ご飯を食べない猫はどうすればいい?食欲が落ちる理由と対策
目次
愛猫がフードを突然食べなくなるときってありますよね。病気になったのではと心配する飼い主さんも多いでしょう。
猫は、食べ物の匂いや食感だけでなく、食事の環境や食器の清潔さなどにも敏感です。人から見るとささいな理由で食べなくなるケースがあります。
今回は、ご飯を食べない猫への対策を解説します。ただし元気がないときや、丸一日食べないときは動物病院を受診してくださいね。
猫がご飯を食べない理由
もちろん病気が原因で食べないときもあります。しかし、病気以外ではさまざま。フードそのものや、食事環境に理由がある場合もあるのです。
フードそのものに理由がある
フード自体が好みでないなどの理由で食べないときがあります。せっかくの高いフードでも食べないのは、単に香りなどが好きでないのかもしれません。
・フードに飽きた
新しもの好きの猫は、いつも食べているフードに飽きてしまうときがあります。
・トッピング待ち
ウエットフードや液状のおやつなどをトッピングしてもらった経験があると、「またトッピングしてほしい」と粘る猫もいます。
・新しいフードが好みではない
せっかくの新しいフードも、何か気に入らないことがあると食べない場合があります。香りや食感などのこだわりがある猫が多く、飼い主さんを悩ませるでしょう。
・フードの嫌な思い出
フードに苦い薬が入っていて、おいしくなかったなどの嫌な体験があると食べなくなる場合があります。
本当にたまたま体調不良のときフードの匂いを嗅いだのがきっかけで、嫌いになってしまう場合もあるようです。
環境が原因によるもの
猫は食事環境にも敏感です。お皿の汚れなどで食べなくなるケースもあります。
・食器が汚れている、好みではない
汚れた食器や、いつまでも古いフードが残っている食器だと猫は食べなくなる場合があります。こびりついた匂いなどを嫌がるようです。
食器にひげが当たるのを猫は嫌がります。深めのお皿などで与えていると、ひげが当たりやすいでしょう。フードを前脚でかきだしている場合、食器を嫌っている可能性があります。
・落ち着いて食べられない食事環境
人の出入りが激しい場所で食べる、多頭飼いで争うように食べるなども食欲低下の原因です。食事場所とトイレが近いのも大変嫌がります。極端に暑い、寒い食事場所も嫌がるでしょう。
意外に見落としがちなのが、「食べていると飼い主さんがいつもじっと見ている」です。ちゃんと食べているか心配になると、ついやってしまいますよね。やたらと声をかけてくるのもいやがるでしょう。
・猫がシニアになった
年を取ると、どうしても運動量が減るため食べる量は減っていきます。関節に負担がかかるため、平たい食器が床にあると首を下げて食べるのも辛くなるのです。
シニア猫は嗅覚が衰えるので、フードの香りもわかりにくくなって食欲が落ちます。「認知症(認知機能不全症候群)」でも食欲が落ちることもあります。
病気の可能性も考える
病気でも食欲は低下します。一見元気そうに見えても猫は体調不良を隠すので、飼い主さんはしっかり観察しましょう。病気でなくても、ひもなどの異物を食べた場合も食欲が落ちます。
次のような症状が見られたら、動物病院を早めに受診しましょう。
・なんとなく元気がない
・狭くて暗い場所から出てこない
・嘔吐や下痢をする
・血尿や頻尿がみられる
・尿が出ていないようだ
・口の周囲を触られることを嫌がる
また、丸一日食べないでいると、肝臓に脂肪が過剰に溜まって肝臓の機能が低下する「肝リピドーシス」になる恐れもあります。脂肪肝とも呼ばれ、猫特有の病気です。急いで受診しましょう。子猫の場合は8時間程度食べないようでしたら、受診してください。
ご飯を食べない猫への対策
病気以外での食欲不振対策を紹介します。いろいろ試しているのに食欲の低下が続くときは、必ず動物病院を受診してください。
・食器を変える
猫のひげが当たりにくい平らな食器に変更します。首を下げる必要がないように、高さのある猫専用の陶器の食器がおすすめです。
プラスチック製の食器はリーズナブルで軽いのですが、細かい傷がつきやすく汚れが取れきれないのが欠点です。できれば陶器がいいでしょう。
・食器をこまめに洗う
清潔を保つために、食器は小まめに洗いましょう。これだけでも食べるようになる場合があります。
・食事の環境を改善
静かで落ち着いた場所に移動します。大きな音がする洗濯機やテレビなどの家電からは離してください。多頭飼いの場合は、クレートに入れて別々に食べさせるのがおすすめです。
飼い主さんは、食事中じっと見たり声をかけたりしないようにしましょう。
・好みを探る
フードのサンプルなどを用意して、好みを探るのもいいでしょう。いくつか好きなブランドや素材のフードが見つかるはずです。それらをローテーションして与えると、飽きずに食べてくれます。
「子猫のころに食べたものが好き」という習性もあるので、その当時与えていたブランドのフードを与えるのも手です。フードの切り替えは、下痢をしないように時間をかけて行ってください。
・フードの与え方も一工夫
フードは温めてみましょう。猫は狩り直後、獲物の温もりが残った状態で食べるので、温めると喜んで食べる場合があります。フードの香りが立つので、嗅覚が衰えてきたシニア猫の食欲も刺激するでしょう。加熱するときはアツアツではなく、ほんのりと温かい程度にしてください。
フードが入るおもちゃなどにフードを入れて、遊びながら食べさせるのもおすすめです。狩猟本能が刺激されて、よく食べるようになるかもしれません。
まとめ
猫がご飯を食べないと心配ですよね。
フードが好みでなかったり、本当に飽きたりするほか、食器や食事の環境に不満がある場合もあります。
温めて与える、静かな場所で食べさせるなど対策を行ってください。食器を変えるだけで食べるようになる場合もあるので、食器の見直しも大切です。
病気が隠れている場合もあるので、食欲不振が続くときは必ず動物病院を受診してください。