ケアーンテリア【Cairn Terrier】
原産国 | イギリス (スコットランド) |
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体重 | 6~7kg |
体高 | 28cm~31cm |
グルーブ | 3G |
特徴
しっかりとした四肢とがっちりとした筋肉質の体を持ち、前足に体重をかけて身を乗り出すような立ち姿をしています。他のテリア種と比べ幅広な頭部をしているのが特徴的です。被毛はダブルコートで堅い巻き毛(上毛)に覆われています。顔の周りの毛が少し長くなっており、キツネのような風貌になっているのも特徴的です。
性格
前向きでとても活発、勇敢さや知性を備えています。飼い主に対しては忠実で、家族や家庭内のほかの動物には愛情深く接しますが、他人には無関心なところがあるため、無愛想な感じを受けることがあります。
毛色
毛色は、クリーム、ウィートン(小麦色)、レッド、グレー、ブリンドル(黒地に茶色がかった斑点のある毛色)などがあります。ブリンドルは、年齢とともに毛色が変化することで知られています。
育て方
活発な猟犬ですので、十分な運動で発散させてあげることが大切です。毎日30~40分程度の散歩を2回、ほかにドッグランなど広い場所で走らせてあげるのも良いでしょう。猟欲が強く、散歩中に出会った小動物を追ってしまうことがあるので、決して放し飼いにはしないでください。飼い主の言うことをしっかり聞くよう、普段から信頼関係を築いておくことも重要です。頑固で飽きやすい一面もあるので、しつけは根気よく行ってください。
被毛はダブルコートですが、換毛期以外は抜け毛が少ないので、比較的手入れをしやすいです。ブラッシングは週に1、2回程度で大丈夫ですが、換毛期はストリッピングをして古い毛を抜き取ってあげると良いでしょう。
気をつけたい病気
遺伝的に目の病気にかかりやすく、白内障、緑内障、進行性網膜萎縮症などには注意が必要です。進行すると失明の危険もありますので、物にぶつかる等の症状が現れたら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
慢性腎不全も遺伝的に罹患しやすいことが確認されています。初期の症状がわかりにくい病気なので、早期発見・早期治療のために定期的に検診を受けることも大切です。
また、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の多い犬種です。普段のお手入れの際に皮膚の状態をチェックするようにしましょう。
歴史
30種類以上存在するテリア種の中で最も古い犬種のひとつで、原産国であるスコットランドで、農作物を荒らすキツネなどの小動物を追いかけて狩ることにより、農作物を守る役目を担っていました。当初はスコティッシュテリアと呼ばれていましたが、当時はスコットランドのテリアたちを全てまとめてスコティッシュテリアと呼んでいたため、はっきりとした犬種として区別されてはいませんでした。その後、19世紀の終わり頃から、こうしたテリアの品種分けが始まり、ケアーンテリアは1913年に初めて独立した犬種として認められました。「ケアーン」とは、スコットランドで地域の境界線や墓標として石を積み上げた標識のことで、ケアーンの隙間に住む小動物を狩る役割をしていたため、ケアーンテリアと呼ばれるようになりました。
その後、狩猟犬としてだけでなく徐々に家庭犬として一般家庭に飼育されるようになっていきますが、他のテリアの台頭もあって、現在は以前ほどの人気はなくなってきているようです。アメリカでは、1939年に映画「オズの魔法使い」で、主人公ドロシーの愛犬トト役を担当したことがきっかけで注目されるようになりました。日本でも注目された時期もありましたが、現在は飼育数も少なく、ブリーダーの数も減少しつつあります。