セントバーナード【St. Bernard】
原産国 | スイス |
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体重 | 50kg~91kg |
体高 | 65㎝~90㎝ |
グルーブ | 2G |
特徴
全犬種の中で最重量の部類に属する犬種です。バランスが損なわれない限りサイズは大きいものが望ましいとされており、体重は100kgを越えることもあります。筋肉質ながっしりとした体型、大きめの垂れ耳、太くて長い尾が特徴的です。被毛は厚いダブルコートで、硬い短毛が密集して生えているスムースタイプと直毛またはウェーブがかったほどよい長さのロングタイプの2種類があります。
性格
穏やかで落ち着いた性格で、飼い主には従順で甘えん坊です。我慢強いので、子どもとも安心して遊ばせることができます。しかし自分で判断して行動できる知能の高さがあるため、頑固で融通が利かない一面もあります。
毛色
毛色は、白地に赤みのある茶色の斑またはブランケットが胴体や顔に入っています。黄色よりの茶色の斑も認められており、斑は平均して散らばっていることが望ましいとされています。
育て方
性格的には飼いやすい犬種ですが、大変大きな犬なので、家の広さや車の大きさなどは飼う時の条件となります。また、力が強くて散歩中も気を抜けないため、飼い主に大型犬を制御できる体力と技術も必要となります。
運動不足になると肥満が心配なので、1日1時間以上の散歩以外にも、足腰に注意しながらドッグランなどで沢山運動させてあげてください。
ダブルコートで下毛が厚いため、できれば毎日ブラッシングをしてください。特に夏場は、下毛はなるべく取って通気性を確保すると良いでしょう。よだれは、一年を通して沢山垂れ流すので、喉から前胸にかけてこまめに拭いてください。必要に応じてよだれかけを付けるのも良いでしょう。
気をつけたい病気
大型犬は小型犬に比べると寿命が短い傾向にありますが、その中でもセントバーナードは短命な傾向があり、寿命は8~10年と言われています。その上、遺伝性の病気にかかりやすく、予防ができないため早期に発見し治療することが重要になってきます。どういう病気にかりやすいのかを事前に把握しておき、定期健診は必ず受けるようにしてください。
股関節形成不全は、多くの場合遺伝によるものなので、親犬がかかったことがないかを事前に確認しておくことが大切です。
拡張型心筋症は、原因がわかっていないため発症を予防するのは難しいですが、早期に発見できれば進行を遅らせることができます。
前十字靭帯断裂は、膝関節を構成する前十字靭帯が部分的もしくは完全に切れてしまった状態のことです。予防のためには適正体重を超えないよう管理することが大切です。
歴史
起源は、はっきりとわかっていませんが、祖先はローマ帝国がスイス侵攻の際に連れてきた軍用犬であるモロシア犬であると言われています。当初は番犬や使役犬として働いていましたが、寒さに強く忍耐力もあり飼い主に従順なことから、寒冷地での山岳救助を担うようになりました。17世中頃からスイス・アルプスにある聖ベルナール僧院で雪中遭難救助犬として活躍、3世紀に渡って約2500人もの命を救ったと伝えられています。中でもバリーと呼ばれる犬は生涯にわたって40人もの命を救いました。その栄誉を称えられ、一時セントバーナードのことをバリー・ハウンドと呼び、死後バリーの?製はスイスの博物館に収められました。1887年に国際畜犬会議で正式にスイスの犬種として公認されて以来、スイスの国犬です。現在は、家庭犬、番犬としても世界中で飼育されています。
日本では「アルプスの少女ハイジ」に登場する犬がセントバーナードであったことから人気となりました。東京消防庁の特別救助隊や消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)では、救助犬として活躍したセントバーナードが描かれたワッペンを車両と隊員の肩に付けています。
名前は、聖ベルナールを英語読みしたものです。