ジャックラッセルテリア【Jack Russell Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
5kg~6kg |
体高 |
25cm~30cm |
グルーブ |
3G |
特徴
足が短めなので体高より体長が長く、体つきは筋肉質でたくましい四肢を持っています。賢そうな顔立ちで、ボタン耳と垂れ尾が特徴的です。
被毛は、まっすぐで短毛のスムースコート、長毛と短毛が混ざって生えているブロークンコート、粗い手触りで長毛のラフコートの3タイプがあります。
性格
やんちゃで好奇心旺盛、遊ぶのが大好きです。狩猟犬の資質を持つため賢く勇敢ですが、吠えやすい性質も持っています。また、大胆で負けず嫌いな一面もあり、自分より身体の大きな相手にも怯まず立ち向かって行くようなこともあります。
毛色
主に、ホワイトタン、ホワイトブラック、ホワイトタンブラック(トライカラー)の3色で、ごく稀にホワイトがいます。
育て方
非常に体力があるので毎日の運動は必須です。毎日1時間以上の散歩以外に、ゲーム感覚で出来るスポーツなども取り入れて、たくさん運動させてあげてください。。
賢いのでしつけは比較的容易ですが、愛玩犬の感覚で甘やかして育てると成犬になってから問題になることがあります。子犬の頃から散歩やスポーツなどを通じて一貫性のある態度でしつけ、飼い主に対する服従心をしっかりと養うことが大切です。
猫やハムスターなどの小動物と一緒に過ごさせる場合、追いかける習性があるので注意が必要です。
被毛は、どのタイプもムダ毛を取り除くためにこまめにブラッシングするようにしてください。ブロークンとラフの場合は、定期的にプロのトリマーにプラッキングしてもらうのも良いでしょう。
気をつけたい病気
ほかの犬種に比べて遺伝性疾患などは大変少ないようですが、 大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス病)、膝蓋骨脱臼などが起こりやすいようです。他にクッシング症候群や糖尿病なども多く、運動に伴うけがにも気をつける必要があります。
非常に運動量があってパワフルなだけに病気の発見が遅れやすいので、日頃から少しの変化にも気づいてあげることが大切です。
歴史
この犬種の始まりは、19世紀の中頃、イギリス・デボン州に住むキツネ狩りの愛好家ジョン(ジャックの別名)・ラッセル牧師が譲り受けたトランプという名の雌のフォックステリアだったと言われています。牧師はトランプをベースに優秀な猟犬を作ろうと考え、ビーグルやボーダーテリアなどを掛け合わせました。その結果、勇敢で気性の強い犬が誕生し、狩猟能力の高さからハンターに高い評価を受けました。当時は犬種名をつけられることなく、見た目そのままのフォックステリアと呼ばれていたそうです。
1883年に牧師が亡くなった後、2つのタイプに分かれます。牧師から継承した真横から見て正方形に近い体型をした系統をパーソンラッセルテリアと呼び、オーストラリアに渡って家庭でも飼いやすいように改良が進み、足がやや短く長方形の体型をしたものをジャックラッセルテリアと呼ぶようになりました。
イギリス原産でありながらイギリスの公認犬種としては登録されていませんが、これは牧師がドッグショーに出すような犬ではなく、猟犬として生きるための犬だからと公認登録を拒んだためと言われています。日本では公認犬種として登録されています。
近年、映画「マスク」などテレビドラマや映画などに多数出演した影響もあって人気が高まっている犬種です。
ダルメシアン【Dalmatian】
原産国 |
クロアチア |
体重 |
27kg~32kg |
体高 |
55cm~61cm |
グルーブ |
6G |
特徴
丈夫で筋肉たくましく、よく均整のとれたスマートな体型です。三角の垂れ耳と、硬く短い白色の毛を覆っている斑点が特徴的です。被毛は短毛のシングルコートで、シルクのように滑らかな手触りです。
性格
非常に体力があり、活発で遊ぶことが大好きです。飼い主や家族には明るく陽気で甘えたがりますが、神経質で警戒心が強いため、他の人や犬に対しては人見知りが強い傾向があります。オスとメスで性格が違うと言われており、オスは甘えん坊で大雑把、メスは優しいですが人見知りで神経質な傾向があるようです。
毛色
白地に黒か茶系の斑点があります。この斑点は、丸く輪郭がはっきりとしていて、くっつかず、体幹部にまんべんなく分布していることが好ましいとされています。生後4週頃まで真っ白な毛色で、その後斑点が現れます。
育て方
非常に体力とスタミナがあるので、毎日朝晩1~2時間程度の散歩は必須です。散歩以外にも、ドッグランなどに出来るだけ連れて行き、自由に走り回れるようにしてあげてください。
神経質で警戒心の強いところがあり、特に他の人や犬に対して人見知りが強いので、思わぬ反応を見せることがあります。子犬の頃からしっかりとしつけや訓練を行うことが大切です。賢く物覚えも良いので、非常にしつけがしやすい犬種ですが、トイレなど室内での生活のしつけは入りにくい傾向があるので、根気よく行ってください。
被毛は、換毛期だけでなく一年中毛が抜けるので、毎日ブラッシングしてあげましょう。
気をつけたい病気
胃拡張・胃捻転症候群は、胃がガスで膨れ上がりねじれてしまうという病気です。明らかな原因は解明されていませんが、食後すぐの運動や早食いなどがリスクを高めるといわれています。
尿酸を分解する力が極端に低いため、尿路結石症にかかりやすいといわれています。日ごろから尿量の変化に注意することが大切です。この病気は再発しやすいので、繰り返さないよう食事管理を徹底する必要があります。また、水を与える際は水道水もしくは軟水にしてください。ミネラルウォーターは発症の要因の一つとなります。
先天性の聴覚障害が起こりやすいといわれています。耳が聞こえにくいことで状況が把握しづらく、恐怖心が強くなりがちで、吠える、咬むなどの問題行動を起こすことがあります。もしも聴覚障害になってしまった場合は、生活に工夫と努力が大切です。視符(ハンドサイン)など、音が聞こえなくてもコミュニケーションが取れるような訓練も必要となります。
ダルメシアンブロンズ症候群はダルメシアン特有の皮膚病です。アレルギーやストレス、環境などが原因で発症すると言われています。予防が難しい病気ですが、事前にアレルギー検査を受けて、日頃からストレスをためないような生活を心がけあげてください。
歴史
起源についてははっきりしていませんが、よく似た犬が古代ギリシャの彫刻に刻まれていることなどから、数千年の歴史を持つ犬種と考えられています。ヨーロッパでは18世紀の中頃からダルメシアンの名で呼ばれており、ユーゴスラビア(現クロアチア)のダルマチア地方に土着していた犬とされていますが、他にもいろいろな説が残っています。このように出自が混乱してしまうのは、ジプシーや旅商人の犬として各地を回っていたために広く記録が残ったからではないかと言われています。その頃のダルメシアンの仕事は、馬と共に走り、荷物を護衛することだったからです。
18世紀のイギリスや19世紀のフランスでは、豪華な馬車の護衛犬として宮廷の貴婦人たちに可愛がられていましたが、20世紀に入ると自動車の普及によって必要とされなくなり、一時ほどの人気はなくなってしまいました。
その後、ダルメシアンを主人公にしたディズニー映画「101匹わんちゃん」のヒットで、一般家庭でも広く飼われるようになりました。アメリカでは以前消防車の伴走をつとめていた関係から、消防署のマスコット的な存在として今も愛されています。
紀州犬【Kishu Inu】
原産国 |
日本 |
体重 |
13kg~27kg |
体高 |
43cm~55cm |
グルーブ |
5G |
特徴
体の均整が良くとれていて、筋肉が発達しています。しっかりとした骨格で、引き締まった体は持久力に富んでいます。立ち耳で、三角形のやや釣りあがった目やくるりと巻いた尾(巻き尾または差し尾)が特徴的です。被毛は短毛のダブルコートで、上毛は硬くまっすぐで下毛は柔らかく密生しています。頬と尾の毛がやや長めです。
性格
落ち着いた性格で、飼い主や家族には忠実で従順です。反面、他人や他犬に対しては警戒心が強く、場合によっては攻撃的になることもあります。紀州犬の気質やしつけ方を理解したうえで、よい環境を整えて、たっぷり愛情を注げば、それ以上の忠誠心を返してくれます。
毛色
毛色は白、赤、胡麻などがありますが、現在は白が圧倒的に多いです。
育て方
運動が大好きで活動的なので、散歩は毎日2回1時間以上を目安に行い、できれば思い切り走り回れるドッグランなどでも運動させてあげると良いでしょう。
警戒心が強いため他の人や犬に飛びかかったりしてしまうことがあります。飼い始めからの徹底したしつけを行い、トラブルが起こらないようにコントロールすることが重要です。また、子犬の頃から多くの経験をさせて社会性を身につけさせるようにしてください。
被毛はダブルコートですが、日頃の手入れは毎日の軽いブラッシングで十分です。春と秋の換毛期にはアンダーコートが大量に生えかわるため、念入りにブラッシングを行って抜け毛を取り除いてください。
気をつけたい病気
平均寿命は13歳で、比較的体が丈夫で後発疾患が少ない犬種だと言われています。しかし、先天的な病気の心室中隔欠損や日本犬に多いアレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患、白内障や緑内障などの眼疾患にはかかりやすく、日頃から注意が必要です。
歴史
祖先は紀元前からいた中型犬で、現在の和歌山県や三重県にあたる紀州地方の山岳地帯の猟師たちに銃猟犬として飼われ、猪狩りや一時期は鹿狩りにも用いられていました。弘法大師が聖地を求める行脚の途中で道に迷った時、高野山の霊地へ導いてくれたのが紀州犬だったという言い伝えもあります。1934年、国の天然記念物に指定されました。現在でも猪猟犬として用いられているほか、家庭犬としても愛育されています。
自治体によっては紀州犬を人畜に危害を加える恐れがあるとして、危険犬種(特定犬)として条例に指定している所もありますが、タレント犬として映画やテレビ、CMなどに出演する機会も多く、安定した人気を保っています。近年はアメリカを中心とした海外でも人気が上昇しています。
以前は、紀州と言ってもその地域が広いことから飼育する地方ごとに呼び名が異なり、那智犬、熊野犬、太地犬、奥吉野などと呼ばれていましたが、日本犬保存会に紀州犬として登録されてからは、すべてを紀州犬と呼ぶようになりました。
甲斐犬【Kai Ken】
原産国 |
日本 |
体重 |
12kg~18kg |
体高 |
45cm~56cm |
グルーブ |
5G |
特徴
均整の良くとれた強く丈夫な体で、筋肉もよく発達しています。見るからに精悍で野性的です。立ち耳、巻尾または差尾(鎌の刃のような半円を描く)など原始的な犬の形態が今も保たれている犬種です。被毛は短毛のダブルコートで、上毛は硬くまっすぐで下毛は柔らかく密生しています。
性格
山岳犬の特性を持ち、暑さや風雪にもよく耐えて、持久力、行動力にも富んでいます。ただ一人の主人に生涯仕えようとする「一代一主」の典型的な犬種と言われるほど、飼い主には愛情深く従順ですが、感覚が鋭敏なので他人や他犬、他動物には警戒心を見せ、場合によっては攻撃的な面を見せることもあります。
毛色
被毛は虎毛が基本で、黒虎、赤虎、虎の三種類があります。最も一般的なのは黒虎毛で、黒に近い茶褐色の被毛に虎模様が入っています。幼犬の時は1色のものでも成長につれて虎毛に変化することが一番の特徴です。
育て方
毎日十分な運動が必要で、1日1~2時間が目安となります。ドッグランで思いっきり走り回らせることもおすすめですが、他の犬と仲良くできない犬種なので、しっかりしつけをし、トラブル防止によく注意する必要があります。
もともとが狩猟犬であるため、飼い主以外の人に対しては強く吠えたり、咬みついてしまってトラブルになることがよくあります。無駄吠えや噛み癖がないよう、子犬のころからしっかりとしつけをすることが大切です。まずは忠誠心が強い犬種なので飼い主を「主である」ときちんと認識させることが重要です。生活にけじめをつけ、日々しっかりと訓練を行いながら信頼を作りあげていくと、飼い主の命令に忠実に従うようになります。
短毛種ですが、ダブルコートで抜け毛が多い犬種ですので、こまめなブラッシングが大切です。
気をつけたい病気
優秀な狩猟犬にするために近親交配を避けてきた背景があるので、遺伝的な病気も比較的少なく、かなり丈夫な犬種ですが、中耳炎やアレルギー性皮膚炎などは、かかりやすいと言われています。また、平均寿命12~16歳程度と長生きする傾向にありますが、年齢を重ねていくとさまざまな病気にかかるリスクは高まります。日頃から健康状態をチェックするだけでなく、動物病院で定期的な健康診断も受けるようにしましょう。
歴史
古くから山梨県の甲斐地方の山間の猟師たちに飼われていたマタギ犬で、起源は1700年代頃とされています。猪や鹿狩りに用いられていましたが、集団性に富み、他の犬種を近づけないところがあったため、長くその純血が保たれたと言われています。
1929年に山梨県甲府地方検察庁に赴任した安達太助氏が発見、1931年に甲斐日本犬愛護会(現在は甲斐犬愛護会に改名)が設立されました。1934年に天然記念物に指定されています。登録後にも、鹿を追いかけることのできる強い足腰と、猪にも立ち向かうことのできる気性の荒さを保つように繁殖することが重要とされ、それが守られてきました。
現在では鹿や猪などの狩猟犬として活躍するだけでなく、家庭犬としても飼われるようになりました。
日本犬の名は「◯◯犬(イヌ)」という呼称ですが、甲斐犬の場合「飼い犬(カイイヌ)」と誤解される可能性があるため、例外的に「甲斐犬(カイケン)」と命名されることになりました。
秋田犬【Akita Inu】
原産国 |
日本 |
体重 |
35kg~50kg |
体高 |
牡64~70cm、牝58~64cm |
グルーブ |
5G |
特徴
たくましく太い首、がっしりとした骨格で、均整のとれた体型をしています。尾は付け根の位置が高く、太く力強く背の上に巻いていて特徴的です。素朴さを感じさせる一方で重厚感のある外貌は品位と威厳を感じさせます。被毛はダブルコートで、上毛は硬くまっすぐで、下毛は柔らかく密生しています。
性格
知的で温和な性格です。飼い主には忠誠心が厚く、家族にも愛情深く接します。しかし、警戒心と自立心が強いため、他の人や犬に対しては攻撃性が強く、威圧的な態度をとることがあります。とても我慢強く、頑固な一面もあります。
毛色
被毛の色は、赤、虎(縞目)、白、胡麻で、白以外の3色は「裏白」でなければなりません。裏白とは、顎の下側から首の下側、胸や腹、四肢、尾の裏側の毛が白に近い淡い色であることを指します。
育て方
タフでスタミナがあるので、ストレスを溜めないためにも散歩は必須です。1日に1時間程度を2回が目安で、時にはドッグランなどでエネルギーを発散させてあげるのも良いましょう。暑さは苦手なので、夏は涼しい時間帯に行ってください。
体が大きいので、噛み癖などで他人や他犬にケガをさせてしまうことがあります。子犬の頃から、信頼関係を築きながらしっかりとしつけを行ってください。特に、噛み癖、吠え癖、トイレトレーニングのしつけが大切です。
被毛はダブルコートで年に2回換毛期があります。毎日コームやブラシを使ってブラッシングしましょう。
気をつけたい病気
遺伝的に皮膚が弱く、皮膚病のリスクが高い犬種です。症状が悪化すると思わぬ感染症を引き起こしてしまうこともあります。
大型犬に起こりやすい骨や関節の疾患にも注意が必要です。特に、股関節形成不全は1歳未満から発症するため、定期的に健診を受けることも大切です。
臍(さい)ヘルニアは“でべそ”のことで、遺伝的になりやすい個体が多いとされています。飼い主にもおなか周辺を触らせない時や、ぐったりして元気がない様子の時はこの病気を疑い、早めに動物病院で診断を受けましょう
他に眼瞼内反症、甲状腺機能低下症などがかかりやすい病気とされています。
歴史
起源は、秋田県大館地方に存在した猟師の犬・マタギ犬と考えられています。当時は大館犬(おおだていぬ)と呼ばれていました。秋田藩主佐竹氏が闘犬好きであったため、クマを相手に戦う闘犬としても用いられてきました。
明治に入り、大型犬の土佐犬とも渡り合える体格を作るため、土佐犬、外来のマスティフやグレートデンなどと交配されるようになり大型化しました。そのため、血統が失われただけではなく、大舘犬の特徴だった立耳や巻尾などを失ってしまいました。
明治41年(1908)、秋田県内における闘犬が禁止されたことを機に頭数が激減、大正期には絶滅の危機に瀕します。しかし、その後保存運動が起こり、明治6年、天然記念物として認定され、秋田犬と呼ばれるようになりました。
昭和に入ると大戦のために、またもや絶滅の危機に陥りますが、戦後有志によって復興と改良が計られました。またアメリカ帰還兵が多くの秋田犬を母国に連れ帰り、それが現在のアメリカン・アキタのルーツとなりました。
現在、諸外国でも日本を代表する犬種の一つとして公認されています。「忠犬ハチ公」はハリウッド映画にもなり世界一有名な秋田犬です。プーチン大統領やフィギュアスケートのザギトワ選手の愛犬としても知られています。
ブルドッグ【Bulldog】
原産国 |
イギリス |
体重 |
25kg前後 |
体高 |
33cm~41cm |
グルーブ |
2G |
特徴
胴体は分厚くて重々しく、逞しさを感じます。大きな頭の短頭種で、顔には特徴的なシワがあり、下顎から胸まではデューラップと呼ばれる大きな皮膚のたるみが2本あります。がっしりとした肢は前から見ても4本全部見えることが望ましいとされています。被毛は短毛のスムースで、硬く肌に密生しています。
性格
冷静沈着で温和です。陽気で愛嬌もあり、逞しい体つきとのギャップが愛らしいです。飼い主に対しては愛情深く強い忠誠心があります。勇敢で物事に動じない強さがあるため、意思とそぐわない事に関しては、かたくな拒否する頑固な一面もあります。
毛色
毛色は、レッド・ブリンドルやその他のブリンドル、単色カラー(白、レッド、フォーン、ファローなど)、パイド(ホワイト&ブラック、ホワイト&レッドなど)があります。
育て方
肥満予防のためにも散歩は毎日30分~1時間程度行うと良いですが、暑さに弱いので夏場は深夜か早朝の涼しい時間帯に行うようにしてください。
頑固でしつけや訓練は入りにくいですが、性格は優しく温和なので、根気よくしつけるようにしましょう。
被毛は厚いですが短毛であるため手入れは楽です。頑固でしつけや訓練は入りにくい方なので根気よくしつけるようにしましょう。
短頭種なので健康面のケアは重要です。顔はしわの間に汚れがたまらないように、毎日こまめにふき取ってあげましょう。
気をつけたい病気
皮膚が緩んでいるので皮膚病にかかりやすい傾向にあります。湿性皮膚炎やアトピー性皮膚炎のほか、子犬の場合は毛包虫症という病気にかかりやすいといわれています。また、股関節に異常が見られる股関節形成不全や、生まれつき鼻腔が狭いことで呼吸が苦しくなってしまう鼻腔狭窄症などの呼吸器障害にもかかりやすいので注意が必要です。
ブルドッグの寿命は比較的短く8?10年程といわれています。長生きできるように日頃から体調に気をつけ、普段と違う様子があったら獣医師にすぐに相談するようにしてください。
歴史
13世紀から19世紀のイギリスにおいて、貴族や庶民の娯楽として雄牛(ブル)と戦わせるブルベイティングと呼ばれる見世物が人気でした。ブルドッグはこのブルベイティングのためにマスティフ系の犬種を改良して生み出された犬だと言われています。
1835年、動物愛護の観点からイギリス国内でブルベイティングが禁止となったため存在理由がなくなり、一時は人気が衰えましたが、一部の愛好家の手により、時代に合った犬へと改良が始まりました。闘争心や攻撃性を抑えることに重点を置いて徐々に改良が進められた結果、温和で穏やかな犬として生まれ変わり、家庭犬として広く飼育されるようになりました。
現在では、勇気と不屈の精神の象徴としてイギリス国犬に指定され、イギリス海軍のマスコットにもなっています。またアメリカでもニューヨーク州のレスキューのシンボルマークに使われています。日本では、大正末期からソースのシンボルマークに使われいますが、ソース発祥の地イギリスで家庭犬として人気だったことから採用されたそうです。
フレンチブルドックは、フランスが原産で、小型のブルドックを品種改良して誕生した犬種ですが、このフレンチブルドックと区別するために、ブルドッグを「イングリッシュブルドック」と呼ぶことがあります。
シベリアンハスキー【Siberian Husky】
原産国 |
ロシア |
体重 |
21kg~28kg |
体高 |
54cm~60cm |
グルーブ |
5G |
特徴
独特な顔の模様とオオカミのような精悍な顔立ちが印象的です。調和のとれた体は骨格も筋肉もがっしりとしており、ほどよく引き締まっています。極寒にも耐え抜く体質をもっており、豊富で厚い下毛を持つダブルコート、立ち耳とブラシのような尾が特徴的です。
性格
従順で勇気があり、人にも他犬にも友好的で社会性も高いので集団飼育に向いています。 明るく前向きで好奇心旺盛ですが、慎重で控えめな一面も見られます。また、独立心が強く頑固な場合もあります。
毛色
黒、黒青色、茶褐色、白など、さまざまな色があります。どの色も腹部だけは白い個体が多く、顔には他犬種には見られない独特な斑があります。
育て方
非常に体力があり運動量が必要な犬種です。朝晩合わせて1?2時間の散歩は必須、歩くだけでなく自転車で並走したりジョギングしたりするのも良いでしょう。運動不足でストレスがたまると問題行動を起こす原因となります。長時間の留守番も苦手です。
楽天的で大雑把な性格なので、知能は高くてもしつけには時間のかかる犬種です。子犬の頃から根気よく、きちんとしつけてあげてください。まず飼い主をリーダーと認めさせることが大切です。とても優秀ですが初心者には難しい犬種です。
被毛は、抜け毛の量が多めで、換毛期はさらに増えるので、ブラッシングは毎日しっかり行いましょう。
家族と一緒にいたい犬なので室内飼いがお勧めですが、暑さに弱いので室内の温度管理には気を付けてください。
気をつけたい病気
重篤な遺伝病は比較的少ない犬種とされています。
白内障、緑内障、進行性網膜萎縮症などの眼病が発生しやすいと言われています。
アトピー性皮膚炎、脂漏症などの皮膚疾患も多く、厚い被毛が日本の高温多湿の気候に合わないためではないかと考えられています。皮膚のバリア機能を保つために、ブラッシングをこまめに行うほか定期的なシャンプーも必要です。
また、食後にすぐに運動すると、胃が捻転を起こして命に危険が及ぶことがあります。予防のため食後2時間くらいは安静に過ごすようにしてください。胃捻転かもしれないと思ったら緊急で病院に行く必要があります。日頃から病気の初期症状などをよく学んでおくことも大切です。
歴史
起源については、詳しいことはわかっていませんが、アラスカンマラミュートやサモエドとも近縁関係がある、非常に歴史の古い犬種だと言われています。シベリア北東部のコリマ川流域を中心とした地方に住むチュクチ族に飼われ、そりやボートを引くほか狩猟の助手として活躍していたようです。
1900年代初頭、アメリカの探検家ピアリーによる北極点探検やノルウェーのアムンゼンによる南極探検などに使われ、注目を集めました。1925年、アラスカの村でジフテリアが大流行した際、人々を救うためハスキーの犬ぞりが、命がけで500km以上の距離を走り抜き血清と薬を届けました。この出来事を機に世界中にその名が知られ、世界的英雄として人気者となりました。
日本ではバブル景気の頃、少女漫画「動物のお医者さん」をきっかけにハスキー犬ブームが起こり、一般家庭での飼育頭数が急増しました。しかし、運動量が非常に多く必要とすることや抜け毛が多くて手入れが大変なことなどの理由から、飼いきれず飼育放棄が相次ぐという残念な事態になってしまいました。その後ブームは過ぎ去りましたが、今でも北極系の犬種の中で最も人気の高い犬種の一つになっています。
セントバーナード【St. Bernard】
原産国 |
スイス |
体重 |
50kg~91kg |
体高 |
65㎝~90㎝ |
グルーブ |
2G |
特徴
全犬種の中で最重量の部類に属する犬種です。バランスが損なわれない限りサイズは大きいものが望ましいとされており、体重は100kgを越えることもあります。筋肉質ながっしりとした体型、大きめの垂れ耳、太くて長い尾が特徴的です。被毛は厚いダブルコートで、硬い短毛が密集して生えているスムースタイプと直毛またはウェーブがかったほどよい長さのロングタイプの2種類があります。
性格
穏やかで落ち着いた性格で、飼い主には従順で甘えん坊です。我慢強いので、子どもとも安心して遊ばせることができます。しかし自分で判断して行動できる知能の高さがあるため、頑固で融通が利かない一面もあります。
毛色
毛色は、白地に赤みのある茶色の斑またはブランケットが胴体や顔に入っています。黄色よりの茶色の斑も認められており、斑は平均して散らばっていることが望ましいとされています。
育て方
性格的には飼いやすい犬種ですが、大変大きな犬なので、家の広さや車の大きさなどは飼う時の条件となります。また、力が強くて散歩中も気を抜けないため、飼い主に大型犬を制御できる体力と技術も必要となります。
運動不足になると肥満が心配なので、1日1時間以上の散歩以外にも、足腰に注意しながらドッグランなどで沢山運動させてあげてください。
ダブルコートで下毛が厚いため、できれば毎日ブラッシングをしてください。特に夏場は、下毛はなるべく取って通気性を確保すると良いでしょう。よだれは、一年を通して沢山垂れ流すので、喉から前胸にかけてこまめに拭いてください。必要に応じてよだれかけを付けるのも良いでしょう。
気をつけたい病気
大型犬は小型犬に比べると寿命が短い傾向にありますが、その中でもセントバーナードは短命な傾向があり、寿命は8~10年と言われています。その上、遺伝性の病気にかかりやすく、予防ができないため早期に発見し治療することが重要になってきます。どういう病気にかりやすいのかを事前に把握しておき、定期健診は必ず受けるようにしてください。
股関節形成不全は、多くの場合遺伝によるものなので、親犬がかかったことがないかを事前に確認しておくことが大切です。
拡張型心筋症は、原因がわかっていないため発症を予防するのは難しいですが、早期に発見できれば進行を遅らせることができます。
前十字靭帯断裂は、膝関節を構成する前十字靭帯が部分的もしくは完全に切れてしまった状態のことです。予防のためには適正体重を超えないよう管理することが大切です。
歴史
起源は、はっきりとわかっていませんが、祖先はローマ帝国がスイス侵攻の際に連れてきた軍用犬であるモロシア犬であると言われています。当初は番犬や使役犬として働いていましたが、寒さに強く忍耐力もあり飼い主に従順なことから、寒冷地での山岳救助を担うようになりました。17世中頃からスイス・アルプスにある聖ベルナール僧院で雪中遭難救助犬として活躍、3世紀に渡って約2500人もの命を救ったと伝えられています。中でもバリーと呼ばれる犬は生涯にわたって40人もの命を救いました。その栄誉を称えられ、一時セントバーナードのことをバリー・ハウンドと呼び、死後バリーの?製はスイスの博物館に収められました。1887年に国際畜犬会議で正式にスイスの犬種として公認されて以来、スイスの国犬です。現在は、家庭犬、番犬としても世界中で飼育されています。
日本では「アルプスの少女ハイジ」に登場する犬がセントバーナードであったことから人気となりました。東京消防庁の特別救助隊や消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)では、救助犬として活躍したセントバーナードが描かれたワッペンを車両と隊員の肩に付けています。
名前は、聖ベルナールを英語読みしたものです。
ボクサー【Boxer】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
30kg前後 |
体高 |
57cm~63cm |
グルーブ |
2G |
特徴
スクエアな体型で、たくましい骨格とよく引き締まった筋肉を持っています。顔はブルフェイスで、くぼんだ鼻が特徴的です。歯のかみ合わせは下の切り歯が上の切り歯より前方に出ているアンダーショットです。被毛は短く光沢があって、滑らかに体に密着しています。がっちりとしていて筋肉質な体つきのドイツタイプと、見た目がスマートなアメリカタイプの2種類があり、現在日本で繁殖されているのは約8割がアメリカタイプです。
性格
大胆で活発ですが、落ち着いた行動をとります。人間をよく観察しているので、人間の行動に合わせて動くことができます。飼い主に対しては愛情深くとても忠実で、家の中では甘えてくることもありますが、見知らぬ人や他の犬には気を許さず警戒心を見せます。利口なので訓練性能は高いですが、繊細で神経質な一面もあるため、しつけにはコツがいります。
毛色
毛色はフォーンまたはブリンドルで、白のブレーズの入っていることが好ましいとされています。ブリンドルは肋骨の方向に流れるような黒のストライプを持つタイプで、顔のブラックマスクは必須です。フォーンは子鹿の毛のような明るいブラウンのタイプで、様々な色合いが見られます。
体の3分の1以上に白い斑がある子犬が一定の割合で産まれてきますが、聴力に障害があることが多いため、従来は体の3分の1までとされていました。しかし近年は繁殖に使わないことを条件に、その存在が認められています。
育て方
十分な運動を必要とし、遊ぶことも大好きなので毎日1時間の散歩は必須です。ドッグランなどで十分に遊ばせてあげるもの良いでしょう。但し、暑さが苦手なので夏場はできるだけ朝晩を選んで行ってください。
しつけがすごく重要な犬種で、信頼関係ができていないと気が強く攻撃的な面が目立つ犬になってしまいます。子犬の時から愛情を持ってしつけや訓練をしっかりと行い、外では決して目を離さず、いつでも命令ができる状態でいることが大切です。
被毛は短毛なので、お手入れは比較的簡単ですが、高温多湿に弱いので皮膚は清潔に保つようにしましょう。
気をつけたい病気
拡張型心筋症の発生率が高いことで知られており、ボクサー心筋症と呼ばれることもあります。この心臓病は遺伝性のもので、特にオスに発症することが多いようです。発症すると投薬や運動制限などが必要となります。
他にクッシング症候群、皮膚疾患、短頭種であるため軟口蓋過長症なども発症しやすいと言われています。
歴史
比較的新しい犬種で、祖先犬は広くヨーロッパ大陸で熊、猪、鹿狩りに用いられていたベルギーのブラバン地方の土着犬ブレンバイサー・ブラバンソンと言われています。19世紀末にマスティフやブルドッグと交配して作り出されました。作出の目的は雄牛と闘わせるためでしたが、使われた期間はさして長くなかったようです。闘う時に前脚を高く上げる姿が拳闘のボクサーに似ていることからこの名前が付いたと言われています。1895年ドッグショーに初めて出品されました。闘犬に多く見られるような粗野なところがなく、スマートで人間の社会にも適応しやすいことから1920年頃より人気の犬種となりました。現在でも警察犬、警備犬、軍用犬、家庭犬として世界で愛され続けています。
日本に初めて入ったのは昭和の始めで、ドイツから輸入されました。戦後は占領軍であったアメリカ軍が帯同していたことにより知名度が高くなり、その後日本でも警察犬として採用されるようになりました。
ドーベルマン【Doberman】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
牡40kg~45kg、牝32㎏~35kg |
体高 |
牡68㎝~72cm、牝63㎝~68cm |
グルーブ |
2G |
特徴
筋肉質で逞しい体つきをしており、犬のサラブレッドとも呼ばれています。くさび形の頭部や直線的な口吻のラインが特徴的です。とがった耳と短いしっぽは、子犬の時の断耳・断尾によるものですが、近年は家庭犬として飼われることが増えているため断耳・断尾を行わない習慣が広がっています。被毛は硬くてまっすぐな短毛で密集しています。頭をあげて遠くを見る姿はきりりとして勇壮です。
性格
容姿や雰囲気から怖い印象を持たれがちですが、実際は優しく穏やかな気質を持っており、飼い主や家族への愛情や忠誠心はとても強い犬種です。しかし、見知らぬ人に対しては警戒心を見せます。学習能力が高く訓練による制御がしやすい犬なので、護衛犬や警察犬などでも大活躍しています。
毛色
公認の毛色はブラックまたはブラウンで、定位置にラスト・レッド(赤褐色)の斑が入ります。斑の入らないブルーや、イザベラ(薄い栗色)は好ましくないとされています。
育て方
筋肉質で逞しいので、かなりの運動量が必要です。散歩は毎日1時間以上を2回、それ以外にドッグランなど自由に走り回れる場所でたっぷりと運動をさせてください。運動不足によるストレスで、破壊行動などの問題行動を起こすことがないよう注意しましょう。
繊細で警戒心が強く、他の人や犬に襲い掛かってしまうことがあるので、子犬の時からのしっかりとしたしつけが重要です。いざという時に制御できるよう主従関係をきちんと築いておきましょう。
被毛はシングルコートで、換毛期でも抜け毛は少ない方なので、お手入れは比較的簡単です。定期的にブラッシングしてあげてください。
気をつけたい病気
大型犬なので、かかりやすい疾患が多い傾向にあります。
胃捻転を起こしやすいので、食事を与える際に少量ずつに分けるなどの工夫が大切です。
拡張型心筋症は、発症の原因がわかっておらず、有効な予防法もありません。早期の発見が重要になるので定期的な健康診断や心臓の検査を行うようにしましょう。
股関節形成不全は成長期によく見られると言われています。遺伝が一つの原因となっているので、親犬の情報を事前に確認しておくことも大切です。
ウォブラー症候群は、しっぽに近い頸椎や椎間板に障害が起こることで中を走る脊髄が圧迫されてしまう進行性の病気です。この病気の詳しい原因はわかっていないのですが、遺伝が関与していることが多く有効な予防法はありません。ただ、幼少期に過度な運動をさせない、成長期に必要な栄養素をしっかり与えることが予防につながるとされています。
歴史
1800年代後半、ドイツで税金を徴収する仕事をしていたフリードリヒ・ルイス・ドーベルマン氏によって作出されました。ドーベルマン氏は犬の繁殖も行っており、仕事で現金を持ち歩く時の護衛を目的に作出されたのが始まりです。ジャーマン・ピンシャーを基礎に、マンチェスター・テリア、ジャーマン・シェパード、ロットワイラーなどを交配して作られました。1876年にドッグショーに登場して以来、美しい外見と知性の高さから大人気となり、1900年にはドイツのケネルクラブに公認されました。その後は警察犬、護衛犬、軍用犬として世界中で活躍、家庭犬としても安定的な人気を保っています。
日本へは1930年代に軍用犬としてやって来ました。日本警察犬協会によって指定されている警察犬7種のうちの1つです。