サモエド【Samoyed】
原産国 | ロシア(シベリア) |
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体重 | 16kg~30kg |
体高 | 牡54 cm~60cm、牝50 cm~56cm |
グルーブ | 5G |
特徴
骨太で筋肉が発達していて逞しい体つきをしています。立ち耳でアーモンド形の目を持ち、口角が上向きで微笑んでいるように見えることからサモエド・スマイルと呼ばれています。真っ白い美しい被毛は厚いダブルコートで雪のように白くふわふわとしており“最も美しい犬”とも呼ばれます。
性格
賢く温和で辛抱強くとてもフレンドリーなので、子どもの遊び相手も上手ですし、他人や他の犬とも仲よくできます。飼い主には従順で愛情深く接しますが、頑固な一面も見られます。
毛色
毛色は、ピュアホワイト、クリーム、ホワイトビスケット(体の一部に茶色のマークが入っている)があります。
育て方
運動欲求が強くスタミナもあるので、エネルギーを充分に消費できないとストレスをためてしまうことがあります。毎日、朝晩1時間程度の散歩のほかに、ドッグランで思いきり走らせたり一緒に遊ぶ時間を作ると良いでしょう。
性格は穏やかですが力がとても強いので、興奮した時などに人にケガを負わせてしまう可能性があります。子犬の頃からしっかりと行動をコントロールできるようしつけることが大切です。ドッグトレーナーなどの専門家の指導を受けるのも良い方法です。
被毛は厚いダブルコートなので、換毛期になると非常に多くの毛が抜けます。皮膚病予防のためにも、できれば毎日、少なくとも週2~3回はブラッシングをして抜け毛をしっかり取り除くようにしてください。
気をつけたい病気
平均寿命は12~13歳で他の大型犬に比べると寿命が長い傾向があります。純血種ですが、他の犬種に比べて遺伝的な病気が問題視されていません。
胃捻転になりやすいと言われています。短い時間で死に至ることもある疾患で、主な原因は、早食いや食べ過ぎ、食後の激しい運動などです。
中型~大型犬に多く見られる股関節形成不全にも注意が必要です。関節に負担をかけないためには太らせないことが大切です。子犬の頃から歩き方にはよく注意するようにしてください。
他に進行性網膜萎縮症や皮膚炎にもかかりやすいと言われています。
歴史
シベリアの広大なツンドラ地方で、遊牧民族であるサモエド族と共に暮らしてきた土着の犬です。カモシカ猟やオオカミから家族を守るための警護、そり引きなど多くの役割を果たしていました。テントの中では暖房代わりにサモエドに寄り添って寝ていたともいわれています。数世紀にわたって他の民族とは隔離された生活を送っていたので、他の犬種の影響を受けることなく独自の純血性が保たれてきた、原始犬に近い希少犬種として知られています。
19世紀後半にイギリスのある動物学者がサモエド族を訪問し、サモエドを持ち帰ったことで初めてイギリスへ渡りました。その後、寒さへの適応能力と作業効率性を見込まれて、1870年~1912年にかけて実施された北極・南極大陸遠征において大活躍しました。特に1911年探検家アムンゼンと50頭のサモエド犬が南極の地を探検したことで、その存在が世界に知られるようになりました。
イギリスに入った当初は、純白の犬ばかりではなく、黒やブラウンなどの毛色もいましたが、イギリスでは白い毛色が好まれたため、選択繁殖を繰り返す中で白い毛色が主流となりました。1909年には最初のスタンダードが作成され、1912年にイギリスケンネルクラブに正式犬種として公認されています。
日本ではサモエドにジャーマンスピッツを交配して小型化した日本スピッツが人気だった時期がありましたが、騒々しい面を持つために人気が低下してしまいました。近年は、温和で落ち着いているサモエドの人気が高まっているようです。