ロングコートチワワ【Long Coat Chihuahua】
原産国 |
メキシコ |
体重 |
1.5kg~3kg |
体高 |
15 cm~23cm |
グルーブ |
9G |
特徴
世界的に公認された犬の中でも最も小さな犬種で、利口そうで愛らしい表情をしています。手足は細いですが胴体と頭蓋骨はがっちりとしています。アップルドームといわれるリンゴ型の頭と、比較的大きな立ち耳の独特な容姿が魅力的です。被毛は柔らかくしなやかな長毛で、腕や頭部、しっぽに飾り毛があります。滑らかな短毛のスムースコートチワワとは、被毛を除いて犬種標準はほぼ同じです。
性格
明るく陽気ですが、勇敢で負けん気の強い面もあります。飼い主に対しては愛情深く従順ですが、警戒心が強いので家族と他の人をはっきりと区別する傾向があり、初対面の人には懐きにくいことが多いようです。
毛色
マール・カラー以外のすべての色調および組み合わせが認められています。主なものにピュアレッド、タン、ホワイト、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、ブラック&タン、ブラウン&イエローなどがあります。
育て方
動きが機敏でとても活発なので、散歩は毎日30分程度を1~2回行ってください。室内でも色々な遊具を用意して十分に遊べるようにすると良いでしょう。
怖がりで社会性が低いため、防衛本能が強くなりすぎると無駄吠えが多くなる場合があります。小さい頃から積極的に外に連れ出して、他犬と触れ合う機会を作りましよう。
被毛はダブルコートなので抜け毛が多いですが、スムースコートに比べると毛の成長サイクルが遅く、抜け毛が少ない傾向が見られます。週に2~3回はブラッシングを行うと良いでしょう。 体が小さい上被毛も厚くないので、冬は衣類を着せるなどの寒さ対策が必要です。
気をつけたい病気
チワワには、頭部に「ペコ」と呼ばれる凹がある個体が多く出ることが知られています。
これは頭蓋骨の接合部(泉門)が不完全な状態で生まれてくることで起こります。ペコのある個体は特に頭に対する刺激や激しい振動は避けるようにしましょう。
ほかに起こりやすい病気は、膝蓋骨脱臼や眼病、神経疾患などが知られています。
高い運動神経を備えている犬種ですが、体が小さく華奢なので怪我や病気には特に注意が必要です。
歴史
起源や歴史ははっきりとわかっていませんが、10~11世紀頃メキシコを支配していたトルテカ族が飼っていた「テチチ」という小さな犬が祖先犬ではないかという説が有力です。メキシコのチワワ州からアメリカに持ち込まれたことからチワワと呼ばれるようになりました。
19世紀半ば頃、アメリカで品種改良が進められ、世界の人々の人気の犬種へと発展を遂げ、1904年アメリカンケネルクラブに登録されました。当初はスムースコートしかいませんでしたが、20世紀に入ってからアメリカでの交配の過程でロングコートチワワが誕生したと言われています。
日本には1970年頃から本格的に輸入されるようになり、以降都市化が進む中で、家庭で飼いやすい大きさのペットとして愛好される犬種となりました。
柴犬【Shiba Inu】
原産国 |
日本 |
体重 |
牡8 kg~10kg、牝7 kg~8kg |
体高 |
牡38 cm~41cm、牝35 cm~38cm |
グルーブ |
5G |
特徴
小さくても骨格がしっかりとしていて筋肉もよく発達しています。バランスのとれた体格に三角形の目と立ち耳、力強い尾が特徴的で、全体的に素朴な印象です。尾は背中の上に巻く「巻き尾」(左巻きと右巻き)、鎌の刃のような半円を描く「さし尾」などがあります。被毛はダブルコートで、上毛は硬い直毛で下毛は柔らかく密生しています。
性格
猟犬や番犬として活躍してきた犬種なので、勇敢で大胆な気質を備えています。自立心が強く自信にあふれていますが、時に頑固に見えることもあります。飼い主には忠実で服従心がありますが、家族に対してはベタベタ甘えることは少なくクールに接します。また、保守的で防衛心が強いので、他人や他犬には厳しい態度を見せることもあります。
毛色
赤、胡麻(黒胡麻、赤胡麻)、黒褐色などがあります。マズルの裏白(逆マスク=鼻口部から目の上または頬にかけて広がっている白斑)はこの犬種の斑の特色です。
育て方
山岳地帯の猟犬として活躍していた犬種なので、小さくてもスタミナがあります。運動不足はストレスになるので、毎日1時間以上の散歩は必要です。可能であればドッグランなどで走らせてエネルギーを発散させてあげると良いでしょう。
警戒心が強く、他者から距離を置く傾向があるので、子犬の頃から他の人や犬と触れ合う機会を作って、社会性を身につけさせていくことが大切です。しつけにおいては、毅然とした態度をとりつつ、上手にほめながらトレーニングを行うなど、絆を深めながら進めていくと良いでしょう。
普段のお手入れは週に1回程度のブラッシングで大丈夫ですが、春と秋の換毛期は、大量に毛が抜けるので毎日丁寧にブラッシングをして抜け毛を取り除いてあげてください。
気をつけたい病気
病気にあまりかかりにくく丈夫な犬種と言われています。しかし病気になった時、我慢強いため病気に気づきにくいことがあります。少しでも異変を感じたら早めに獣医師の診察を受けるようにしましよう。
皮膚疾患の多い犬種で、真菌が原因であるものやアトピー性皮膚炎など、症状や原因は多様です。普段のお手入れの際、皮膚の変化にも注意しましょう。
健康で長寿が多いことも特徴ですが、痴呆の症状が出やすいと言われています。高齢になっても好奇心を刺激し、ゆっくりでも散歩に連れ出すことが予防になることも多くあるようです。
歴史
祖先は原始時代に南方から日本に渡ってきた犬と考えられおり、四国にある縄文時代の上黒岩古墳から骨が発掘されています。当時からずっと人と共に生活してきました。近代以降鳥獣猟犬として飼われており、長い間に各地にちらばって、信州柴、美濃柴、山陰柴など、その産地は広域にわたります。
明治から大正にかけて洋犬が流行して交雑化が始まり、昭和の初めには純粋な日本犬はわずかとなっていました。絶滅から守ろうと日本犬保存会が発足され、頭数が回復、昭和12年に天然記念物の指定を受けました。その後、第二次世界大戦後の食糧難の時代や、昭和27年に犬ジステンパーが流行したことによって頭数が激減した時期がありましたが、柴犬保存運動が起こり、絶滅の危機を免れました。
現在では家庭犬としても人気の高い犬種です。日本国外でも人気が高く、日本語の読みをそのままローマ字にした「Shiba Inu」という名前で呼ばれています。
小さいサイズの柴犬を豆柴、小柴といい、人気がありますが、特定の犬種ではありません。ジャパンケネルクラブ(JKC)では、豆柴は「小さい柴犬」となっており、JKCが発行する血統書には、豆柴は「柴犬」と記されます。
ミニチュア・ダックスフンド【Miniature Dachshund】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
3.5㎏~4.8㎏ |
体高 |
牡23㎝~27㎝、牝21㎝~24㎝ |
グルーブ |
4G |
特徴
特徴的な胴長短足の体型で、体長は体高の約2倍あります。がっしりとした骨格で筋肉もよく発達しており、マズルがやや長めで耳は大きくて垂れています。被毛は、短くて光沢のあるスムースヘアード、長くて柔らかなロングヘアード、長くて粗いワイヤーヘアードの3種類があります。
ダックスフンドは胸囲のサイズによって3種類に分けられています。成長が落ち着いた生後15カ月を超えてから、胸囲を測って35cm以上ならスタンダード、30~35cmならミニチュアダックス、30cm以下ならカニンヘンダックスということになります。従って、サイズを除き犬種標準はほぼ同じです。
性格
明るく活発で、好奇心旺盛です。家族に対しては愛情深く接しますが、他の人や犬に対しては警戒心が強く神経質になることがあります。また、もともと狩猟犬だったこともあり、大胆で物おじせず、負けず嫌いな面があります。交配の影響で、被毛の種類によって性格に違いがあると言われています。スムースヘアードは遊び好きで、ロングヘアードは人懐っこい甘えん坊が多く、ワイヤーヘアードは気が強い傾向があるようです。
毛色
毛色は、バリエーション豊かで、被毛の種類によって異なります。
単色ではレッド、レディッシュ・イエロー、イエロー(クリーム)などがあり、2色ではブラック&タン、ブラウン&タン、ブラック&イエロー、ブラウン&イエローなどがあります。混色ではダップル(大理石模様)やブリンドル(縞目)などです。
ワイヤーヘアードの場合は、この他にワイルドボア(イノシシ色)や枯葉色の単色も認められています。
育て方
とても活発なので、少なくとも1日1時間以上の散歩は必要です。遊びも大好きなので、ボール遊びやゲームなどでたくさん遊んであげると良いでしょう。
狩猟犬としての特徴をもっているので、吠えやすく喧嘩っ早いところがあります。子犬の時からしっかりとしつけをしたり、他犬や他人に接して社会性を育むことが大切です。狩猟犬の場合は特にしつけや訓練を怠ると、手が付けられなくなってしまうこともあるので、子犬の時から責任を持ってしつけを行ってください。
被毛はダブルコートで、特に換毛期はよく抜けますので、定期的なブラッシングが必要です。ロングヘアードとワイヤーヘアードは週に2~3回以上が望ましいです。スムーズヘアードの場合は、冬の寒さに弱いので、衣類を着せるなどの工夫をしてあげると良いでしょう。
気をつけたい病気
胴体が長く腰や股関節などへの負担が大きいため、椎間板ヘルニアなどの関節疾患にかかりやすいことはよく知られています。成長期には運動でしっかり筋肉をつけ、中年齢以降は肥満にならないように食事管理が大切です。
また、足が短いことから、地面と腹部が近いため、腹部を傷つけてしまったり、暑い時期は熱中症に注意が必要です。
この犬種は毛色の掛け合わせにより、てんかん、股関節形成不全、進行性網膜縮症(PPA)などの遺伝性疾患を受け継いだり、障害をもって生まれてくることも少なくありません。
歴史
歴史が古く、その起源は定かではありませんが、スイスのジュラ・ハウンドが祖先犬で、ドイツやオーストラリアの山岳地帯にいた中型ピンシャーとの交雑によって現在のダックスフンド(スムースヘアード)の基礎犬が作られたのではないかといわれています。アナグマ狩りに使うため、巣穴に入り込めるような体型になるよう選択交配することによってこのような体型が生まれました。のちにワイアーヘアのテリアが交配されたり、スパニエルが交配されたりと他犬種との交配の中で、ワイヤーヘアードやロングヘアードのダックスフンドが生まれることになったとされています。
ミニチュアダックスフンドは、19世紀頃にスタンダードダックスフンドが入れないような小さな穴にもぐって狩猟できるようにと選択交配されたことにより生まれました。現在でも、特徴的なアンバランスな胴長短足の体型が可愛いとして、狩猟犬としての激しい性格を持っているにもかかわらず、家庭犬としても世界で人気の犬種です。
日本では20~30年前はスタンダードダックスフンドが人気でしたが、現在では日本の住宅事情の関係で、小さなミニチュアダックスフンドやカニンヘンダックスフンドのほうが人気を得るようになっています。