。猫は自分の舌で毛づくろいをしていくうちに、どんどん抜け毛を飲み込んでしまうのです。抜け毛のほとんどは便と一緒に排泄されますが、吐き出す場合もあります。
しかし、力が弱った高齢の猫や病中病後の猫は排泄や掃き出しがうまくできません。そのため、毛玉がお腹で固まる「毛球症(もうきゅうしょう)」になる恐れがあります。
もつれを防ぐ
定期的なブラッシングは、毛がもつれるのを防ぎます。長毛種の猫は毛がもつれやすいので、ブラッシングに加えてコーミングも必要です。
血行をよくする
適切な力で皮膚に刺激を与えるので、血行がよくなります。
スキンシップに
抱っこしながらブラッシングするなど、飼い主さんとのスキンシップにもなります。触れ合ってお互い体温を感じると、猫も飼い主さんも心がリラックスするでしょう。
ブラシの種類
猫用ブラシは主に次の種類が販売されています。猫の毛や目的によって使い分けましょう。
コーム(くし)
長毛種の毛を整え、もつれを取り除きます。短毛種は仕上げに使いましょう。
スリッカーブラシ
先が針のように曲がった金属製のピンが並んだブラシです。長毛種の毛玉を取るのに向いています。先端が皮膚に当たると痛いので、使う際は注意が必要です。
ピンブラシ
金属製のピンの先が球形になったブラシです。長毛種の絡んだ毛をほぐしやすいでしょう。力を入れると毛が引っ張られてしまうのでそっとほぐすのがコツです。
ラバーブラシ
ラバー他、シリコンタイプもあります。抜け毛をごっそり取り除いてくれるブラシです。ほどよい柔らかさで、マッサージ効果もあります。手の感覚でブラシができるグローブタイプは、力加減を調節しやすいでしょう。
ブラッシングに慣れさせる手順
猫の好きなおやつとブラシを用意します。大きなブラシに慣れていない猫は歯ブラシから始めましょう。多くの猫が好む液状のおやつを利用すると便利です。
人触られることに慣れさせる
ブラッシングに恐怖心を抱かせないために、まず「人に触られる」ことに慣れさせます。この時点ではブラシは必要ありません。
飼い主さんは床に座って、猫の近くでおやつを見せます。近づいてきたら、おやつを食べさせながらそっと体を触ります。猫が膝の上に乗ってくれればベストです。
注意!
大声で呼ばず、静かに行ってください。騒ぐと驚いてしまうので気を付けましょう。
道具に慣れさせる
ブラシを猫の過ごす場所近くに置いておきます。猫がブラシに近づいて匂いを嗅いだり、顔を擦り付けたりしたらおやつを食べさせましょう。このときのブラシは、歯ブラシでも普通のブラシでもどちらでもかまいません。
なかなか来ない場合は、ブラシそのものにおやつを塗り付けておきましょう。猫の方から舐めにきます。決して無理にこちらから押し付けず、猫が興味を持つのを待ってください。
ブラッシングしてみる
猫がブラシに興味を持つようになったら、おやつを片方の手に持った状態で少しだけブラッシングしてみましょう。頭など、猫が好む場所から始めます。体全体をブラシする必要はありません。ブラッシングしたらおやつをあげてください。
少しずつブラッシング範囲を広げる
猫は、自分の舌が届かない頭、頬、顎周辺などをブラシしてもらうと喜びます。最初は顔周辺だけをブラッシングしましょう。
次の日は背中だけをブラッシング、その翌日は前脚だけをブラッシングと範囲を広げながら進めます。毛並みにそって、ブラッシングするのがコツです。
本物のブラシを使ってみる
歯ブラシに慣れたら、猫用ブラシを使ってみましょう。ブラシによっては力を入れると痛いものもあるので注意してください。
このサインが出たら中止
ブラッシング中に、耳が前後に動いたり、しっぽをパタンパタン揺らしたりしたら「もうやめて」のサインです。ブラッシングは中止しましょう。「嫌がればすぐ解放される」と誤った学習をさせないためにも、猫をすぐ自由にせず少し間を置いてから離すのがコツです。
ひどい毛玉ができたら動物病院へ
長毛種の猫など、毛玉ができているときは無理に引っ張ると痛い思いをさせてしまいます。動物病院やトリミングサロンに連れて行きましょう。
まとめ
猫のブラッシングは抜け毛を取り除き、お腹に毛玉が溜まるのを防ぐ効果があります。血行もよくなり、飼い主さんとのスキンシップにも役立つでしょう。
猫をブラッシングに慣れさせるには、少しずつ進めるのがコツです。最初は歯ブラシでかまいません。おやつも上手に利用しながらブラッシング大好き猫にしましょう。