イタリアングレーハウンド【Italian Greyhound】

ペット図鑑/イタリアングレーハウンド

原産国 イタリア
体重 2.8㎏~5kg
体高 32cm~38cm
グルーブ 10G

特徴

グレーハウンドを小型化したスマートな容姿で、優雅な品位を備えています。歩様は高踏み(前肢を高く上げてから踏み下ろす歩き方)で、走る時は両手両足を揃えて飛ぶように走ります。耳はローズ耳で横に垂れる形が標準とされていますが、ずっと立ち耳の個体も多くいるようです。被毛は、滑らかで薄くボディに張り付いたような短毛のスムースヘアで、光沢があるのが特徴です。

性格

活発で遊ぶことが大好きです。穏やかで優しい性格なので、子供や他動物がいる家庭でも安心して飼うことができます。飼い主や家族には愛情深く接しますが、内気な面があるため知らない人に対しては距離を置くことがあります。鋭敏で神経質な一面があり、嫌なことがあった時などは攻撃的になるのではなく、逃走したり距離を置いたりして自分の身を守ります。

毛色

毛色はフォーン、レッド、グレー、ブルー、クリーム、ホワイト、ブラックなど豊富で、白いマーキングが入ることもあります。犬種標準では、タン(茶色のマーキング)やマールカラー(大理石のような模様)、ブリンドル(虎毛)は認められていません。まれですが成長とともに毛色が変わることがあります。

育て方

運動量が必要な犬種で、スレンダーな体型維持のためにも、毎日のお散歩は欠かせません。気候の良い時は積極的に散歩や運動に連れていくと良いでしょう。しかし、寒さに弱い犬種なので、寒い時期は散歩を控えて、室内でたっぷりと遊んであげるようにしてください。散歩の時は、頭が小さく首輪が抜けやすいのでハーネスを使うようにしてください。
賢さを備えているので、しつけは難しくありません。繊細で神経質な上、我慢強いのでストレスをため込みがちです。遊びや散歩など、愛情を持って接してあげることが大切です。
短毛で抜け毛が少ないので、お手入れは楽な方です。皮下脂肪が殆どなく、とても寒がりなので、季節に合わせた室温管理は必須です。冬の散歩の際は必ず洋服を着せてあげてください。

気をつけたい病気

かかりやすい病気で一番多いのが骨折です。四肢が長くて骨も細いため、転倒時や高い所から飛び降りた時、また抱っこされている飼い主の懐からの落下でも骨折してしまうことがあります。カルシウムをとる、日光浴をする、子犬の頃からしっかり運動をして骨を守る筋肉をつけるなど、日頃から予防を心掛けてください。
他に淡色被毛脱毛症、パターン脱毛症、網膜剥離、白内障・緑内障、てんかんなど、かかりやすいと言われています。

歴史

グレーハウンドを小型化した犬と考えられています。祖先のグレーハウンドは、紀元前数千年前からエジプトにいたことはすでに証明されていますが、古代エジプトのファラオの墓や紀元前のローマ遺跡からイタリアングレーハウンドによく似た犬が描かれた絵画や記録が存在していることから、イタリアングレーハウンドもほぼ同じ時代かそれより少しあとにエジプトで誕生したものと考えられています。
古代エジプトやギリシャやローマでは貴族たちのペットとして愛育されました。体型的には現在もこの頃とほとんど変化がなく、17世紀にイギリスでやや小型化されただけです。
紀元前5世紀頃にイタリアに伝わり、ルネッサンス時代には当時の名高い芸術家が手がけた貴族の肖像画にもしばしば登場しています。その後もヨーロッパ貴族の間で飼育されるようになり、イギリスのチャールズ1世やアン王女、ヴィクトリア女王、フリードリヒ2世などに愛されたといわれています。
現在でも愛玩犬として世界中で飼われています。日本ではイタグレの愛称で親しまれています。

シーズー【Shih Tzu】

シーズー/ペット図鑑

原産国 中国
体重 4kg~7kg
体高 20cm~28cm
グルーブ 9G

特徴

大きな目と垂れ耳、鼻ペチャが特徴的です。咬み合わせはアンダーショット(下の切歯が上の切歯より前方に出ている)であることが好ましいとされています。被毛は美しいダブルコートで、全身が長い毛で覆われています。一生伸び続けるのが特徴でフルコート(あえて被毛を長く伸ばすこと)にしてシーズーならではのスタイルにすることもあります。

性格

明朗活発で陽気な性格です。人懐こくて甘え上手、他人や他犬にも友好的です。大人しく無駄吠えも少ないので初めて犬を飼う人に向いています。反面、プライドの高いところがあるので、自分の気に入らないことがあると吠えたり噛んだりすることがあります。

毛色

ゴールド、ブラック、ホワイト、シャンパンなどのソリッドカラー(単色)やゴールド&ホワイト、マホガニー&ホワイトなどのパーティー・カラー(2色)など、あらゆるカラーが公認されています。日本やアメリカではパーティーカラーが人気です。

育て方

太りやすいため毎日の運動は必須です。散歩は、1日に最低でも20分は行うようにしてください。かなり食欲旺盛なので甘やかさずに食事の量はきちんとコントロールしましょう。
幼い時のしつけによってその後の性格が変わるため、子犬の時から充分なしつけを行ってください。人間が大好きなので聞き分けは良いですが、頑固でプライドが高い面があるので、しかり方には注意が必要です。褒めて伸ばすようにすると良いでしょう。
被毛は、長毛のダブルコートのため、絡まりやすいので毎日のブラッシングが必要です。ブラッシングを怠るとすぐに毛玉になり、放置すると取り除くことが難しくなりカットするしかなくなります。特に、フルコートを目指して伸ばしている場合は念入りにブラッシングを行いましょう。被毛が長いため夏の暑さがとても苦手なので室温管理は大切です。室内温度は25度前後を常に保つようにしましょう。

気をつけたい病気

短頭種、長毛種、垂れ耳など、独特な特徴があるゆえにかかりやすい病気があります。鼻腔狭窄や脂漏性皮膚炎、外耳炎などには注意が必要です。
遺伝的に白内障になることが多く、発症すると目の中にある水晶体という部分が白く濁ることで視界が悪くなり、最悪失明します。早期発見ができれば、点眼や投薬治療を行い進行速度を遅らせることができます。

歴史

中国の王宮で数百年に渡り飼育されていたペキニーズと、チベット地方原産のラサ・アプソとを交配して作出されました。神の使者として神聖視されて、獅子狗(シー・ズー・クウ)と呼ばれていました。獅子は中国では神聖な動物で、長い頭部の髪がライオンに似ていたからではないかと言われています。
1930年にイギリス人の旅行者が中国から持ち帰ってヨーロッパに紹介されましたが、ラサ・アプソとの区別がはっきりしていなかったため、初めはケンネル・クラブでは同一犬種として扱われましたが、1934年に分離独立しました。
1969年アメリカン・ケンネル・クラブに第1号が登録され、日本には1963年頃に紹介されたとされています。

ペキニーズ【Pekingese】

ペキニーズ/ペット図鑑

原産国 中国
体重 5.4㎏以下
体高 20cm前後
グルーブ 9G

特徴

全身が美しい長毛に覆われており、特に首のまわりに生えた豊かなたてがみのような毛は気品があります。大きな頭部やしっかりと丈夫な胴体、地面近く低い姿勢も独特です。垂れ耳で、尾はゆるやかに巻かれていて長い飾り毛があります。

性格

独立心が旺盛で、大胆で勇気があります。愛玩犬ですが飼い主に依存することはあまりないので、猫のような性格の犬と評されることもあります。誇り高く頑固な一面もあります。

毛色

毛色はアルビーノ(皮膚や被毛の色素を欠いた白子)とレバーを除くすべての色と模様が認められていますが、斑が偏っているのは好ましくないとされています。

育て方

運動量はそんなに必要としないので、散歩は短い時間で十分です。毛量が多く暑さに弱いので、夏場は熱中症に気をつけてください。
気位が高く頑固な一面があるため、しつけが入りにくいと言われています。子犬の時から時間をかけてじっくり行うことが大切です。信頼関係が出来上がって飼い主を主人と認めるようになると、愛情深く振る舞うようになります。
ダブルコートの犬の中でも特に下毛の量が多く、喚毛期には大量の抜け毛があります。ブラッシングを怠って毛玉ができてしまうと皮膚病につながってしまうので、毎日のブラッシングは欠かさず丁寧に行ってください。

気をつけたい病気

先天的な遺伝子異常により、椎間板ヘルニアを起こす危険性が高い犬種の一つです。予防のためには、太らせないことが重要です。
短頭種なので軟口蓋過長症になりやすい傾向があります。興奮時のガーガーという異音やチアノーゼなどの症状があり、呼吸困難から失神するケースもあります。鼻腔狭窄症も短頭種がなりやすい先天的な呼吸器系疾患です。先天性の疾患なので予防は難しいですが、肥満防止によって病状の進行を止めることは可能です。
先天的に心臓が弱く、年齢を重ねると僧帽弁閉鎖不全症に罹患しやすくなります。特徴的な症状は咳で、興奮時や夜から朝方にかけて苦しげな咳をするようになったら要注意です。

歴史

ペキニーズに関する最古の記録は8世紀ごろになりますが、起源は定かではありません。祖先犬はラサ・アプソと考えられ、ラマ教の教主ダライ・ラマによって秦の始皇帝をはじめとした歴代の皇帝への貢物にされてきたと言われています。神聖な獅子犬であるペキニーズには魔よけの力があり皇族の葬儀では柩を率いて墓へ先導するという役割が与えられていました。1911年、西太后の葬儀が行われた時もモータンという名のペキニーズが棺を墓まで先導した話は有名です。
1860年の阿片戦争で中国と戦ったイギリスの士官が宮殿に置き去りにされた西太后のペキニーズ5~6頭を本国に持ち帰り、ビクトリア女王に献上しました。これがヨーロッパへ紹介された最初と言われています。犬好きで知られるビクトリア女王も愛育し、1872年に愛するペキニーズが死んだ時には宮廷動物画家のランドシーアに在りし日の姿を描かせたほどだったようです。この頃までは、イギリスでも王侯や貴族だけで飼育されていましたが、1893年に初めてドッグショーに出品されたのを機に一般人の間にも人気が広がっていきました。現在でも家庭犬、愛玩犬として世界中に愛好家が多い犬種です。
犬名は原産国である中国の都市「北京」が由来で、北京の綴りがかつては「Peking」だったことから「ペキニーズ」(Pekingese)となりました。

ミニチュアシュナウザー【Miniature Schnauzer】

ミニチュアシュナウザー/ペット図鑑

原産国 ドイツ
体重 7kg前後
体高 30cm~35cm
グルーブ 2G

特徴

スクエアな体型で、骨太くがっしりとした体つきをしています。筋肉がよく発達していて、大地をしっかりと踏みしめるように歩きます。被毛はダブルコートで、針金のような硬い毛に覆われています。長くて立派な口ひげと愛嬌ある眉毛が特徴的です。
シュナウザーは、ミニチュア、スタンダード、ジャイアントと3種類ありますが、毛色とサイズを除いて犬種標準はほぼ同じです。

性格

明るく好奇心旺盛で、遊ぶのが大好きです。家族に対して愛情深く、他の犬とも仲よくできます。警戒心が強く高い声で吠える傾向がありますが、家族に従順なので正しくしつけることでコントロールが可能です。

毛色

ソルト&ペッパー(下毛はグレー)、ブラック、ブラック&シルバー(下毛は黒)、ホワイトが認められています。
他にブラック&タン、ブラック&ホワイト、ホワイト&ブラック、レバーやウイートンなど茶色系も存在します。

育て方

活発なので毎?朝?30分程度の散歩は必要です。ボール投げなどおもちゃを使った遊びも大好きなので、室内でもたくさん遊んであげてください。
被毛はダブルコートで、抜け毛は少ないですが上毛は硬い毛質で下毛は密集しているので毎日ブラッシングをしてあげてください。特徴である口ひげは汚れやすいのでこまめに拭いて清潔に保ちましょう。定期的なトリミングが必須で、慣れない人はプロのトリマーに任せると良いでしょう。
番犬気質なので警戒心から吠える傾向があります。飼い主の指?で吠えをコントロール出来るように、しっかりトレーニングすることが?切です。一度吠え癖がつくと直すのが難しいので、子犬の頃から正しくしつけを行ってください。

気をつけたい病気

基本的に健康で頑丈な犬種ですが注意が必要な病気もあります。眼病にかかりやすいことで知られており、若年性白内障は6才以前に発症し視力が低下します。また、尿路結石症になりやすい傾向があり、尿石が尿管に詰まると手術が必要となる場合があります。定期健康診断の時は尿検査もしてもらうようにしてください。網膜萎縮症、胆のう粘液嚢腫、糖尿病、アトピー性皮膚炎などにも注意が必要です。

歴史

シュナウザーにはジャイアント、スタンダード、ミニチュアの3種類があり、すべての元になっているのはスタンダードシュナウザーです。スタンダードシュナウザーは14世紀ごろのドイツで作出され、牧羊犬や番犬として活躍していました。
ミニチュアシュナウザーは、農場を荒らすネズミなどの小動物を退治するために、スタンダードシュナウザーとアーフェン・ピンシャーを交配して、ドイツのフランクフルトで作出されたとされています。その後、アメリカに渡ってから一層の改良が進められて現在の形に固定化され、世界中で人気を博しました。
日本に入ってきたのは戦後アメリカ軍人が連れてきたのが最初と推測されています。1960年代になってから家庭犬として本格的に迎えられるようになり、2000年頃には人気が上昇、現在では毎年のようにJKCの登録犬種ランキングの上位に入っています。

ウエストハイランドホワイトテリア【West Highland White Terrier】

ウエストハイランドホワイトテリア/ペット図鑑

原産国 イギリス
体重 7㎏~10kg
体高 28cm前後
グルーブ 3G

特徴

胴と手足は短くスクエア型の体型で、頭は少し大きく立ち耳です。小型害獣の狩猟犬だったので、小さいながらも力強く筋肉質な体つきで、スタミナも旺盛です。姿勢の良さとピンと上を向いた尻尾といったテリアらしい特徴も持っています。清楚で、優しく愛らしい表情が魅力的です。純白の被毛はダブルコートで、上毛は硬く下毛は短く柔らかです。

性格

典型的なテリア気質なので、活発で好奇心旺盛です。狩猟犬だったため、勇敢で気の強い一面も持ち合わせています。独立心が強く頑固なところもありますが、きちんと躾をすれば飼い主に従順で強い忠誠心を見せるようになります。

毛色

白のみが認められていますが、一部黄色がかっている場合もあります。

育て方

明るく活発なので、散歩は1回30分を1日2回程度行ってください。寒さに強いですが暑さに弱い犬種なので、真夏の炎天下のお散歩などは控えた方が良いでしょう。遊び好きで特に飼い主と遊ぶことが大好きなので、信頼関係を築くためにも室内で沢山遊んであげるととても喜びます。
警戒心が強く興奮しやすい面もあり、小動物に対してもあまり友好的ではないといわれています。まずは子犬の頃から社会性を身に付けることが大切です。散歩中に出会う猫などにくれぐれも注意し、放し飼いはやめましょう。
わがままで頑固な面があるため、しつけはやや難しいかもしれません。ほめることを大切に、根気よく行うことが必要です。
ダブルコートですが抜け毛が少ないため皮膚病になりやすい傾向があります。2日に1回程度はブラッシングをしながら、皮膚の状態をチェックしてください。また、プラッキング(被毛を専用のナイフや指で間引くこと)を行って被毛を整えてあげる必要がありますが、安全のためにもプロのトリマーに任せた方が良いでしょう。

気をつけたい病気

皮膚疾患になりやすい犬種として知られており、アレルギー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎のほか、細菌感染などが原因で皮膚炎を引き起こすこともあります。ブラッシングの時皮膚の状態に注意し、何か変化に気が付いたら早めに獣医師に相談をして早期治療を心がけてください。
また、肺動脈弁狭窄や頭蓋下顎骨症など、生後数カ月から症状が現れる先天性疾患や、小型犬によくある膝蓋骨脱臼も気を付けたい病気です。

歴史

起源は、イギリス・スコットランド地方で飼育されていたケアーンテリアから時々生まれる白い毛色の個体を選別し、固定したものと考えられています。当時は、この選抜繁殖を行なったマルコム家の人々が住んでいた地名からポルタロッチテリアと呼ばれていました。その後、アメリカに渡ってローズニーズテリアという名前に変わり、AKCアメリカンケネルクラブ登録の翌年に、現在のウエストハイランドホワイトテリアに改名されました。
もともとキツネを狩る猟犬として開発されましたが、アメリカに渡ると見た目の美しさや愛らしさに人気が集まり、次第に家庭犬として世界中で親しまれるようになりました。特にアメリカでは、人気ランキングで常にベスト10に入るほどポピュラーな犬種になっています。日本でもウェスティの愛称で親しまれています。

ボストンテリア【Boston Terrier】

ボストンテリア/ペット図鑑

原産国 アメリカ
体重 5㎏~11kg
体高 28cm~38cm
グルーブ 9G

特徴

スクエアな体型で、引き締まった体つきをしています。短めの頭部やマズル、尾が特徴的です。顔立ちはブルドッグの系統ですが全体のバランスはテリアの影響が強く出ています。短い被毛はスムース・コートで、滑らかで光沢があります。体重によって、ヘビー、ミドル、ライトの3サイズに分類される珍しい犬種でもあります。

性格

人なつこく、愛嬌があります。愛情深く温厚、寛容さもあるので、飼い主や家族だけでなく、他の人や犬にもフレンドリーに接します。無駄吠えが少ないので、マンションなどの集合住宅で飼うのにも適しています。感受性が強いため、飼い主の表情や声から気持ちを敏感にくみ取ってくれますが、テリア種の特徴でもある興奮しやすい一面も持っています。

毛色

日本では大部分がブラックブリンドルホワイトやブリンドルホワイトです。アメリカではタキシードを着た紳士のような、黒に白の斑の“ボストン・カラー”が人気の高い毛色ですが、日本では希少な毛色になります。

育て方

運動が大好きですし、太りやすい犬種なので運動は必須です。短吻種で体温調整が苦手なので、呼吸困難にならないよう激しい運動は避け、散歩は毎日30分程度を2回程度にしてください。夏季は散歩を取りやめて室内での運動でも良いでしょう。
子犬の頃からたっぷりと愛情を注ぎながらしっかりとしつけて、落ち着いた犬に育てることが大切です。
被毛はダブルコートで、換毛期には抜け毛が多くなるので、毎日のブラッシングは欠かせません。

気をつけたい病気

遺伝性疾患も一般の病気も比較的多い犬種とされています。早期発見・治療のためにも定期健診を受けると良いでしょう。
短頭種は、生まれつき鼻から喉頭にかけての気道が狭いという身体的特徴を持っているため、短頭種気道症候群には特に注意が必要です。
白内障もよくみられますが、近年では症状の進行を抑える目薬などがありますので、早期発見が大切です。
他に椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼、皮膚疾患などがかかりやすい傾向があります。

歴史

数少ないアメリカ原産の犬で、3番目に古い歴史を持っています。
1860年代にアメリカ・マサチューセッツ州ボストンで白いイングリッシュテリアとブルドッグを交配して生まれたフーパーズジャッジという名の犬が起源と言われています。フーパーズジャッジは、白くて小柄なメス犬と交配、生まれた仔犬もさらに小さなメス犬と交配されて生まれた4頭の仔犬たちが、現在のボストンテリアの基礎犬となりました。当初はかなりの大型でしたが、ブリーダー達による改良と努力により、現在のコンパクトでスクエアな体型となりました。
現在は、人気の犬種にランクインし続けるアメリカを代表する愛玩犬となっており、名門・ボストン大学のマスコットとしても有名です。温和な性格で、タキシードを着たように見える被毛から「小さなアメリカ紳士」「タキシードを着た紳士」などと呼ばれています。
日本においては、漫画のキャラクター「のらくろ」のモデルと言われています。

パピヨン【Papillon】

パピヨン/ペット図鑑

原産国 フランス、ベルギー
体重 4kg~6kg
体高 20cm~28cm
グルーブ 9G

特徴

体長は体高よりも少し長く、調和がとれています。直立した耳は蝶が羽を広げたようについていて特徴的ですが、多くの国で垂れ耳も標準として認められています。被毛は滑らかな長毛で、絹糸のように優美です。特に耳周りと尻尾の飾り毛が美しく、気品を感じさせる佇まいです。

性格

明るく活発な性格で散歩や運動が大好きです。可憐な容姿に似ず大胆な面も持っています。陽気で人懐っこいので小さい子どもの遊び相手にもなってくれます。他人や他犬に対しても穏やかです。とても賢く、飼い主の指示をよく聞くことができるので、しつけは比較的容易です。

毛色

白地であれば、ホワイト&ブラック、トライカラー(3色の毛色)など、すべての色の斑が許容されます。ボディや足はホワイトの割合が多いほうが好ましいとされています。

育て方

とても活発で好奇心旺盛なので、毎日30分程度の散歩以外にも室内でたくさん遊んであげてください。賢い上に動きが機敏なので、ドッグスポーツにも向いています。
頭がよく人懐っこくて飼い主とのスキンシップも大好きなので、飼育しやすい犬種ですが、可愛さのあまり甘やかして育てると、噛み癖や無駄吠えが多くなってしまうことがあります。特に若いうちは甘やかしすぎず、きちんとしつけることが大切です。
骨・関節トラブルが多いので、関節に負担がかからないように、床を滑りにくくするなど生活環境を整えてあげてください。
被毛は抜け毛が少なく、もつれにくい毛質なので、比較的お手入れはしやすい犬種です。美しい被毛を保つために週に2~3回やさしくブラッシングしてあげましょう。

気をつけたい病気

遺伝疾患も少なく、比較的健康な犬種と言われています。小型犬全般にかかりやすい病気には注意が必要で、緑内障などの眼の病気、膝蓋骨脱臼、眼瞼内反症(逆さまつ毛)などがあります。活発なので骨折などのケガにも気を付ける必要があります。

歴史

祖先犬はスペインのトイスパニエルの一種とされています。イタリアのボローニャ地方で活発に繁殖が行われていました。16世紀にはフランス国内に入って、ポンパドゥール夫人や王妃マリー・アントワネットをはじめとするヨーロッパ貴族の寵愛を受けるようになりました。初期のパピヨンは耳よりも華やかな尻尾が注目されていたので、リス犬、スカーレル・スパニエルなどと呼ばれていたそうです。当時は垂れ耳タイプが一般的でしたが、時折生まれる立ち耳タイプが注目されるようになり、18世紀末になると選択的交配が行われるようになりました。スピッツ、チワワとの交配により現在のような姿を確立し、パピヨン(フランス語で蝶の意)という名前で呼ばれるようになりました。英語名でバタフライ・スパニエルとも呼ばれています。また、垂れ耳のパピヨンをファーレン(フランス語で蛾という意味)と呼びますが、同じ犬種として認められています。

パグ【Pug】

パグ/ペット図鑑

原産国 中国
体重 6.5kg~8kg
体高 25cm~28cm
グルーブ 9G

特徴

スクエアな体型で、よく筋肉が発達し締まった体をしています。頭部はバランスの取れた大きさで、しわが寄った額、鼻先が短い顔立ちが特徴です。短頭種なので呼吸が浅く、いびきをかきやすいです。耳は、前に垂れて先端が目の方にくるボタン耳と、反り返って内部が見えるローズ耳があります。滑らかな被毛は短いダブルコートで密生しています。

性格

愛くるしい見た目通りの明るい性格です。のんびり落ち着いていて無駄吠えも少ないので、室内向きの犬種といわれています。飼い主には愛情深く、喜ばせることが大好きです。他の人や犬に対しても大変友好的です。また、独立心が強いので留守番も大丈夫です。反面、頑固で自尊心が高いところがあり、自分の意思を曲げないマイペースさも持っています。

毛色

毛色はシルバー、アプリコット、フォーン、ブラックがあります。ブラック以外では、マズルやマスク、耳、頬、前頭部などに黒が入る個体が多いです。

育て方

食欲旺盛で肥満になりやすいので、運動と食事管理は大切です。運動は1日に30分くらいの散歩以外にも室内で沢山遊んであげてください。
明るく人懐こい性格で比較的飼いやすい犬種ですが、甘やかして育てると頑固さが前面に出てきてしまいます。他の犬種に比べて賢い方ではないので、幼犬期から威厳をもって繰り返し辛抱強くしつけてあげることが大事です。
被毛は短いので比較的お手入れは簡単ですが、ダブルコートなので抜け毛はあります。また皮膚が弱い個体が多く、おでこのしわ部分は通気性が悪いので清潔に保つことが大切です。定期的にブラッシングを行いながら皮膚の状態にも注意するようにしてください。
で暑さ寒さに大変弱いので室内でも温度管理に注意が必要です。

気をつけたい病気

壊死性髄膜脳炎はパグに起こりやすい病気で、別名「パグ脳炎」とも呼ばれています。詳しい原因は分かっていませんが、数日で死亡に至ることもある恐ろしい病気です。遺伝的要因が言われているため、親兄弟含めて発症した犬がいないか確認しておいたほうが良いでしょう。
短頭種なので、軟口蓋過長症や鼻腔狹窄症などの呼吸器の疾患が起こりやすいことで知られています。ひどくなると呼吸困難になります。
顔にシワが多いので、シワの中に汚れがたまり皮膚炎を起こしやすいです。清潔な状態を維持してあげることでかなり予防することが出来ます。

歴史

起源については、よくわかっていませんが、紀元前400年の中国に存在していたという記録が残っています。マスティフ系の犬が先祖と考えられいますが、大型のマスティフが小型化するまでの経緯などについても、今のところ完全に解明されてはいません。
17世紀頃に、中国との交易が盛んだったオランダの代表的な貿易商社である東インド会社を通じてイギリス初めヨーロッパの国々へ紹介されました。そのため、ダッチ・ドッグ(オランダの犬)と呼ばれて、長い間オランダ原産の犬種と思われていたようです。この犬を愛好した王侯貴族にはイギリスのウィリアム3世、ロシアのエカテリーナ2世王妃、フランスのナポレオンの皇后ジョセフィーヌなどがおり、それぞれにパグにまつわるエピソードを残しています。
その後も改良が加えられて、20世紀に入り現在の容姿になりました。日本に入って来たのは戦中から戦後の20世紀前半です。現在も家庭犬として世界中で人気の高い犬種で、CMや映画にも登場しています。

マルチーズ【Maltese】

マルチーズ/ペット図鑑

原産国 マルタ共和国
体重 2.5㎏~3.2㎏
体高 22 cm~25cm
グルーブ 9G

特徴

頭と体の大きさはよく均整が取れており、体長は体高よりも長めです。黒いつぶらな瞳と愛らしい表情が魅力的です。純白の被毛は、なめらかで美しい絹糸のようで、カットしなければ地面に裾を引きずるほど長く伸びます。カット次第で印象がガラッと変わるため、様々な表情を楽しめるのも人気の理由の一つです。

性格

知的で温厚ですが、元気に遊ぶことも大好きです。飼い主に対しては愛情深く甘えん坊です。一方で神経質で気の強い面があり、不安や恐怖を感じる時には怖気づかず、吠えたり攻撃的になる大胆さもあります。

毛色

純白であることが望ましいですが、黄味がかった白(レモン)や、ごく淡いベージュのような白色(タン)も存在します。

育て方

活発な性格ですが、室内で飼われ続けて来たので、運動は室内での遊びで十分です。散歩は1日2回朝夕15分程度行うと良いでしょう。
体が小さいため、大きなものに対して警戒心が強く、比較的よく吠える犬が多い傾向があります。子犬の頃から甘やかしすぎず、きちんとしつけを行うことが大切です。
被毛は細く絡みやすいので、できるだけ毎日ピンブラシなど被毛に優しいブラシでのブラッシングが必要です。被毛は自然に伸ばすのが基本ですが、カットすることで生活しやすくなるので、定期的にカットすると良いでしょう。
耳や目と口のまわりは、長毛がかぶさって通気性が悪く汚れやすいので、定期的に拭いて清潔に保つことが必要です。

気をつけたい病気

全身の被毛が白色の犬には、生まれつき網膜や目の異常(眼瞼内反症など)、聴覚の異常が起きることがあります。
僧帽弁閉鎖不全症は、とくに高齢のマルチーズに多い心臓の病気で、遺伝的な要因もあるといわれています。
他に、外耳炎、低血糖症、流涙症、膝蓋骨脱臼、肛門のう疾患なども気を付けたい病気です。

歴史

愛玩犬としては最古の歴史を持つ犬種で、紀元前1500年頃、現在のレバノンあたりに都市国家を築いていたフェニキア人が貿易の中継地だったマルタ島に持ち込んだ犬が祖先ではないかといわれています。その後、シチリア島を経て地中海沿岸の国々に紹介されました。古代ギリシアやエジプト、ローマでは貴婦人たちに愛され、その愛らしさを賛美する詩人の言葉も残されています。フランスでは15世紀頃から抱き犬としてもてはやされ、19世紀になってからイギリスに紹介されました。19世紀末にはビクトリア女王が当時属領だったマルタから取り寄せたことがきっかけとなり大流行となります。アメリカでは20世紀中頃になって人気となりました。
日本に入ってきたのは1960年頃とされ、1968年から84年まで登録件数ナンバーワンの座を占めていました。現在でも、多くのフアンを持つ人気犬種です。

ウェルシュコーギーペンブローク【Welsh Corgi Pembroke】

ペット図鑑/ウェルシュコーギーペンブローク

原産国 イギリス
体重 11kg~14kg
体高 26cm~31cm
グルーブ 1G

特徴

体格はがっしりとしていて、胴長短足で一生懸命走る姿が愛らしい犬種です。被毛は中くらいの長さのダブルコートで硬い毛が密生しています。
大変よく似ているウェルシュコーギーカーディガンよりも新しい犬種で、犬種標準は尾の形、耳の形、毛色を除いてほぼ同じです。ペンブロークは、断尾により尾が短く、直立した耳の先はわずかに丸くなっています。

性格

明るく活動的で遊びが大好き、飼い主にはとても忠実です。社交的な性格で他の犬や動物とも仲良くなれるので、小さい子供のいる家庭や多頭飼いでも安心して飼うことができます。ただし、牧羊犬としての気質を残しているため、他の犬や小動物を見たときに吠えたり追いかけ回したりしてしまうことがあるので、子犬の頃からしつけことが大切です。

毛色

毛色は、レッド、セーブル、フォーン、ブラック&タンに限ります。足、前胸、首、頭部の白斑は認められます。コーギーの毛色は成長に伴い変化することがあるので、色にこだわる場合は注意が必要です。

育て方

活発で体力もあるので運動は欠かせません。毎日朝晩30分程度の散歩のほかに、ドッグランなどで思い切り走らせたり、ボール投げなどをして一緒に遊んだりすると良いでしょう。アジリティやフライングディスクなどドッグスポーツで活躍する犬もいるようです。
牧羊犬として活躍していたため、他の犬や小動物を見かけた時に吠えたり追いかけ回してしまうことがあります。無駄吠えしやすい犬種でもあるので、子犬の頃から飼い主の指示に従って行動できるようにしつけることが重要です。ほめられることが大好きなので、しつけはしやすい方です。
食欲旺盛なので肥満にならないように毎日の運動や食事に気を配ってあげてください。
ダブルコートで下毛が密集していますので、喚毛期には抜け毛があります。普段は週に1~2回のブラッシングで十分ですが、換毛期は毎日してあげると良いでしょう。

気をつけたい病気

胴長短足の犬種がかかりやすい椎間板ヘルニアのほかに、変性性脊髄症にもかかりやすいと言われています。変性性脊髄症は遺伝性疾患で、現状では病気の治療法が確立されていないため、事前の遺伝子検査が大切になります。ほかに尿路結石症、てんかん、進行性網膜萎縮症にも注意が必要です。

歴史

12世紀のヘンリー2世から現在のエリザベス女王に至るまで英国王室で寵愛されてきたので、「ロイヤルドッグ」と尊称されているイギリスを代表する国民的犬種です。
ペンブローク種はカーディガンより新しい犬種です。祖先犬がどんな犬なのか、はっきりしたことはわかっていませんが、フランドル(フランスとベルギーの大西洋に面した地方)の織工がウェールズに移住した時連れてきたという説や、バイキングが活躍していた頃にスウェーデンの犬がこの地に居残ったという説などがあるようです。
おもにウェールズのペンブロークシャー地方で牛追いの牧畜犬として活躍していました。その後、ヘンリー2世のペットとなってからは、繁殖家の手によって改良が進み、現在に近い形になったようです。
この当時はまだ、カーディガンとの交配が普通に行われており、相違点も多いことから、同じ犬種と考えられていました。しかし、毛色や尻尾、耳の形の違いなど、同一の犬種標準で計ることが難しくなり、原産国であるイギリスのケネルクラブは、1943年、別々の種類のコーギーとして登録することになりました。以降、日本も含め海外の多くの国で、別々のコーギーとされています。
断尾するようになったのは、牧畜犬として働く際に牛にしっぽを踏まれないためと言われていますが、家庭犬としては必要がないため、動物愛護の観点から現在欧米では断尾を禁止している国が多いようです。
日本ではテレビ番組やCMにたびたび登場して知名度が上がり人気となりました。