ボルゾイ【Borzoi】

ボルゾイ/ペット図鑑

原産国 ロシア
体重 牡34㎏~48kg、牝27㎏~39kg
体高 牡75 cm~85cm、牝68 cm~78cm
グルーブ 10G

特徴

おだやかな風貌で、気品に富んだ表情をしています。流線形の容姿に長い四肢とがっしりした骨格や筋肉を持ち、体は細長く引き締まっています。俊足で、時速50kmを超えるともいわれる走りはダイナミックで魅力的です。被毛は、絹のように細く滑らかなダブルコートで、ややウェーブするかカールしています。

性格

物静かで穏やかな性格で、飼い主さんに甘えるのが大好きです。しかし猟犬としての気質を持っているため、外に出ると犬以外の他の動物を追いかけ回してしまったりすることもあるので十分注意が必要です。感受性が強く、神経が細かいところもあります。

毛色

毛色は、ブルーとブラウン(チョコレート)以外のすべての毛色の組み合わせが認められています。ホワイト、ブラックの単色や、レモン、レッド、シルバー、ゴールド、セーブルとホワイトの組み合わせ、トライカラーなどがあります。

育て方

大型犬なので、飼育スペースを十分に用意する必要があります。
多くの運動量を必要とする大型犬なので、1日に2回、1回1時間~1時間半程度の散歩が必須です。また、出来るだけドッグランなどの広い場所で思いっきり運動させてあげると良いでしょう。
力が強く、狩猟犬としての気質も持っているので、他の人や動物へ飛びついたりしないよう、子犬の頃からしつけや訓練は十分に行うようにしましょう。感受性が鋭いため、叱ったりするようなしつけは上手くいきません。褒めながら時間をかけて根気よくしつけをすることが大切です。
被毛は長毛のダブルコートですが、長毛種の中では比較的お手入れしやすい犬種です。週に2~3回以上はブラッシングを行って抜け毛を取り除いてください。

気をつけたい病気

胃捻転を起こしやすく、発症したら早く治療しなければ死に至ることもあるので十分に注意が必要です。食後すぐに運動させないことや、一度に多くの水や食事を摂らないことなどで予防することができます。
他に、外耳炎や網膜形成不全、進行性網膜萎縮症、白内障などの眼疾患、皮膚疾患などにもかかりやすいと言われています。
また、大きな体に対して脚が細いので、骨折など脚の怪我をしやすいと言われています。散歩をする際は足場のいい所を選ぶようにしましょう。

歴史

起源は諸説あり、はっきりとわかっていませんが、視覚と俊足を活かして狩りをするサイトハウンドと、ロシア土着の狩猟犬とを掛け合わせた犬と考えられています。13世紀頃には、ロシア貴族たちにうさぎ狩りの猟犬として用いられていましたが、15世紀になるとロシアンシープドッグなどと交配して大型化され、狼猟犬としても働くようになりました。以降、ロシアン・ウルフハウンドと呼ばれ、ロシアの国犬とされて貴族階級の占有物となっていました。貴族だった文豪トルストイもこの犬の愛好家で、その作品にしばしばボルゾイを登場させています。
1917年にロシア革命が起きると、貴族階級の飼育する高級な犬であったため、贅沢品として多くのボルゾイが殺処分されてしまいます。しかし、かつてイギリスやアメリカの上流階級に贈答されていたボルゾイが生存していたため、絶滅の危機を乗り越えることができました。
1936年にロシア語で「俊敏」「機敏」を意味するボルゾイに改名されました。現在でも狩猟犬だけでなく家庭犬としても世界中で人気の犬種です。