犬との主従関係を守るしつけ方
犬のしつけを行う際、飼い主と犬との間に主従関係があることを明確にすることが重要です。
しかし、最近は犬を「大切な家族」ととらえ、家族と平等な存在として扱おうとする人も少なくありません。
そこで今回は、犬との主従関係を築くことの重要性についてご説明していきたいと思います。
主従関係を正しく築かなければならない理由
犬社会では上下関係がしっかりと形成されており、犬は本能的に、上位にある犬に対しては服従し、下位にある犬に対しては服従を強いるという特性を持っています。
そのため、上下関係、つまり人と犬との場合は主従関係が明確でないと、犬が「自分はどの立場なのか」、「人間にはどんな対応をするべきなのか」といった判断ができなくなります。
最悪の場合、犬が「自分は一番偉い」などと大きな勘違いをしてしまい命令を聞かない、飼い主やその家族に対して横柄な態度をとる、といった事態に陥ることとなります。そういった困った状況を引き起こさないためにも、主従関係をハッキリさせることが重要になってきます。
主従関係が逆転している可能性が高い行動とは?
犬がとる行動で主従関係が逆転しているかの有無を確認することできます。以下のようなことがある場合は逆転の可能性が高いと言えますので、改めて主従関係を築く必要があります。ここではその具体例と改善策を紹介していきます。
散歩をしていると常に自分より犬が先を歩いている
首輪にリードを付けて散歩をする際は、引っ張るリードをピーンと張るのではなく、少し余裕を持たせて持ち犬の前を歩くようにしましょう。
犬が行きたいところに行く、進む方にただ付いていくという散歩の仕方は絶対に避けるようにしてください。なかなか犬が言うことを聞いてくれないということであれば、犬が進む方向とは逆の方向に進んでいくなどの強硬な姿勢を見せるようにしましょう。
エサを定位置に置く前から食べ始める
いつも置いている場所にエサを置く前から興奮し始めて、エサを持っている飼い主に飛び掛かったり、エサを奪おうとするなどの行動を取る場合は、しっかりとしつけをする必要があります。
食事の前と途中に「待て」を行い、エサに関する主導権を持っているのは飼い主側であることを認識させなければいけません。特に、食べている途中に「待て」を行ってそれに従うようになれば主従関係が築けていると言っていいでしょう。「待て」ができないほど状態が悪い時は、食べている途中でもエサを取り上げるといった厳しい態度を見せることも大切です。
飼い主のお腹の上や背中に乗ってくる
犬は自分よりも下に見ているものの上に立とうとする習性があります。それが、飼い主のお腹の上や背中に乗るという行為で、「ただじゃれ合っているだけ」と思っている人が多いようですがその認識は間違っています。
のしかかってくるようなタイミングがあれば、すぐにその行為を止めさせ、「お座り」をさせるようにしてください。それでも興奮が冷めないようであれば少し時間を空けてから、改めて「お座り」をさせるようにしましょう。
少しでも叱ると噛みついてくる
犬のしつけを行うために大きな声を上げたり、目を合わせて言い聞かせようとした際に、飼い主に「噛みつく」という行動で反抗してくる犬がいます。これは、飼い主よりも自分が上位だと思っているからです。自分を攻撃してくるもの、不快にさせてくるものに対しては「噛みつく」という行為で撃退しようとしているのです。
このような場合は、噛みついてきたときに叱る言葉を一つ決めておくと良いでしょう。例えば、「ダメ!」という言葉を使って、噛みついてきたときには大きな声を出して叱る。この動作を繰り返していれば、徐々に分別がついてくるはずです。