犬の寿命が延びて高齢化がすすむのと同時に11~13歳を過ぎるころから人間と同じように犬も認知症を発症することがあります。
認知症を発症すると、次のような行動や変化がでてきます。
・意味もなく単調な声で鳴く
・昼夜が逆転してしまう
・夜鳴きをする
・前にだけとぼとぼと歩く
・壁の隙間や机の下などの狭いところにもぐりこみ、出られなくなる
・右旋回、もしくは左旋回のみを繰り返す
・名前を呼ばれても無反応、飼い主が来ても喜ばない
・食欲旺盛でよく食べるのに、下痢もせず痩せてくる
・直角のコーナーで方向転換ができない
・おもらしなど、トイレの失敗が多くなった
認知症は早期発見が改善の要となります。
また、飼い犬が認知症にならないようにするためには、予防法を実践することが大切です。
まず、毎日の生活を同じものにしないことを心がけましょう。ドッグフードを日によって代えたり、散歩のルートを変えることが有効です。毎日の生活に変化を加えることで常に犬の脳へ刺激を与え続けるのです。
また、積極的に日に当たる場所へ連れて行き、日光浴で体内時計を正常にすることも有効です。日光浴によって生活リズムをリセットしてフレッシュさせます。
さらに、犬と飼い主の接し方を工夫するだけでも認知症を予防することが可能です。スキンシップを多く取ることや、飼い犬の名前を意識的によく呼ぶことがその方法です。特にスキンシップは有効で、大好きな飼い主とふれ合うことは犬にとっても嬉しいことであり、自意識を高めてくれるのです。
でも…時が過ぎ、ある年齢に達した飼い犬は認知症になってしまうかもしれません。
飼い主さんにとって、家族となってまだ10数年しかたっていない愛犬が認知症といわれてもなかなか受け入れることができず、ショックを受けてしまうかもしれません。
しかし、いままで一緒に暮らし、癒してくれた愛犬に恩返しをする期間と割り切ってみてください。
愛犬の状態を受け入れ、きちんと向き合うことで、飼い主さんと愛犬がお互いにストレスのない関係を築くことができます。