ジャイアントシュナウザー【Giant Schnauzer】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
35kg~47kg |
体高 |
60cm~70cm |
グルーブ |
2G |
特徴
スクエアな体型で、骨太くがっしりとした体つきをしています。筋肉がよく発達していて、大地をしっかりと踏みしめるように歩きます。被毛はダブルコートで、針金のような硬い毛に覆われています。長くて立派な口ひげと愛嬌ある眉毛が特徴的です。
シュナウザーは、ミニチュア、スタンダード、ジャイアントと3種類ありますが、毛色とサイズを除いて犬種標準はほぼ同じです。
性格
明るく好奇心旺盛で、遊ぶのが大好きです。シュナウザー種の中でも、家族や子どもに慣れやすいタイプと言われています。独立心が旺盛で、自分の判断で行動してしまう面もありますが、従順で訓練能力も非常に高いので、正しくしつければコントロールすることが可能です。
毛色
毛色は、ソルト&ペッパーとブラックのみです。
育て方
スタミナが豊富なので、毎日朝晩30分程度の散歩は欠かせません。とても遊び好きなので、散歩のほかにゲームや自由運動も取り入れると良いでしょう。
被毛はダブルコートで、抜け毛は少ないですが上毛は硬い毛質で下毛は密集しているので毎日ブラッシングをしてあげてください。特徴である口ひげは汚れやすいのでこまめに拭いて清潔に保ちましょう。定期的なトリミングが必須で、慣れない人はプロのトリマーに任せると良いでしょう。
独立心が旺盛で自分の判断で行動してしまうこともあるので、子犬の頃からしっかりとトレーニングを行い、飼い主さんが行動をコントロールできるようにしておくことが大切です。
気をつけたい病気
基本的に健康で丈夫な犬種ですが、大型犬に多い股関節形成不全や、関節炎などにかかりやすいと言われています。
歴史
シュナウザーにはジャイアント、スタンダード、ミニチュアの3種類があり、すべての元になっているのはスタンダードシュナウザーです。スタンダードシュナウザーは14世紀ごろのドイツで作出され、牧羊犬や番犬として活躍していました。
ジャイアントシュナウザーは、19世紀の初め頃、バイエルンの牧牛業者が優秀な牛追い犬を作出するため、スタンダードシュナウザーにグレートデーンや家畜追い犬として定評のあったブービェデフランダースなどを交配して作出されました。長年、ミュンヘンで畜牛を市場までつれて行く役目をしており、当時は「ミュンヘンの犬」を意味するミュンヒナーと呼ばれていました。19世紀になると運搬は鉄道に取って代わられ、牛追い犬としての仕事はなくなってしまいますが、その後は工場や店の護衛などで活躍、第一次世界大戦時には、警察犬に採用され、一気に知名度が上がり、第二次世界大戦では軍用犬として活躍しました。現在は、その大胆不敵な性格から番犬として使われたり、そのりりしい外見からショードックとして活躍しています。
ノーフォークテリア【Norfolk Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
5kg~6kg |
体高 |
25cm~26cm |
グルーブ |
3G |
特徴
テリアの中でも最も小型なタイプの一つで、体高が低く、体は筋肉がよくついて引き締まっています。垂れ耳で、尾は断尾をしなければ長く、背中の上に巻き上がります。被毛はダブルコートで、針金状の直毛は硬い手触りが特徴的です。ノーリッチテリアとは耳を除いて犬種標準は同じです。
性格
大胆で勇敢、好奇心旺盛で行動力があります。飼い主や家族に対しては愛情深く接しますが、自立心が強いので飼い主の指示にも頑として抵抗する場合があります。また、主に狩猟犬として活躍する犬種なので、警戒心が強く見知らぬ人や犬に吠えることもあります。
毛色
毛色は、レッド、ウィートン(小麦色)、ブラック&タン、グリズル(ブルーがかったグレー)が認められています。
育て方
とても活発で多くの運動量が必要です。毎日30分~1時間くらいの散歩とともに、定期的にドッグランなどで思う存分走らせてあげると良いでしょう。
頑固でマイペースなので、甘やかすと飼い主の指示を聞かなくなったり、問題行動を起こしてしまうことがあります。テリア種の特性をきちんと理解した上で、子犬の頃から信頼関係を築きながらしっかりと訓練する必要があります。
被毛の手入れは、週1~2回の定期的なブラッシングと、ノーフォーク・テリアらしい野性味のある被毛を維持するために、プラッキング(古い被毛を抜くお手入れ)が必要です。テリア種のプラッキングを得意とするトリミングサロンで行うと良いでしょう。
気をつけたい病気
犬種特有の遺伝性疾患が比較的少ない犬種なので、大きく心配するような病気はありませんが、白内障・緑内障・慢性腎不全・心臓病などには注意が必要です。また、テリア種は、皮膚疾患になりやすい傾向にあるので、定期的なシャンプーとブラッシングは必須です。けがや誤飲誤食にも気を付けてください。
歴史
19世紀後半、イングランド東部ノーフォーク州の州都ノーリッチ市で、小型で丈夫な狩猟犬としてノーリッチテリアが作出され、キツネ狩やねずみの駆除で活躍をしていました。垂れ耳と立ち耳の2つのタイプがいましたが、当時は両方ともノーリッチテリアと呼ばれていたそうです。第二次大戦の頃、垂れ耳のタイプは非常に数が少なくなりましたが、戦後再びドッグショーが行われるようになると、愛好家たちが改めて繁殖を始め、1940年代には個体数が回復しました。1932年に原産国のイギリスで、1936年にはアメリカで、ノーリッチテリアの名前で登録されましたが、1964年、イギリスのケンネルクラブで、垂れ耳をノーフォークテリア、立ち耳をノーリッチテリアと区別し、別々の犬種として登録されることになりました。現在は、猟犬や番犬だけでなく、家庭犬としても飼育されています。
ミニチュアブルテリア【Miniature Bull Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
11kg~15kg |
体高 |
25cm~35cm |
グルーブ |
3G |
特徴
ブルテリアを小型化した犬種で、サイズ以外の犬種標準は同じです。体はがっしりとしていて筋肉も逞しく、よく均整がとれています。立ち耳で、ストップ(両目の間のくぼみ)がほとんど見られず、のっぺりとした大きな顔に小さな目が特徴的です。被毛は短く滑らかで光沢があります。
性格
活動的で遊び好きです。飼い主や家族に対しては愛情深く強い忠誠心を示しますが、警戒心が強いため、他の人や犬に対しては敵意を見せることもあります。また、マイペースで頑固な一面もあります。
毛色
毛色は豊富で、ホワイト、ブラック、ブリンドル(地色に他の色の毛がまんべんなく混じったもの)、レッド、フォーン、トライカラーなどがあります。目にパンチを受けたような斑のある「アイパンチ」という毛色が大変人気です。
育て方
活動的な犬種なので毎日朝晩30分程度の散歩は必須です。時にはドッグランで思い切り走らせてあげると良いでしょう。
闘犬気質から知らない人や動物に攻撃的になり、相手に思わぬケガを負わせてしまう恐れがあります。子犬の頃からしっかりとトレーニングを行い、リーダーは飼い主であることを覚えさせ、コントロールできるようにしておくことが重要です。
被毛は短くアンダーコートが少ないので、週2回程度のブラッシングで大丈夫です。肌への負担が少ないラバーブラシを使うとよいでしょう。また、短毛のため寒さや乾燥に弱い傾向があるので、特に冬場の温度や湿度には注意が必要です。
気をつけたい病気
遺伝性疾患が多い犬種と言われています。日頃から健康に注意し、定期健診を受けるようにしてください。
水晶体脱臼にかかりやすく、放置すれば最悪失明してしまいます。定期的に眼病検査を受けましょう。
白いブルテリアは聴覚障害を起こしやすいと言われています。聴覚障害だと犬が命令を上手く聞けないなど、しつけがしづらい傾向にあります。
歴史
ミニチュアブルテリアは、ブルテリアを小型化した犬種です。ブルテリアは、イギリスで闘犬による牛いじめ(ブル・ベイティング)や熊いじめ(ベア・ベイティング)がさかんだった1700年代中頃に、ブルドッグとテリアの交配により作出されました。その中で小さい個体をミニチュアブルテリアと呼んでいました。
1835年にこれらの見世物を含めた闘犬が禁止され、ブルテリアは番犬や家庭犬としての資質を持つように改良されていきます。特に1860年頃にダルメシアンを掛け合わせて生まれたホワイトカラーのブルテリアは「白い騎士」と呼ばれて大人気となりました。その後、ミニチュアブルテリアにも白い毛色を持った個体が現れ、少しずつ人気が上昇して行きます。1939年にイギリスケネルクラブによってブルテリアと別の犬種として登録されることになりました。
現在は「ミニブル」の愛称で親しまれ、家庭犬としてよりドッグショーなどで注目を集めて、人気が高まっています。
ブルテリア【Bull Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
20㎏前後 |
体高 |
50cm前後 |
グルーブ |
3G |
特徴
体はがっしりとしていて筋肉も逞しく、よく均整がとれています。立ち耳で、ストップ(両目の間のくぼみ)がほとんど見られず、のっぺりとした大きな顔に小さな目が特徴的です。被毛は短く滑らかで光沢があります。
性格
活動的で遊び好きです。飼い主や家族に対しては愛情深く強い忠誠心を示しますが、警戒心が強いため、他の人や犬に対しては敵意を見せることもあります。また、独立心が強く頑固な一面もあります。
毛色
毛色は豊富です。多く見られる毛色は、ホワイト、ブリンドル(地色に他の色の毛がまんべんなく混じったもの)、ブリンドル&ホワイト、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイトなどです。
育て方
活動的な犬種なので毎日朝晩30分程度の散歩は必須です。時にはドッグランで思い切り走らせてあげると良いでしょう。
闘犬気質から知らない人や動物に攻撃的になり、相手に思わぬケガを負わせてしまう恐れがあります。猫や小動物と一緒に飼うのは、難しいと考えたほうがよいでしょう。また、子犬の頃からしっかりとトレーニングを行い、リーダーは飼い主であることを覚えさせ、コントロールできるようにしておくことが重要です。
被毛は短くアンダーコートが少ないので、週2回程度のブラッシングで大丈夫です。肌への負担が少ないラバーブラシを使うとよいでしょう。また、短毛のため寒さや乾燥に弱い傾向があるので、特に冬場の温度や湿度には注意が必要です。
気をつけたい病気
遺伝性疾患が多い犬種と言われています。日頃から健康に注意し、定期健診を受けるようにしてください。
水晶体脱臼にかかりやすく、放置すれば最悪失明してしまいます。定期的に眼病検査を受けましょう。特に4~5歳頃に症状が出やすいので、気を付けて目のチェックをしてあげてください。
白いブルテリアは聴覚障害を起こしやすいと言われています。聴覚障害だと犬が命令を上手く聞けないなど、しつけがしづらい傾向にあります。
他に肝硬変、心臓病、皮膚炎などにも注意が必要です。
歴史
イギリスで闘犬による牛いじめ(ブル・ベイティング)や熊いじめ(ベア・ベイティング)がさかんだった1700年代中頃に、ブルドッグとテリアの交配により作出されました。作出された当初はブル・アンド・テリアと呼ばれていました。1835年にこれらの見世物を含めた闘犬が禁止され、番犬や家庭犬としての資質を持つように改良されていきます。特に1860年頃にダルメシアンを掛け合わせて生まれたホワイトカラーのブルテリアは「白い騎士」と呼ばれて大人気となりました。その後、卵型の頭や尖った鼻先など、この犬種特有の外観が標準化され、1936年にアメリカケンネルクラブで正式犬種として認定されました。
現在でもアメリカやイギリスを中心に人気の犬種で、映画や広告に頻繁に登場しています。日本でも1993年に放映されたブルテリアが活躍するアニメ「平成イヌ物語バウ」により、一気に知名度が上がりました。
狆【Chin】
原産国 |
日本 |
体重 |
3kg前後 |
体高 |
25cm前後 |
グルーブ |
9G |
特徴
マズルがきわめて短く、独特の表情をしています。スクエアな体型に短い足、前方に垂れた耳、フサフサした羽のような尻尾が特徴です。絹のようにしなやかでツヤのある豊かな被毛に覆われ、優美で気品に富んだ容姿をしています。
性格
おとなしく愛らしい性格で、飼い主に対しても愛情深く甘えん坊です。賢く社会性や協調性があるので誰とでも仲良くできます。高いところに登り見下ろすことが好きなほか、顔を洗うような仕草をするなど、猫のような性質を持っています。
毛色
毛色は白をベースに黒か赤の斑が入ります。顔の斑は、目の周囲から耳全体にかけて左右対称にあるのが好ましいとされています。
育て方
小型犬なので、散歩は1日20~30分程度で十分です。飼い主と遊ぶのが大好きなので室内での遊びを取り入れると良いでしょう。
人懐こく従順な性格ですが、プライドが高い面もあるので、しつけは根気よく教えていくことが大切です。
被毛は、抜け毛が少ないので週に2,3回のブラッシングで大丈夫です。長くきめ細かい絹糸状なので、丁寧に行うようにください。
温度変化に弱い犬種なので、冷暖房などを使って快適な室温に調節してあげてください。
気をつけたい病気
小型犬に多くみられる肘・膝の脱臼、股関節形成不全のほか、乾性角結膜炎、眼瞼内反症、白内障などの目の病気、僧帽弁閉鎖不全などの心臓の病気にかかりやすいと言われています。多くは遺伝性疾患なので、あらかじめ検査によりチェックすることができます。
歴史
祖先犬はチベタンマスティフであろうと考えられています。日本に入ってきた時期については、奈良時代の西暦730年に新羅(現在の韓国)から聖武天皇へ献上され、その後遣唐使によって中国からも入って来たという説など諸説あり、はっきりしたことはわかっていません。江戸時代には、生類憐みの令で名高い徳川五代将軍綱吉によって愛玩犬として飼育され、その生活が贅沢三昧だったことから「座敷犬」という言葉が生まれたと言われています。
1853年にペリー提督がアメリカに持ち帰り、当時のフランクリン大統領やペリーの娘など上流階級の愛犬として飼育されました。また、フランクリン大統領からイギリスのビクトリア女王に献上されたという記録が残っていることから、イギリスにもこの時代に上陸したと考えられています。
日本では、第二次世界大戦などにより固有種が激減してしまったため、イギリス人やフランス人によって改良された狆を逆輸入し、交配を加えて改良され現在に至ります。明治以降、上流社会の女性の抱き犬として愛され続けて、改良国産犬種として日本で最初の世界公認犬種となりました。
犬名の由来は、「ちいさいいぬ」という言葉が省略されたものと言われています。海外ではジャパニーズチンと呼ばれています。
ウェルシュテリア【Welsh Terrier】
原産国 |
イギリス (ウェールズ) |
体重 |
9㎏~9.5kg |
体高 |
39cm以下 |
グルーブ |
3G |
特徴
体型は体高と体長がほぼ同じスクエア型で、ガッチリとした筋肉質の体つきをしています。被毛は硬くゴワゴワした巻き毛で、小さくV字型の耳は、途中で折れ曲がっているのが特徴的です。テリアの王様と呼ばれる エアデールテリアをそのまま小さくしたような見た目から「小さなエアデールテリア」と呼ばれることもあります。
性格
陽気で活発、従順な性格ですが、気が強くて勇敢、頑固で負けず嫌いというテリアらしい気質も持っています。家族には愛情深く接しますが、気位が高いため怒って反抗的になることがあります。他の人や動物には警戒心を抱き、気に入らない相手には攻撃的な態度を見せることもあります。
毛色
毛色はブラック&タン、もしくは黒に灰色や赤系の色が混ざっているブラックグリズル&タンのいずれかです。
育て方
小型犬の割に多くの運動量が必要なので、散歩は毎日1回30分以上を2回行ってください。運動不足になるとストレスで気分が荒れて扱いにくくなることがあります。また、子犬の頃から他の犬にあいさつをさせ、一緒に遊ぶことで社会性を身につけさせると良いでしょう。
しつけは難しく、叱られると反抗的になったり飼い主を無視する行動にでることがあります。まず、頑固なテリア気質を理解し、毅然とした態度で対応することが大切です。ほめながら時間をかけて根気よくしつけをすると良いでしょう。
被毛は硬く、抜け毛の少ないダブルコートです。家庭用として普通に飼うのであれば、毎日のブラッシング、定期的なシャンプー&カットで大丈夫ですが、本来の硬い毛質を維持するのであれば、ブラッキングと呼ばれるトリミングが必要になります。専門の技術のあるトリマーにお願いすると良いでしょう。
日本の高温多湿は苦手なので、夏場は温度管理が必要になります。
気をつけたい病気
丈夫で健康的な犬種で、遺伝性の疾患が大変少ないと言われています。起こりやすい遺伝病としては、 股関節形成不全、大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス病)などが知られています。また、緑内障や脂漏性皮膚炎、外耳炎などが時々見られることがあります。
歴史
13世紀から存在していたという説があるほど歴史のある犬種ですが、17世紀以前の記録が残っていないため、はっきりしたことはわかっていません。ウェールズ地方原産のブラック・アンド・タン・テリアが祖先犬と考えられており、カワウソやキツネ、アナグマなど小獣猟犬として人間とともに生き、活躍をしてきました。当時は、ブラック・アンド・タン・ワイヤーヘアード・テリアという名前で呼ばれていましたが、同時期に北イングランドでオールド・イングリッシュ・ブロークンヘアード・テリアという、姿も名前もとてもよく似た犬種が作出されており、それぞれがショーに出場するようになると、ほぼ同じ犬種のように見える2種類の犬にショーの審査員が混乱するということが起こりました。そこでこの2種類の犬をその起源の違いに関係なく単一の犬種に統括しようという流れになり、1886年にウェルシュテリアという名前を与えられて、イギリスケネルクラブで犬種として登録されました。その後ブリーダーたちがワイアー・フォックス・テリアとの交配を行い、現在の姿を作り上げ、家庭犬としても、猟犬としても愛される犬種にまでたどり着きました。
ノーリッチテリア【Norwich Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
5kg~6kg |
体高 |
25cm~26cm |
グルーブ |
3G |
特徴
テリアの中でも最も小型なタイプの一つで、体高が低く、体は筋肉がよくついて引き締まっています。耳は立ち耳で、垂れ耳のノーフォークテリアとは耳を除いて犬種標準は同じです。被毛はダブルコートで、針金状の直毛は硬い手触りが特徴的です。
性格
大胆で勇敢、好奇心旺盛で行動力があります。飼い主や家族に対しては愛情深く接しますが、頑固でマイペースな一面もあります。また、警戒心が強く見知らぬ人や犬に吠えることもあります。
毛色
毛色は、レッド、ウィートン(小麦色)、ブラック&タン、グリズル(ブルーがかったグレー)が認められています。
育て方
とても活発で多くの運動量が必要です。毎日30分~1時間くらいの散歩とともに、定期的にドッグランなどで思う存分走らせてあげると良いでしょう。
頑固でマイペースなので、甘やかすと飼い主の指示を聞かなくなったり、問題行動を起こしてしまうことがあります。テリア種の特性をきちんと理解した上で、子犬の頃から信頼関係を築きながらしっかりと訓練する必要があります。
被毛の手入れは、週に2~3回ブラッシングを行ってください。プロのトリマーにお手入れをしてもらうのも良いでしょう。
気をつけたい病気
犬種特有の遺伝性疾患が比較的少ない犬種なので、大きく心配するような病気はありませんが、膝蓋骨脱臼、白内障、心臓病などには注意が必要です。また、テリア種は、皮膚疾患になりやすい傾向にあるので、定期的なシャンプーとブラッシングは必須です。
歴史
イングランド東部ノーフォーク州の州都ノーリッチ市で、小型で丈夫な狩猟犬としてノーリッチテリアが作られ、キツネ狩やねずみの駆除で活躍をしていました。垂れ耳と立ち耳の2つのタイプがいましたが、当時は両方ともノーリッチテリアと呼ばれていたそうです。1932年に原産国のイギリスで、1936年にはアメリカで、ノーリッチテリアの名前で登録されましたが、1964年イギリスのケンネルクラブで、立ち耳をノーリッチテリア、垂れ耳をノーフォークテリアと区別し、別々の犬種として登録されることになりました。現在は、猟犬や番犬だけでなく、家庭犬としても飼育されています。
ウェルシュコーギーカーディガン【Welsh Corgi Cardigan】
原産国 |
イギリス |
体重 |
11kg~17kg |
体高 |
27cm~32cm |
グルーブ |
1G |
特徴
体格はがっしりとしていて、胴長短足で一生懸命走る姿が愛らしい犬種です。被毛は中くらいの長さのダブルコートで硬い毛が密生しています。
大変よく似ているウェルシュコーギーペンブロークよりも古い犬種で、犬種標準は尾の形、耳の形、毛色を除いてほぼ同じです。カーディガンは、断尾をしないので長くキツネのようなフサフサとした尾で、直立した耳の先はとがっています。
性格
明るく活動的で遊びが大好き、飼い主にはとても忠実です。社交的な性格で他の犬や動物とも仲良くなれるので、小さい子供のいる家庭や多頭飼いでも安心して飼うことができます。ただし、牧羊犬としての気質を残しているため、他の犬や小動物を見たときに吠えたり追いかけ回したりしてしまうことがあるので、子犬の頃からしつけことが大切です。
毛色
毛色は、ペンブロークと違ってどのような色でも認められますが、白が優勢になるのは好ましくないとされています。また、コーギーの毛色は成長に伴い変化することがあるので、色にこだわる場合は注意が必要です。
育て方
活発で体力もあるので運動は欠かせません。毎日朝晩30分程度の散歩のほかに、ドッグランなどで思い切り走らせたり、ボール投げなどをして一緒に遊んだりすると良いでしょう。アジリティやフライングディスクなどドッグスポーツで活躍する犬もいるようです。
牧羊犬として活躍していたため、他の犬や小動物を見かけた時に吠えたり追いかけ回してしまうことがあります。無駄吠えしやすい犬種でもあるので、子犬の頃から飼い主の指示に従って行動できるようにしつけることが重要です。ほめられることが大好きなので、しつけはしやすい方です。
食欲旺盛なので肥満にならないように毎日の運動や食事に気を配ってあげてください。
ダブルコートで下毛が密集していますので、喚毛期には抜け毛があります。普段は週に1~2回のブラッシングで十分ですが、換毛期は毎日してあげると良いでしょう。
気をつけたい病気
胴長短足の犬種がかかりやすい椎間板ヘルニアのほかに、変性性脊髄症にもかかりやすいと言われています。変性性脊髄症は遺伝性疾患で、現状では病気の治療法が確立されていないため、事前の遺伝子検査が大切になります。ほかに尿路結石症、てんかん、進行性網膜萎縮症にも注意が必要です。
歴史
カーディガン種はペンブロークより歴史が古く、紀元前1200年頃に中央アジアのケルト人が、ヨーロッパを経由してイギリスにわたった時に連れてきた犬とされています。ウェールズ州の山間のカーディガンシャー地方で家畜犬として飼われていましたが、この地方に住む人々が、有能なこの犬を外部に知られることを喜ばなかったため、長い間一般には知られることはありませんでした。1933年、ジョージ6世が宮廷で飼育したのがきっかけで、世間に広く知られるようになりました。
この当時はまだ、ペンブロークとの交配が普通に行われており、相違点も多いことから、同じ犬種と考えられていました。しかし、毛色や尻尾、耳の形の違いなど、同一の犬種標準で計ることが難しくなり、原産国であるイギリスのケネルクラブは、1943年、別々の種類のコーギーとして登録することになりました。以降、日本も含め海外の多くの国で、ペンブロークとカーディガンは別々のコーギーとされています。現在はおもに家庭犬として世界中で飼われています。
グレートデーン【Great Dane】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
牡54㎏以上、牝45㎏以上 |
体高 |
牡80㎝以上、牝72㎝以上 |
グルーブ |
2G |
特徴
体型はスクエアでバランスがよく、後躯に比べ前躯が著しく高い前高肢勢で、力強さと優美な品格を備えています。明確なストップ(両目の間のくぼみ)があり、咬合はシザーズバイト(上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接する)です。被毛は極めて短いシングルコートで、滑らかで光沢があります。アイリッシュ・ウルフハウンドに次いで最も体高がある犬種で、体高111.8cmのグレート・デーンが世界で最も背の高い犬としてギネスブックに掲載されていたこともありました。
性格
穏やかで従順な性格なので、自分より小型の犬とも仲よくでき、しつけもしやすい犬種です。寂しがり屋な一面があるので飼主から離れたがらない子もいるようです。
毛色
毛色は、ブラック、フォーン、ブリンドル、ハールクイン、ブルーの5種類があります。
育て方
大型犬なのでまず十分な飼育スペースを用意する必要があります。また、食費や医療費、介護費など飼育費用を十分に準備できることも条件となります。
室内での運動だけでは運動不足になってしまうので毎日1時間以上、散歩や運動が必要です。
穏やかで飼い主への忠誠心が高いのでしつけはしやすいと言われていますが、力が大変強いので、他の人や動物へ飛びついたりしないよう、子犬の頃からしつけや訓練は十分に行うようにしましょう。飼い主は制御できる体力としつけるための知識も必要です。
被毛は極めて短いシングルコートなので毎日のお手入れは比較的簡単です。固く絞ったタオルで全身を拭いた後、マッサージをするようにブラッシングをするとよいでしょう。
気をつけたい病気
大型犬は胃捻転や胃拡張が起きやすいと言われていますが、グレートデーンはとりわけ発症率が高いとされています。ドカ食いや一気食い、食後の運動は発症の引き金になることがあるので、食後は休ませて様子に注意するようにしてください。
他に、拡張性心筋症、ウォブラー症候群、股関節形成不全も起きやすいとされています。
歴史
非常に歴史の古い犬種で、チベタン・マスティフの子孫だと言われています。中世の頃は猪狩りに用いられてボワ・ハウンドとも呼ばれていましたが、過去400年の間にはグレーハウンドの血を加えられて、猪狩りだけでなく闘犬としても用いられ、護身用の大型番犬として発達してきました。その後ドイツ国内の貴族たちの寵愛を受け、上流階級のステイタスシンボルとなりました。神話に登場する最上級の神である太陽神アポロンになぞらえて、「犬の中のアポロ」と呼ばれていたほどです。
ドイツではドイッチェン・ドッゲ(ドイツの犬)と呼ばれ国犬に指定されています。グレートデーンという名は、フランスでの呼び方グラン・ダノワ(デンマークの大犬)の英訳で、今では世界各国で用いられるようになっています。
日本に入ってきた洋犬としては意外と早く、明治の頃に輸入されて、土佐犬などの改良に使われたと伝えられています。
イングリッシュコッカースパニエル【English Cocker Spaniel】
原産国 |
イギリス |
体重 |
12.5kg~14.5kg |
体高 |
牡39㎝~41cm、牝38㎝~39cm |
グルーブ |
8G |
特徴
がっしりとした骨太の体格で、猟犬らしく実猟性に富んだ体型をしており、スピードと持久力に富んでいます。理知的な表情を持ち優雅なたたずまいをしています。被毛は絹のように滑らかな長毛で、体に張り付くように生えていて、素朴で美しい印象です。
性格
いつもしっぽを振っているような明るく陽気で優しい性格です。鳥猟犬として高い運動機能を備えているので遊ぶのが大好きですが、闘争的ではありません。飼い主には従順で家族にも愛情深く接しますが、感覚が鋭く繊細な面もあります。
毛色
毛色は、ブラック、タン、レッド、オレンジ、レモンなどがあり、カラー・バラエティーは豊富です。は、2色が混じったグラデーションのような独特の模様が入る「ローン」は、イングリッシュコッカースパニエルの特徴の1つです。
育て方
活発で非常に多くの運動が必要な犬種なので、少なくとも毎日1時間以上の散歩が必須です。他の犬と遊ぶことも好きなので、ドッグランなどに連れて行って思いきり運動をさせるのも良いでしょう。猟犬としての性質をあえて残されている犬種なため、猫やカラスを追いかけることがあるので、愛犬から目を離さないようしてください。
大人しくて賢く従順なので、しつけは入りやすい方です。
被毛はダブルコートで、特に換毛期にはよく抜けるので、できれば毎日ブラッシングをしてあげましょう。
気をつけたい病気
遺伝性疾患が非常に多い犬種です。特に白内障や緑内障、 チェリーアイ(第三眼瞼腺脱出)、進行性網膜萎縮症などの眼病が多く発症すると言われています。また、単色の個体には、レイジシンドロームとも呼ばれる先天性激怒症候群が起きやすい傾向があるとされています。先天性激怒症候群は、突然噛みつくなど攻撃的な行動を見せる病気で、原因は解明されていません。根本的な治療法もありませんが、投薬によって攻撃的な行動を抑えられることがあるため、急に愛犬が噛み付いたり物を壊すなどの攻撃性が見られたら、動物病院を受診してください。
歴史
祖先は、イングランド土着の犬種で、陸地での猟に使われていたランドスパニエルだといわれています。鳥獣犬として、ひそんでいる山鳥を飛び立たせ撃ち落とされた鳥を回収する仕事をしていました。当時、イングリッシュコッカースパニエルとランドスパニエルは同じ犬種として扱われていましたが、1892年、小型サイズの個体はイングリッシュコッカースパニエルとして区別され、一つの犬種として確立されました。
その後、アメリカに渡り、猟犬らしさをそぎ落として愛玩犬として求められる特徴をもつように改良を重ねられましたが、これにイギリスの愛好家たちが異を唱えました。結局、アメリカで改良された個体はアメリカンコッカ―スパニエルとして区分されることになりました。現在でもアメリカ以外の国では、コッカースパニエルと言えばイングリッシュコッカースパニエルを指します。
日本においては、イングリッシュコッカ―スパニエルは「インギ―」、アメリカンコッカ―スパニエルは「アメコカ」と呼ばれています。