大地震・台風・豪雨・暴風などの大きな災害対策を行うことは、飼い主さんにとっても猫にとっても大変重要なことです。猫とはぐれないように避難するコツ、猫と同行避難するとき用意しておきたいグッズや、日頃からできる対策をご紹介します。
ワクチン接種・フィラリア・ノミ・ダニ予防を忘れずに
災害時は、さまざまな感染症が蔓延する危険性があります。感染症予防の混合ワクチンは必ず接種しておきましょう。ノミ・ダニ予防も忘れずに。発生数はそれほどないものの、猫にもフィラリア症があります。季節によっては避難所に蚊が発生することもあるので、フィラリア予防もしておくと安心です。
避妊・去勢手術をしておく
避難所で発情して興奮すると、周囲の方に迷惑をかけてしまいます。また猫が迷子になっている間、繁殖してしまう心配もあります。避妊・去勢手術は必ずやっておきましょう。
キャリーバッグやクレートに慣れておく
抱っこやハーネスだけでは逃げ出す危険もあり、キャリーバッグやクレートに猫を入れて避難する方が安全です。突然入れても猫のストレスになるので、キャリーバッグやクレートに今から慣れさせておきます。普段から部屋に置き、猫の匂いのついた敷物を入れてあげましょう。中に入ったら大好きなおやつをあげて「中に入るといいことがある」と覚えさせます。
ケージにも慣れておく
日頃からケージで暮らす習慣があると、避難所でのケージ暮らしも受け入れやすくなります。ケージは家の中の安全な場所に置き、寝床やトイレを中に設置しておきます。留守番中はケージで過ごすようにすると安心です。ケージに慣れると、入院したときも安心です。
猫の防災グッズで用意しておきたいもの
猫と避難するとき用意しておきたい防災グッズをご紹介します。すぐ持ち出せるようにまとめておき、時々チェックすることも大切です。
クレート・キャリーバッグ
猫を入れて同行避難します。丈夫で軽いものを選びましょう。
クレート・キャリーバッグにかける大きな布や袋
外が見えると猫は不安になるので、クレートやキャリーバッグは大きな布や袋で覆ってあげましょう。
1週間分のフード・お水
猫がいつも食べているフードとお水を用意しておきます。レトルトのウェットフードは、水分補給にもなるので便利です。フードは、常に新しいものを防災用品に入れるように心がけます。療法食は、災害時には手に入りにくくなる可能性が高いので、準備を忘れずに。
食器・水入れ
猫が食べやすく飲みやすい食器を、入れておきましょう。
常備薬
お薬を飲んでいる猫には欠かせません。獣医さんに少し多めに処方してもらうのもいいですね。
首輪・リード
予備の首輪を用意します。リードもあると便利ですが、あらかじめ慣れさせておくことが大切です。
毛布・タオル
寒いときに備えて入れておきます。敷物にしても、ケージにかぶせても使えます。
ビニール袋
トイレ掃除やごみ入れとして、多めに入れておきます。
ティッシュ・ウェットティッシュ
何かと使うことの多いティッシュやウェットティッシュは、人間用も猫用も用意します。
ケージ
ケージがあると、キャリーバッグやクレートより大きめなので過ごしやすくなります。かさばるので、余裕があれば持って行きたいものです。
猫用トイレ・猫砂・スコップ
避難所でも安心して排泄できるように、猫用トイレと猫砂も防災用品に必要です。少し小さめで、持ち運びしやすいものが売られています。
トイレシーツ・オムツ
キャリーバッグに敷いておくと安心です。またトイレまわりに敷いておくと、周りを汚さずにすみます。オムツをしている猫は、オムツも忘れずに入れておきましょう。
猫の情報を書いたペット手帳
猫の年齢や体重、ワクチンの接種記録、持病や体質、かかりつけの動物病院などを書いておきます。写真も必ず貼っておきます。
爪とぎ
爪とぎがあると、猫のストレス解消になります。
飼い主さんとの写真
飼い主さんや家族と一緒に撮った写真を必ず持っておきます。猫だけが保護されたとき、所有者が明らかになりやすくなります。
猫は迷子になりやすいから首輪+「マイクロチップ」
災害時は猫もパニックになり、ちょっとしたすき間から逃げ出す危険性もあります。家の近くに潜んでいることが多いのですが、なかなか出てこない場合、時間がたってから保護されることもあります。その際、身元がわかるようにマイクロチップを装着しておくと再会できる可能性が高くなります。猫の首輪は外れるタイプが多いので、首輪とマイクロチップ両方装着しておくと安心です。マイクロチップは動物病院で装着できるので、かかりつけの動物病院に相談してください。
避難の練習をやっておく
まずは猫をキャリーバッグに入れる練習をしておきましょう。キャリーバッグに入ったら、防災用品も持って避難所まで歩いてみます。猫の様子や、荷物の重さ、避難所までの道のりを確認してみてください。
日頃の準備で自分と猫を守る
いつ、どこで起こるかわからない災害。猫と一緒に安全に避難するためにも、普段からキャリーバッグに入れる練習や、避難を想定した練習をやっておきましょう。猫のストレスにならないよう、少しずつ慣れさせることがポイントです。