犬の誤飲・誤食や拾い食い、予防のポイントやしつけ方とは?
愛犬がお家のなかでおもちゃを飲み込んでしまった、お散歩中に落ちているものを食べてしまった!どっきりした飼い主さんも多いのではないでしょうか。誤飲・誤食や拾い食いは、中毒を引き起こしたり腸閉塞を引き起こしたりと犬の命に関わるリスクが高く、予防することが大変重要です。誤飲や拾い食いを予防するしつけや、普段から気を付けるポイントを解説します。
誤飲・拾い食いの危険
犬は好奇心旺盛な動物です。食べ物や飲み物はもちろん、観葉植物、乾電池、アクセサリー、文房具、ひも、人間用のお薬など犬が興味を持つものはたくさんあります。ティッシュペーパーなど「まさか」と思うようなものも食べてしまうことがあるので、油断をしないようにしましょう。
玉ねぎを食べると溶血性貧血を引き起こすことがあります。チョコレートに含まれるカカオは、食べた量によっては犬の命に関わることも。釣り針や竹串は、消化管を傷つける可能性があり大変危険です。犬がいつも遊ぶおもちゃも、うっかり飲み込んでしまうと腸閉塞になることもあります。こういった犬の誤飲・誤食や拾い食いは、飼い主さんが予防することが可能です。
誤飲・誤食、拾い食いを予防するためにできること「お家の中」
まずは家の中や環境のチェックをしましょう。誤飲・誤食が心配な愛犬は、留守番させるときや目を離すときはサークルに入ってもらうと安心です。
おもちゃ選び
犬は噛んで遊ぶのが大好き、犬のおもちゃを選ぶときは、大きさや素材に注意しましょう。犬の口にすっぽりはいってしまう小さなおもちゃ、噛むとつぶれるゴムボールは飲み込んでしまう危険性があります。また細かいパーツがついているもの、簡単に壊れるものは選ばないようにしましょう。おもちゃが壊れたら、すぐに処分してください。
犬の目線で片付ける
家の中は片づけることが大切です。食べ残しや飲み残し、小物などいろいろなものを放置しないようにします。床に何か落ちていないか、這いつくばって犬の目線でチェックしましょう。テーブルやカウンターの上も要注意です。小型犬でもジャンプ力がある犬がいますし、椅子やステップを使って上ってしまう犬もいます。
ゴミ箱はフタつきを
ゴミ箱の中は、犬にとって興味のあるものばかり入っています。ゴミ箱はしっかりしたフタがついたものにしましょう。
誤飲・誤食、拾い食いを予防するためにできること「しつけ」
日頃からしつけをしておきましょう。おやつを使うので、食べすぎには気を付けてください。誤飲・誤食を繰り返す犬や、拾い食いの癖のある犬は、動物病院に相談することも大切です。
「ちょうだい」ゲーム
「ちょうだい」の号令で、口にくわえたものを出せるように教えるゲームです。犬がおもちゃをくわえていたら「ちょうだい」と言いながら、取り上げます。同時に犬の好きなおやつを与え、おもちゃを返します。物に執着するタイプの愛犬の場合は、指を噛まれないように注意してください。
「オフ」ゲーム
「オフ」の号令で、離れて待つことができるようになるゲームです。おやつを手に持って、犬の鼻先に持っていき「オフ!(「離れて」でもよい)」と言います。犬はおやつが欲しくて、舐めたり匂いを嗅いだりしますが、手に持ったおやつは動かさずにじっとしていましょう。犬が離れたら「いい子!」とほめておやつを与えます。最初はおやつから目をそらすだけでもOKです。
何度も根気よく練習をしていき、最終的には床に置いたおやつでも「オフ」ができるようにします。おやつは、必ず飼い主さんの手から与えるようにしましょう。
名前呼びゲーム
犬が何かに気を取られていても、名前を呼べば飼い主さんの方を見るゲームです。とくに散歩のときにやるのがおすすめです。名前を呼んでこちらを向いたら、ごほうびのおやつをあげましょう。拾い食いをしそうになっても、名前を呼ぶことで防止することができます。
誤飲・誤食、拾い食いを予防するためにできること「散歩中」
食品の包み紙、ガム、ゴミ、タバコ、石、植物など、家の中と異なり、外は何が落ちているのかわからないのが特徴です。
ロングリードや伸びるリードは使わない
ロングリードで散歩していると、とっさのときの対応ができません。拾い食いの心配がある間は、ロングリードを使わないようにしましょう。また小さなお子さんが遊ぶ公園やコンビニエンスストア近くの公園は、食べ残しなどが落ちている可能性も高いので要注意です。なるべくそういった公園には、散歩に出かけないことも予防になります。
拾い食い癖のある子には口輪を
拾い食いが心配な犬、まだしつけの途中の犬には口輪を付けて散歩にいきましょう。お水を飲むことができる「かごタイプの口輪」がおすすめです。
誤飲・誤食、拾い食いをしたら
どんなに注意をしていても、誤飲・誤食や拾い食いをしてしまうことがあるかもしれません。飼い主さんは慌てたり大騒ぎしたりしないことが大切です。
大騒ぎしない
絶対に騒がず、冷静に「オフ」「ちょうだい」をします。飼い主さんが騒いだり、口をこじ開けようしたりとすると、取られまいとしてとっさに飲み込んでしまうことがあります。
また飲み込まずにすんだとしても、大騒ぎした飼い主さんをみて「変わったものを口にすると注目してくれる」と思う犬もいるので気を付けてください。
それでも飲んでしまったら動物病院に連絡
飲み込んでしまった、食べてしまったというときは、すぐに動物病院に連絡をします。冷静に「何を」「どのくらい」「いつ」食べたかを伝えましょう。その後は獣医師の指示に従い、無理に吐かせるなど勝手な処置はしないようにします。散歩中も動物病院の連絡先を持っておくと、安心ですね。
どの犬にも誤飲・誤食、拾い食いのリスクはあります。飼い主さんは日頃から注意をして予防しましょう。しつけ方法などもかかりつけの動物病院に相談すると安心です。万が一、犬が誤飲・誤食、拾い食いをしてしまったら、すぐに動物病院に連絡してください。