嘔吐、血尿や下痢から疑われる猫の病気

嘔吐、血尿や下痢から疑われる猫の病気
猫は気まぐれな性格の子が多いため、犬に比べて病気の兆候や症状がわかりにくいと言われています。
 
嘔吐や下痢、血尿といった症状は、猫が示す数少ない病気の前兆行動です。
 
愛猫の健康を願うなら、前兆行動からどういった病気の疑いがあるのかを知っておきましょう。
 
ここでは、嘔吐、血尿や下痢から疑われる猫の病気についてご紹介します。

問題のない嘔吐と危険な嘔吐の見分け方

病気について詳しくご説明する前に、まずは問題のない嘔吐と病気の可能性がある嘔吐の見分け方について学んでおきましょう。猫は比較的嘔吐の多い動物です。例えばご飯を食べ過ぎたときや、空腹のとき、また毛玉を吐き出すためなどに嘔吐することがあります。
 
一方、猫の病気の中には、よく吐くといった兆候が見られるものもあることから、嘔吐した際はどんな風に吐いたのかを観察することが大切です。
 
問題のない嘔吐の場合は、嘔吐後の行動や健康状態に特に異変がありません。また、食後すぐの嘔吐や嘔吐物が黄色または白い泡、草、毛玉である場合も問題ありません。ただし、急に嘔吐の頻度が増えた場合は、動物病院を受診したほうが良いでしょう。
 
一方、下痢や痙攣を伴うものや、吐いた後にうずくまってしまったり、嘔吐物に血が混じっていたりで、何度も嘔吐を繰り返す場合などは、病気の可能性があります。
 
他にも、吐く仕草だけで嘔吐はせずに大量によだれを垂らす場合や、嘔吐物から便のような臭いがする場合も、猫の体が危険にさらされている可能性が高いと言えます。
 
こういった場合は、できれば嘔吐した時間や頻度などをメモしておくとともに、嘔吐物の写真(どんなものを嘔吐したかのメモでも可)を撮影し、早急に動物病院を受診してください。
 

疑われる病気の種類 その1「胃腸炎」

猫の胃腸炎には急性のものと慢性のものがあり、どちらも下痢や嘔吐などの症状が見られます。原因は、ウイルス性のものから異物の誤飲、お腹の中に毛が溜まってしまう毛球症までさまざま。
特に急性の場合は、何度も嘔吐を繰り返すため、ひどい場合は食欲をなくし、水を飲むことすらできなくなります。
 
慢性の場合は、下痢や嘔吐の症状は急性ほどひどくありません。ただし、徐々に体重が減少したり、毛づやが悪くなったりなどの症状が見られるため、気づいたら動物病院に連れて行くようにしましょう。
 

疑われる病気の種類 その2「ネコ伝染性腸炎」

名前の通り、ウイルスの感染によって引き起こされる病気です。主に下痢や吐き気、ひどい場合は脱水症状や発熱などの症状が現れます。
 
特に注意したいのが、猫汎白血球減少症という病気で、猫パルボウイルスというウイルスに感染することで引き起こされます。猫パルボウイルスは非常に感染力の強いウイルスで、人間が外出中に猫パルボウイルスに感染した猫に接触してしまうと、帰宅後に自宅にいる愛猫に感染することもあります。
 
感染後は下痢や嘔吐とともに、ぐったりしたり、ひどいときには胆汁などを吐き出したりすることもあります。また名前の通り、白血球が減少するため、病気に対する抵抗力が低下してしまう恐ろしい病気です。
 
ただし、この病気はワクチン接種によって防ぐことができます。前述した通り、感染力が強いウイルスですので、完全室内飼いであっても、ワクチン接種を行うことが大切です。
 

疑われる病気の種類 その3「肝炎」

吐き気や下痢とともに、食欲不振や発熱、多飲多尿やお腹の膨らみなどが確認されるようであれば、肝炎の可能性があります。ひどくなると、肝硬変に至ることもありますが、軽度では症状が出にくい病気ですので、発見が難しいと言えるでしょう。
 
原因はウイルスなどによるものから、薬物によるものなどさまざま。中には駆除剤で弱ったネズミを食べて発症することもあります。前述したとおり、肝炎は症状が出にくい病気のため、定期的に健康診断を受けることが、病気の予防につながります。
 
猫の病気はさまざまですが、注意深く観察することで早期発見できる場合があります。日頃から猫の様子をしっかりと観察し、異常があれば動物病院に連れて行くようにしましょう。
 
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