スムースコリー【Smooth Collie】

スムースコリー/図鑑

原産国 イギリス(スコットランド)
体重 18kg~29kg
体高 51cm~61cm
グルーブ 1G

特徴

気品の高い優雅な容姿など、毛の長さ以外は近縁のラフコリーとよく似ています。首、脚、尾が長く、均整のとれたスマートな体型をしています。滑らかな被毛は短いダブルコートです。

性格

明るく陽気で、飼い主には愛情深く忠実です。とても賢く物覚えも良いのでしつけにも苦労しません。やや繊細で人見知りな面があるので、見知らぬ人を怖がる傾向があります。

毛色

毛色はセーブル&ホワイト、トライカラー、ブルーマールの3色が公認されています。体全体がホワイト、またはホワイトが優勢なのは好ましくありません。

育て方

牧羊犬として活躍していた犬種なのでたくさんの運動が必要です。毎日1時間程度の散歩のほかに、ドッグランで思い切り運動させたり、スポーツを取り入れてあげるのも良いでしょう。
人見知りするので、子犬の頃から多くの人に慣れさせてあげてください。また、飼い主さんの指示に従うように、子犬の頃からしっかりとしつけをすることが大切です。
被毛は短毛ですがダブルコートなので、普段は週に2~3回程度、換毛期は毎日ブラッシングをしてあげてください。

気をつけたい病気

コリーアイ症候群は、この犬種独特の遺伝性の眼疾患で、失明することもある病気です。遺伝性の疾患は、未然に防ぐことは難しいですが、病気についての知識を持ち、早期発見・早期治療に努めることが大切です。
ほかに進行性網膜萎縮症、肘関節脱臼やストレス性の下痢などにもかかりやすいと言われています。

歴史

起源については、よくわかっていませんが、過去数百年に渡ってスコットランドのハイランド地方の山岳丘陵地帯で牧羊犬として活躍していたと言われています。アングロサクソン語で「黒」を意味するコリーと呼ばれ、牧羊犬も黒い毛色が多かったため、コリー・ドッグと呼ばれるようになり、その後そこから犬種名が生まれました。19世紀には、毛の長いラフコリーと、短いスムースコリーがいたことが知られています。ラフコリーとスムースコリーは、交配が重ねられてよく似た容姿を持つようになり、同じ犬種と考えられていましたが、近年は、もともと全く別の犬種だったと考えられています。
1860年頃、ビクトリア女王がスコットランドで見かけたコリーたちを気に入り、スムースコリーを連れ帰りました。女王は中でもシャープという犬を愛し、ウィンザー城にそのブロンズ像と墓を作ったほどです。その後、女王が愛好する犬ということから、イギリスではラフコリーとともに注目が集まり、広く知られるようになります。しかし、20世紀に入ってドッグショーがさかんになると、改良によって美しく長いコートをもつようになったラフコリーの人気が上昇、スムースコリーの人気は低迷していきます。2度の世界大戦期には絶滅寸前となりましたが、戦後、愛好家の手により数を回復しました。現在でもラフコリーより飼育頭数は圧倒的に少ないようです。