スコティッシュフォールド【Scottish Fold】
原産国 | スコットランド(イギリス) |
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公認団体 | CFA・TICA |
毛種 | 短毛種・長毛種 |
特徴
丸い目と丸い顔に折れ曲がった耳が印象的です。体格はがっちりしていて丈夫、全体的に丸みを帯びていて柔らかな印象です。「人間のよう」「プッダのよう」と言われるような独特の座り方をすることがあり、「スコ座り」とも呼ばれます。
柔らかい被毛は、長毛と短毛の2種類があり、分厚く密生しているため絨毯のような手触りです。
ピンと立った三角形の耳が特徴のスコティッシュストレートとは、同じ猫をルーツに持つため、耳の違いを除けば特徴や性格に大きな違いはありません。生まれた時はスコティッシュストレートもスコティッシュフォールドも立ち耳で、生後13日目から23日目にかけて折れ始めます。
性格
賢くて好奇心旺盛、家族と共にいることを好みます。活発な面とおとなしい面がバランス良く共存していて飼いやすい猫種です。環境の変化に対する適応力があるので、子どもや他の動物との相性も良好です。鳴くことは多いですが、鳴き声が小さいのも特徴です。
毛色
毛色は、スコティッシュストレート同様、体質の安定を目指し異種交配が進められたため、ソリッド(単色)だけでなく、タビー(縞模様)やキャリコ(三毛)などバリエーションが豊富で、すべての毛色が認められています。
育て方
耳が折れているため、耳に汚れが溜まりやすいので、定期的な耳掃除が必要です。折れている部分も丁寧に優しくきれいにしてあげてください。
被毛は密集していて毛の量も豊富なので、定期的なブラッシングやコーミングが必要です。特に長毛タイプは週に2~3回はブラッシングをしてあげましょう。こまめにブラッシングをしないと、毛が絡まって毛玉になりやすく、毛球症をおこしやすくなります。
気をつけたい病気
近親交配が多くなされてきたことから、遺伝性疾患が多く出ることが知られています。5~6歳までに発症することが多いので、日頃からよく観察するだけでなく、定期的に動物病院で検診をしてもらうのも良いでしょう。
非常に多くみられるのは遺伝性骨軟骨異形成症で、手足やしっぽの関節部の軟骨が瘤状に大きくなり、痛みが出て歩行困難となります。禁忌とされている両親とも折れ耳で交配した場合に発生する確率が非常に高いようです。
また、内臓疾患も起きやすいとされており、心肥大や腎臓障害、尿路疾患などが知られています。
歴史
歴史の浅い猫種で、1960年代にスコットランドの小さな農場で飼われていた猫が生んだ子猫の中に、耳の折れたネコがいたのが始まりです。「スージー」と名づけられたこの猫が生んだ子猫の中には折れ耳の子と立ち耳の子がいました。折れ耳の子はスコティッシュフォールドとなり、立ち耳の子がスコティッシュストレートとなりました。その後この折れ耳は遺伝することがわかり、1966年イギリスの猫種血統登録団体であるGCCFに登録され、本格的な繁殖が行われることになりました。しかし、骨格や聴力の異常が続発するようになり、1971年イギリスでこの猫種の登録と繁殖を中止することになりました。
その後はアメリカへ輸出されて繁殖が続けられ、1970年代までにはアメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアなどとの交配を行うことで、遺伝性の病気の影響を小さくできると結論付けられました。1977年にはアメリカでCFAに登録され、世界中で知られる大人気の猫となりました。