犬のムダ吠えは、きちんとしつけをしないと近隣の方に迷惑をかけてしまい、住民トラブルなどに発展してしまうことがあります。
今回は、吠えるくせがある犬のしつけ方について説明していきたいと思います。
犬が吠える理由を考えよう
犬にとって吠えるという行動はコミュニケーションの手段の一つで、犬にとっては何らかの意思表示であることがほとんどです。では、犬が吠える理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
1.要求、はしゃぎ
「ワンワン!」と軽快に吠えます。「お腹がすいた」、「構って欲しい」、「散歩へ行きたい」などといった欲求・要望があるときの吠え方です。
2.不平、不満、威嚇
歯をむき出して「ウー!」と低く唸ります。強い不満を感じたり、警戒から威嚇に移ったときなどの吠え方です。
3.痛み、恐怖
「キャン! キャン!」と高く悲壮な声で吠えます。身体に痛みを感じたときや、強い恐怖を感じたときの吠え方です。
4.縄張りを主張する
「ワン! ワン!」と低めの声で威嚇するように吠えます。飼い主以外がチャイムを押したときや、慣れない来客を目にしたときなどにこの声で吠えます。
5.退屈、興奮
「ワン! ワン!」と高い声でひっきりなしに吠えます。犬の中には散歩や運動が足りないとき、エネルギーを発散しようとこの吠え声で鳴き続けるタイプがいます。
6.寂しさ
「ウォーン」、「キューン」といった高い声で悲しげに吠えます。この吠え声は仲間を呼ぶための声で、一匹にされたときの寂しさを訴える声です。
吠える犬のしつけ方と注意点
ムダ吠えは周囲に迷惑をかけてしまうことから、飼い主が「早くやめさせるよう矯正しないといけない!」とつい焦ってしまいがちです。
しかし、鳴きやまないからといって、一方的に「駄目!」と叱りつけるだけでは、犬に過剰なストレスを与えてしまいます。上記でご紹介したように、犬が吠えるときには、それ相応の理由や原因があります。
そのため、ムダ吠えが気になるときには、まず吠えてしまう原因を明らかにに、理解することが大切です。
そして、犬が吠える原因を取り除いてあげれば、ムダ吠えをしないようしつけをすることができます。ムダ吠えがなかなか治らないときは、犬の気持ちに寄り添って、何を言いたいのか、伝えたいのかじっくり確認してあげましょう。
来客やほかの犬に吠えてしまう犬にするべき対応
来客やほかの犬に対して吠える犬は、繊細で臆病な性格であるケースが多く見られます。自分以外の存在に対する免疫がないため、相手が「自分にとって敵ではないのか!? 」と威嚇し、必要以上に吠えてしまうのです。
また、成犬の場合は、子犬時代に知らない人物やほかの犬から恐怖心が植え付けられている場合があり、その恐怖心から吠えてしまうというケースもあります。恐怖心から吠えている犬をしつける場合に重要になるのが、他人やほかの犬に無理に慣れさせようとしないということです。
恐怖心を抱いている対象にいきなり慣れるのは、とても難しいものです。ゆっくりと時間をかけて恐怖心を溶かしていくことを心がけ、ムダ吠えをしたときには「怖がらなくて大丈夫」と優しく声をかけ、リラックスさせてあげるようにしましょう。
こういったことを根気よく繰り返すことで、成犬でも恐怖心を解きほぐすことができ、ムダ吠えを緩和させることができます。
ムダ吠えは、飼い主にとって非常に悩ましい問題ですが、犬にとっては主人に聞いて欲しい訴えにほかなりません。犬の気持ちをくみ取って、根本的な原因を取り除いてあげることが大切です。