原産国 | 中国 |
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体重 | 5.4㎏以下 |
体高 | 20cm前後 |
グルーブ | 9G |
特徴
全身が美しい長毛に覆われており、特に首のまわりに生えた豊かなたてがみのような毛は気品があります。大きな頭部やしっかりと丈夫な胴体、地面近く低い姿勢も独特です。垂れ耳で、尾はゆるやかに巻かれていて長い飾り毛があります。
性格
独立心が旺盛で、大胆で勇気があります。愛玩犬ですが飼い主に依存することはあまりないので、猫のような性格の犬と評されることもあります。誇り高く頑固な一面もあります。
毛色
毛色はアルビーノ(皮膚や被毛の色素を欠いた白子)とレバーを除くすべての色と模様が認められていますが、斑が偏っているのは好ましくないとされています。
育て方
運動量はそんなに必要としないので、散歩は短い時間で十分です。毛量が多く暑さに弱いので、夏場は熱中症に気をつけてください。
気位が高く頑固な一面があるため、しつけが入りにくいと言われています。子犬の時から時間をかけてじっくり行うことが大切です。信頼関係が出来上がって飼い主を主人と認めるようになると、愛情深く振る舞うようになります。
ダブルコートの犬の中でも特に下毛の量が多く、喚毛期には大量の抜け毛があります。ブラッシングを怠って毛玉ができてしまうと皮膚病につながってしまうので、毎日のブラッシングは欠かさず丁寧に行ってください。
気をつけたい病気
先天的な遺伝子異常により、椎間板ヘルニアを起こす危険性が高い犬種の一つです。予防のためには、太らせないことが重要です。
短頭種なので軟口蓋過長症になりやすい傾向があります。興奮時のガーガーという異音やチアノーゼなどの症状があり、呼吸困難から失神するケースもあります。鼻腔狭窄症も短頭種がなりやすい先天的な呼吸器系疾患です。先天性の疾患なので予防は難しいですが、肥満防止によって病状の進行を止めることは可能です。
先天的に心臓が弱く、年齢を重ねると僧帽弁閉鎖不全症に罹患しやすくなります。特徴的な症状は咳で、興奮時や夜から朝方にかけて苦しげな咳をするようになったら要注意です。
歴史
ペキニーズに関する最古の記録は8世紀ごろになりますが、起源は定かではありません。祖先犬はラサ・アプソと考えられ、ラマ教の教主ダライ・ラマによって秦の始皇帝をはじめとした歴代の皇帝への貢物にされてきたと言われています。神聖な獅子犬であるペキニーズには魔よけの力があり皇族の葬儀では柩を率いて墓へ先導するという役割が与えられていました。1911年、西太后の葬儀が行われた時もモータンという名のペキニーズが棺を墓まで先導した話は有名です。
1860年の阿片戦争で中国と戦ったイギリスの士官が宮殿に置き去りにされた西太后のペキニーズ5~6頭を本国に持ち帰り、ビクトリア女王に献上しました。これがヨーロッパへ紹介された最初と言われています。犬好きで知られるビクトリア女王も愛育し、1872年に愛するペキニーズが死んだ時には宮廷動物画家のランドシーアに在りし日の姿を描かせたほどだったようです。この頃までは、イギリスでも王侯や貴族だけで飼育されていましたが、1893年に初めてドッグショーに出品されたのを機に一般人の間にも人気が広がっていきました。現在でも家庭犬、愛玩犬として世界中に愛好家が多い犬種です。
犬名は原産国である中国の都市「北京」が由来で、北京の綴りがかつては「Peking」だったことから「ペキニーズ」(Pekingese)となりました。