ブリュッセルグリフォン【Brussels Griffon】

ブリュッセルグリフォン/図鑑

原産国 ベルギー
体重 3kg~5kg
体高 18cm~20cm
グルーブ 9G

特徴

体長と体高がほぼ同じ長さのスクエアな体型です。体の割に大きく丸い頭部と短いマズルが特徴的です。断耳や断尾をされていた時期がありましたが、現在は動物愛護の観点から行われなくなっています。被毛は、粗くて硬い針金のようなラフ・コートと、短くまっすぐなスムース・コートの2種類があります。

性格

陽気で明るく、温和な性格です。プライドが高く頑固な一面もあります。飼い主には忠実で愛情深く、指示を理解する頭の良さもあります。知らない人に対しては警戒心を持つことがありますが、基本的には人なつこい性格なので、きちんとしつけをすれば他の犬やペットとも仲よくできます。

毛色

基本の毛色は、ジンジャーと呼ばれる赤みのあるブラウンです。頭部の飾り毛にブラックなどが少し混じっていてもよいとされています。

育て方

小型犬なので、1日に20分程度の散歩を1~2回程度で十分です。家族と遊ぶのが大好きなので、ゲームなどで一緒に遊んであげると喜びます。また、他の犬と遊ぶことも好きなので、社会性を身につけさせるためにも積極的に遊ばせてあげると良いでしょう。
基本的には落ち着いていて友好的な性格ですが、頑固な面があるので、しつけはやさしく根気よく行ってください。
被毛はシングルコートのため抜け毛が少ないので、ブラッシングは週に2~3回程度で良いでしょう。下毛がないので冬の寒さは苦手です。寝床に毛布を敷いたり洋服を着せるなどして、寒さ対策をしてあげてください。
短頭種のため夏の暑さはつらいので、室温の調整が大切です。

気をつけたい病気

遺伝的にかかりやすい疾患は少ないと言われていますが、短頭種なので、軟口蓋過長症などの呼吸器疾患や熱中症にかかりやすいと言われています。呼吸器疾患の引き金となる肥満にならないように食事や運動の管理も大切です。また、小型犬がかかりやすい膝蓋骨脱臼など関節の疾患にも注意が必要です。

歴史

15世紀に描かれた絵画の中に記録されていますが、はっきりしたことはわかっていません。基礎になった犬は、アーフェンピンシャーやグリフォンと名が付くベルギーの土着犬ではないかと考えられています。ネズミなど食物を荒らす害獣駆除のために一般家庭で飼われ、地元ブリュッセルで大人気でした。19世紀になるとパグの血統が取り入れられ、さらにヨークシャーテリアやキャバリアキングチャールズスパニエルの血が混じり、現在の原型が整えられたと推測されています。19世紀末には、ベルギー国内のドッグショーに頻繁に登場するようになり、20世紀初頭には上流階級の家庭でも飼育されようになりました。マリー・アントワネットがペットとして飼っていたのは有名な話です。第一次世界大戦で個体数が激減したものの、戦後は順調に人気と数を回復しています。
19世紀以降、ヨークシャーテリアやパグとの交配により、さまざまな個体が登場しました。原産国ベルギーとFCI国際畜犬連盟の方針で、人気のあった長毛で茶色のブリュッセルグリフォン、長毛で黒毛のベルジアングリフォン、短毛のプチブラバンソンが別々の犬種として扱われるようになりました。日本でも2003年以降は別々の犬種として扱われています。しかし、現在でも同じ犬種の毛色・毛質違いと扱う国も少なくありません。