アイリッシュセッター【Irish Setter】
原産国 |
アイルランド |
体重 |
27kg~33kg |
体高 |
牡67cm前後、牝62cm前後 |
グルーブ |
7G |
特徴
体長が体高より長く、垂れ耳とまっすぐな尾を持ち、各部のつり合いの良くとれた優雅な姿をしています。艶やかで美しい被毛は、柔らかく滑らかなシングルコートで、耳の上部や前胸、尾の裏側、足などに飾り毛があります。
性格
無邪気で好奇心旺盛、常にエネルギーに溢れています。狩猟犬なので忍耐強さも持ち合わせています。飼い主に対しては忠誠心が強く、家族と一緒にいることが大好きです。社交性もあるため、他の犬や子供達とも問題なく遊ぶことができます。
毛色
毛色はチェスナット(栗色・マホガニーレッド)の一色のみですが、茶の濃淡には個体差があります。胸、喉、指の白斑や、鼻筋のブレーズは認められています。
育て方
豊富な運動量が必要な犬種で、運動不足になると欲求不満から問題行動を起こすことがあります。散歩は、毎日朝晩2回それぞれ1時間程度は必要で、そのほかに一緒にジョギングをしたり、ドッグランで走らせてあげたりするのも良いでしょう。狩猟犬なので散歩中に猫や小動物を見つけると追いかけようとすることがあります。子犬の時から十分なしつけをしておくことが大切です。
飼い主や家族には忠誠心が強いので、比較的しつけはしやすいと言われていますが、大雑把な性格のため、トイレなど室内での生活面のしつけには、少々根気がいる場合があります。
毛が長く絡まりやすいため、2日に1回はブラッシングが必要です。また、換毛期には多くの毛が抜けるので毎日のブラッシングを心がけましょう。
気をつけたい病気
アイリッシュセッターのように胸の深い犬種では、胃捻転が起きやすいことが知られています。食後に激しい運動を避けること、食べ過ぎや早食いさせないことなどが予防になります。
進行性網膜萎縮症(PRA)が多い犬種としても知られています。ほかに、大型犬に起きやすい股関節形成不全にも注意が必要です。予防として、進行性網膜萎縮症のDNA検査、股関節検査をしておくと良いでしょう。
歴史
セッター種の中で最も古い歴史を持つ犬種といわれています。正確な起源は分かっていませんが、ヨーロッパ大陸にいたレッドスパニエルにポインター種とセッター種を交配させて生まれたものと考えられています。獲物を発見するとしゃがみ込んでその位置を知らせる特性が、鳥猟に欠かすことのできない犬種として、原産国だけでなくイギリス諸島周辺で活躍していました。
1800年代初期、アイリッシュセッターの毛色は赤一色以外にも、白地に斑のあるカラーも全てアイリッシュセッターと呼んでいましたが、のちに白地に斑のカラーはアイリッシュレッドアンドホワイトセッターとして独立したため、1876年から単色の赤いコートだけをアイリッシュセッターと呼ぶようになりました。
鳥獣犬だけでなく、人の暮らしの伴侶犬にも適することから女性や子供にも人気が高く、家庭犬としても多く飼育されています。
スムースコートチワワ【Smooth Coat Chihuahua】
原産国 |
メキシコ |
体重 |
1.5kg~3kg |
体高 |
15 cm~23cm |
グルーブ |
9G |
特徴
世界的に公認された犬の中でも最も小さな犬種で、利口そうで愛らしい表情をしています。体型は、骨が細くスリムなハイオンタイプと、骨太で足が若干短いドアーフタイプがあります。手足は細いですが胴体と頭蓋骨はがっちりとしています。アップルドームといわれるリンゴ型の頭と、比較的大きな立ち耳の独特な容姿が魅力的です。被毛は滑らかな短毛が密生していて光沢があります。しなやかな長毛のロングコートチワワとは、被毛を除いて犬種標準はほぼ同じです。
性格
明るく陽気ですが、勇敢で負けん気の強い面もあります。飼い主に対しては愛情深く従順ですが、警戒心が強いので家族と他の人をはっきりと区別する傾向があり、初対面の人には懐きにくいことが多いようです。ロングコートよりもスムースコートの方がチワワの性格が濃く現れる傾向があると言われています。
毛色
マール・カラー以外のすべての色調および組み合わせが認められています。主なものにピュアレッド、タン、ホワイト、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、ブラック&タン、ブラウン&イエローなどがあります。
育て方
動きが機敏でとても活発なので、散歩は毎日30分程度を1~2回行ってください。室内でも色々な遊具を用意して十分に遊べるようにすると良いでしょう。
怖がりで社会性が低いため、防衛本能が強くなりすぎると無駄吠えが多くなる場合があります。小さい頃から積極的に外に連れ出して、他犬と触れ合う機会を作りましよう。
被毛はダブルコートで抜け毛が多いですが、短毛なのでロングコートに比べるとお手入れは簡単です。週に2~3回はブラッシングを行うと良いでしょう。体が小さい上被毛も厚くないので、冬は衣類を着せるなどの寒さ対策が必要です。
気をつけたい病気
チワワには、頭部に「ペコ」と呼ばれる凹がある個体が多く出ることが知られています。
これは頭蓋骨の接合部(泉門)が不完全な状態で生まれてくることで起こります。ペコのある個体は特に頭に対する刺激や激しい振動は避けるようにしましょう。
ほかに起こりやすい病気は、膝蓋骨脱臼や眼病、神経疾患などが知られています。
高い運動神経を備えている犬種ですが、体が小さく華奢なので怪我や病気には特に注意が必要です。
歴史
起源や歴史ははっきりとわかっていませんが、10~11世紀頃メキシコを支配していたトルテカ族が飼っていた「テチチ」という小さな犬が祖先犬ではないかという説が有力です。メキシコのチワワ州からアメリカに持ち込まれたことからチワワと呼ばれるようになりました。
19世紀半ば頃、アメリカで品種改良が進められ、世界の人々の人気の犬種へと発展を遂げ、1904年アメリカンケネルクラブに登録されました。当初はスムースコートしかいませんでしたが、20世紀に入ってからアメリカでの交配の過程でロングコートチワワが誕生したと言われています。
日本には1970年頃から本格的に輸入されるようになり、以降都市化が進む中で、家庭で飼いやすい大きさのペットとして愛好される犬種となりました。
ジャイアントシュナウザー【Giant Schnauzer】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
35kg~47kg |
体高 |
60cm~70cm |
グルーブ |
2G |
特徴
スクエアな体型で、骨太くがっしりとした体つきをしています。筋肉がよく発達していて、大地をしっかりと踏みしめるように歩きます。被毛はダブルコートで、針金のような硬い毛に覆われています。長くて立派な口ひげと愛嬌ある眉毛が特徴的です。
シュナウザーは、ミニチュア、スタンダード、ジャイアントと3種類ありますが、毛色とサイズを除いて犬種標準はほぼ同じです。
性格
明るく好奇心旺盛で、遊ぶのが大好きです。シュナウザー種の中でも、家族や子どもに慣れやすいタイプと言われています。独立心が旺盛で、自分の判断で行動してしまう面もありますが、従順で訓練能力も非常に高いので、正しくしつければコントロールすることが可能です。
毛色
毛色は、ソルト&ペッパーとブラックのみです。
育て方
スタミナが豊富なので、毎日朝晩30分程度の散歩は欠かせません。とても遊び好きなので、散歩のほかにゲームや自由運動も取り入れると良いでしょう。
被毛はダブルコートで、抜け毛は少ないですが上毛は硬い毛質で下毛は密集しているので毎日ブラッシングをしてあげてください。特徴である口ひげは汚れやすいのでこまめに拭いて清潔に保ちましょう。定期的なトリミングが必須で、慣れない人はプロのトリマーに任せると良いでしょう。
独立心が旺盛で自分の判断で行動してしまうこともあるので、子犬の頃からしっかりとトレーニングを行い、飼い主さんが行動をコントロールできるようにしておくことが大切です。
気をつけたい病気
基本的に健康で丈夫な犬種ですが、大型犬に多い股関節形成不全や、関節炎などにかかりやすいと言われています。
歴史
シュナウザーにはジャイアント、スタンダード、ミニチュアの3種類があり、すべての元になっているのはスタンダードシュナウザーです。スタンダードシュナウザーは14世紀ごろのドイツで作出され、牧羊犬や番犬として活躍していました。
ジャイアントシュナウザーは、19世紀の初め頃、バイエルンの牧牛業者が優秀な牛追い犬を作出するため、スタンダードシュナウザーにグレートデーンや家畜追い犬として定評のあったブービェデフランダースなどを交配して作出されました。長年、ミュンヘンで畜牛を市場までつれて行く役目をしており、当時は「ミュンヘンの犬」を意味するミュンヒナーと呼ばれていました。19世紀になると運搬は鉄道に取って代わられ、牛追い犬としての仕事はなくなってしまいますが、その後は工場や店の護衛などで活躍、第一次世界大戦時には、警察犬に採用され、一気に知名度が上がり、第二次世界大戦では軍用犬として活躍しました。現在は、その大胆不敵な性格から番犬として使われたり、そのりりしい外見からショードックとして活躍しています。
ノーフォークテリア【Norfolk Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
5kg~6kg |
体高 |
25cm~26cm |
グルーブ |
3G |
特徴
テリアの中でも最も小型なタイプの一つで、体高が低く、体は筋肉がよくついて引き締まっています。垂れ耳で、尾は断尾をしなければ長く、背中の上に巻き上がります。被毛はダブルコートで、針金状の直毛は硬い手触りが特徴的です。ノーリッチテリアとは耳を除いて犬種標準は同じです。
性格
大胆で勇敢、好奇心旺盛で行動力があります。飼い主や家族に対しては愛情深く接しますが、自立心が強いので飼い主の指示にも頑として抵抗する場合があります。また、主に狩猟犬として活躍する犬種なので、警戒心が強く見知らぬ人や犬に吠えることもあります。
毛色
毛色は、レッド、ウィートン(小麦色)、ブラック&タン、グリズル(ブルーがかったグレー)が認められています。
育て方
とても活発で多くの運動量が必要です。毎日30分~1時間くらいの散歩とともに、定期的にドッグランなどで思う存分走らせてあげると良いでしょう。
頑固でマイペースなので、甘やかすと飼い主の指示を聞かなくなったり、問題行動を起こしてしまうことがあります。テリア種の特性をきちんと理解した上で、子犬の頃から信頼関係を築きながらしっかりと訓練する必要があります。
被毛の手入れは、週1~2回の定期的なブラッシングと、ノーフォーク・テリアらしい野性味のある被毛を維持するために、プラッキング(古い被毛を抜くお手入れ)が必要です。テリア種のプラッキングを得意とするトリミングサロンで行うと良いでしょう。
気をつけたい病気
犬種特有の遺伝性疾患が比較的少ない犬種なので、大きく心配するような病気はありませんが、白内障・緑内障・慢性腎不全・心臓病などには注意が必要です。また、テリア種は、皮膚疾患になりやすい傾向にあるので、定期的なシャンプーとブラッシングは必須です。けがや誤飲誤食にも気を付けてください。
歴史
19世紀後半、イングランド東部ノーフォーク州の州都ノーリッチ市で、小型で丈夫な狩猟犬としてノーリッチテリアが作出され、キツネ狩やねずみの駆除で活躍をしていました。垂れ耳と立ち耳の2つのタイプがいましたが、当時は両方ともノーリッチテリアと呼ばれていたそうです。第二次大戦の頃、垂れ耳のタイプは非常に数が少なくなりましたが、戦後再びドッグショーが行われるようになると、愛好家たちが改めて繁殖を始め、1940年代には個体数が回復しました。1932年に原産国のイギリスで、1936年にはアメリカで、ノーリッチテリアの名前で登録されましたが、1964年、イギリスのケンネルクラブで、垂れ耳をノーフォークテリア、立ち耳をノーリッチテリアと区別し、別々の犬種として登録されることになりました。現在は、猟犬や番犬だけでなく、家庭犬としても飼育されています。
ミヌエット【Minuet】
原産国 |
アメリカ |
公認団体 |
TICA |
毛種 |
短毛種・長毛種 |
特徴
マンチカンとペルシャ系の猫を交配して誕生したミックス種なので、それぞれの猫の魅力を持ち合わせた猫種です。マンチカンのような短い足が特徴的ですが、マンチカン同様、長い足のミヌエットも珍しくありません。体は筋肉質でがっしりとしていて、丸い頭に小さめの耳が離れ気味についていて、大きくて真ん丸な目をしています。ペルシャのように柔らかくふあふあした被毛はロングヘアとショートヘアがあります。
性格
ペルシャの優しさとマンチカンの好奇心旺盛さを合わせ持っています。遊ぶことが大好きなので飼い主といつも遊んでいたがります。人見知りすることもほとんどなく他人や他のペットにも友好的なので複数のペットを持つことも可能です。賢い性格であまり頑固でもないので、しつけし易く飼いやすい猫です。
毛色
ブラック系、ブラウン系、レッド系、ブルー系、シルバー系、クリーム系、ホワイト系などあらゆる毛色が認められています。また、ブラウン×ホワイトなどの2色や三毛猫色のキャリコなどもあります。
育て方
マンチカンの好奇心旺盛な性格を受け継いでいるので、よく動き回ります。特に子猫の頃は活発なのでキャットタワーなど運動ができる環境を整えて十分に動き回れるようにしてあげてください。
様々な飼育環境に順応できる猫種で、人や他のペットにも友好的なので子供のいる家庭やペットを複数飼育している家庭でも適応します。また単独で遊んでいることも出来るので一人暮らしなどで留守番が多くなる場合でも問題なく飼うことができます。
被毛は毛質が柔らかいダブルコートで、特に長毛の場合は毛がもつれやすいので、できれば毎日ブラッシングすると良いでしょう。
気をつけたい病気
基礎猫のペルシャは遺伝的な疾患が多い猫で、その影響を受けてしまう場合がありますので気をつけておきましょう。
あまり運動していないのに息苦しそうにしていたり、ぐったりしているようなら、肥大型心筋症や拡張型心筋症を疑ってください。のう胞腎は腎臓の中に無数の細かい水袋ができる病気で、水を飲む量が急激に増える、尿の量や回数が増える、元気がなくぐったりするといった様子が見られるようになります。いずれの場合もその兆候が見られたら、早めに病院を受診するようにしてください。
その他、角膜炎・流涙症などの眼病や肥満にも十分注意しましょう。
歴史
1995年アメリカで犬のブリーディングを行っていたジョセフ・スミス氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載されていた「マンチカン」に関する記事を読み、長い足のマンチカンはスタンダードから外れるという理由で捨てられているという現実を知ります。問題意識を持ったスミス氏は、足が長いという理由で捨てられることがあってはならないと考え、自らの手で短足猫の固定化を試み始めました。まずはマンチカンとペルシャを交配し、生まれた子猫にヒマラヤンやエキゾチックショートヘアといったペルシャの遺伝子を持つ猫種を掛け合わせ、1996年ミヌエットが誕生しました。2001年TICAに予備登録されますが、その後スミス氏は思うように育種が進まず繁殖をあきらめてしまいます。しかし世界中のミヌエットブリーダーたちがスミス氏の意思を引継いで猫種の固定化に向けた研究と繁殖を進めました。2012年ようやく登録が認められ、キャットショーへの参加もできるようになりました。
当初は、フランスの英雄の名にちなんで「ナポレオン」と呼ばれていましたが、フランスの英雄の名を猫に付けることは不敬だと考える人々がいたため、2015年に名称変更となりました。
ミニチュアブルテリア【Miniature Bull Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
11kg~15kg |
体高 |
25cm~35cm |
グルーブ |
3G |
特徴
ブルテリアを小型化した犬種で、サイズ以外の犬種標準は同じです。体はがっしりとしていて筋肉も逞しく、よく均整がとれています。立ち耳で、ストップ(両目の間のくぼみ)がほとんど見られず、のっぺりとした大きな顔に小さな目が特徴的です。被毛は短く滑らかで光沢があります。
性格
活動的で遊び好きです。飼い主や家族に対しては愛情深く強い忠誠心を示しますが、警戒心が強いため、他の人や犬に対しては敵意を見せることもあります。また、マイペースで頑固な一面もあります。
毛色
毛色は豊富で、ホワイト、ブラック、ブリンドル(地色に他の色の毛がまんべんなく混じったもの)、レッド、フォーン、トライカラーなどがあります。目にパンチを受けたような斑のある「アイパンチ」という毛色が大変人気です。
育て方
活動的な犬種なので毎日朝晩30分程度の散歩は必須です。時にはドッグランで思い切り走らせてあげると良いでしょう。
闘犬気質から知らない人や動物に攻撃的になり、相手に思わぬケガを負わせてしまう恐れがあります。子犬の頃からしっかりとトレーニングを行い、リーダーは飼い主であることを覚えさせ、コントロールできるようにしておくことが重要です。
被毛は短くアンダーコートが少ないので、週2回程度のブラッシングで大丈夫です。肌への負担が少ないラバーブラシを使うとよいでしょう。また、短毛のため寒さや乾燥に弱い傾向があるので、特に冬場の温度や湿度には注意が必要です。
気をつけたい病気
遺伝性疾患が多い犬種と言われています。日頃から健康に注意し、定期健診を受けるようにしてください。
水晶体脱臼にかかりやすく、放置すれば最悪失明してしまいます。定期的に眼病検査を受けましょう。
白いブルテリアは聴覚障害を起こしやすいと言われています。聴覚障害だと犬が命令を上手く聞けないなど、しつけがしづらい傾向にあります。
歴史
ミニチュアブルテリアは、ブルテリアを小型化した犬種です。ブルテリアは、イギリスで闘犬による牛いじめ(ブル・ベイティング)や熊いじめ(ベア・ベイティング)がさかんだった1700年代中頃に、ブルドッグとテリアの交配により作出されました。その中で小さい個体をミニチュアブルテリアと呼んでいました。
1835年にこれらの見世物を含めた闘犬が禁止され、ブルテリアは番犬や家庭犬としての資質を持つように改良されていきます。特に1860年頃にダルメシアンを掛け合わせて生まれたホワイトカラーのブルテリアは「白い騎士」と呼ばれて大人気となりました。その後、ミニチュアブルテリアにも白い毛色を持った個体が現れ、少しずつ人気が上昇して行きます。1939年にイギリスケネルクラブによってブルテリアと別の犬種として登録されることになりました。
現在は「ミニブル」の愛称で親しまれ、家庭犬としてよりドッグショーなどで注目を集めて、人気が高まっています。
ブルテリア【Bull Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
20㎏前後 |
体高 |
50cm前後 |
グルーブ |
3G |
特徴
体はがっしりとしていて筋肉も逞しく、よく均整がとれています。立ち耳で、ストップ(両目の間のくぼみ)がほとんど見られず、のっぺりとした大きな顔に小さな目が特徴的です。被毛は短く滑らかで光沢があります。
性格
活動的で遊び好きです。飼い主や家族に対しては愛情深く強い忠誠心を示しますが、警戒心が強いため、他の人や犬に対しては敵意を見せることもあります。また、独立心が強く頑固な一面もあります。
毛色
毛色は豊富です。多く見られる毛色は、ホワイト、ブリンドル(地色に他の色の毛がまんべんなく混じったもの)、ブリンドル&ホワイト、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイトなどです。
育て方
活動的な犬種なので毎日朝晩30分程度の散歩は必須です。時にはドッグランで思い切り走らせてあげると良いでしょう。
闘犬気質から知らない人や動物に攻撃的になり、相手に思わぬケガを負わせてしまう恐れがあります。猫や小動物と一緒に飼うのは、難しいと考えたほうがよいでしょう。また、子犬の頃からしっかりとトレーニングを行い、リーダーは飼い主であることを覚えさせ、コントロールできるようにしておくことが重要です。
被毛は短くアンダーコートが少ないので、週2回程度のブラッシングで大丈夫です。肌への負担が少ないラバーブラシを使うとよいでしょう。また、短毛のため寒さや乾燥に弱い傾向があるので、特に冬場の温度や湿度には注意が必要です。
気をつけたい病気
遺伝性疾患が多い犬種と言われています。日頃から健康に注意し、定期健診を受けるようにしてください。
水晶体脱臼にかかりやすく、放置すれば最悪失明してしまいます。定期的に眼病検査を受けましょう。特に4~5歳頃に症状が出やすいので、気を付けて目のチェックをしてあげてください。
白いブルテリアは聴覚障害を起こしやすいと言われています。聴覚障害だと犬が命令を上手く聞けないなど、しつけがしづらい傾向にあります。
他に肝硬変、心臓病、皮膚炎などにも注意が必要です。
歴史
イギリスで闘犬による牛いじめ(ブル・ベイティング)や熊いじめ(ベア・ベイティング)がさかんだった1700年代中頃に、ブルドッグとテリアの交配により作出されました。作出された当初はブル・アンド・テリアと呼ばれていました。1835年にこれらの見世物を含めた闘犬が禁止され、番犬や家庭犬としての資質を持つように改良されていきます。特に1860年頃にダルメシアンを掛け合わせて生まれたホワイトカラーのブルテリアは「白い騎士」と呼ばれて大人気となりました。その後、卵型の頭や尖った鼻先など、この犬種特有の外観が標準化され、1936年にアメリカケンネルクラブで正式犬種として認定されました。
現在でもアメリカやイギリスを中心に人気の犬種で、映画や広告に頻繁に登場しています。日本でも1993年に放映されたブルテリアが活躍するアニメ「平成イヌ物語バウ」により、一気に知名度が上がりました。
バーマン【Birman】
原産国 |
ビルマ(ミャンマー) |
公認団体 |
CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF |
毛種 |
長毛種 |
特徴
中型よりやや大きく、体型はロング&サブスタンシャルタイプで堂々としています。鼻筋が高いローマン・ノーズ(ローマ人の鼻)とサファイアのような濃いブルーの目が印象的です。被毛はセミロングでサラサラしています。最も特徴的なのは白い毛で被われている四肢の先で、前脚はグローブ、後ろ脚はレースと呼ばれています。声が低いという特徴も持っています。
性格
優しく穏やかな性格で安定しています。飼い主に忠実で献身的、甘えん坊なので家族から長い間離れることを好みません。他の猫や犬とも上手に接します。辛抱強い面もあるので子どもとも大変上手に付き合うことが出来ます。
毛色
色はシールブラウン、ブルーソリッド、シルバー、ライラック、チョコレート、クリーム、トーティなど多数が認められています。すべての毛色でポイントを持ちます。
育て方
飼い主や家族とのコミュニケーションを楽しみ、一緒に遊ぶことが大好きなので、おもちゃを使って一緒に遊んであげてください。明るく活発ですが成猫になると落ち着いてきます。
肥満になりやすい傾向があるので、年齢に合わせた食事管理が必要です。
セミロングですが、毛は絡まりにくく抜け毛も少ない方なので、お手入れはそれほど大変ではありません。週に2?3回はコーミングやブラッシングを行ってあげましょう。
気をつけたい病気
股関節形成不全症は、股関節の形が先天的に異常な状態をいい、生後半年頃から歩行時に腰が左右にゆれたり、後足をうまく折りたためないような症状が見られるようになります。
白内障は、水晶体が何らかの原因で白く濁ってしまう病気です。遺伝性のものはあまりなく、殆どが外傷や眼内の炎症などにより発症します。
肥大型心筋症は、心臓の筋肉が内側に向かって厚くなり、心室が狭くなることにより体に十分な血液を送ることが出来なくなる病気です。基本的には完治しない病気ですが、病気が進行しないようにお薬を使っていい状態を維持していくことになります。定期的な検査を行って、心臓の状態をチェックすることが大切です。
尿路結石症は、腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに結石ができる病気です。頻繁にトイレへ行くのに少ししか出ないなどの様子が見られたら獣医師に診てもらってください。
慢性腎不全は腎臓の機能が徐々に低下し、機能不全に陥った状態のことです。中年齢から高年齢の猫に多い病気で、おもな初期症状は多飲多尿です。急性腎不全と違い徐々に進行していく病気で、一度発症すれば治ることはありません。治療は、その進行をできるだけ抑え、症状を緩和することが目的となります。
歴史
現在のミャンマーであるビルマ原産とされていますが、詳しいことはわかっていません。1920年頃にオスとメスのバーマン2頭がビルマからフランスに輸出され初めて欧米に渡りました。2頭うち、オスは輸送中に死亡してしまいましたが、メスは妊娠しており、フランスで1匹のバーマンを出産します。このメスと子猫が、最初の繁殖の基礎となったとされています。1926年にパリで開催されたキャットショーに登場、大変な人気を集めてフランスで1つの猫種として根付き、その後ヨーロッパ各地へ広がっていきました。
ミャンマーには、バーマンの基礎となった猫の神秘的な伝説が残っており、「ビルマの聖猫」と呼ばれています。
狆【Chin】
原産国 |
日本 |
体重 |
3kg前後 |
体高 |
25cm前後 |
グルーブ |
9G |
特徴
マズルがきわめて短く、独特の表情をしています。スクエアな体型に短い足、前方に垂れた耳、フサフサした羽のような尻尾が特徴です。絹のようにしなやかでツヤのある豊かな被毛に覆われ、優美で気品に富んだ容姿をしています。
性格
おとなしく愛らしい性格で、飼い主に対しても愛情深く甘えん坊です。賢く社会性や協調性があるので誰とでも仲良くできます。高いところに登り見下ろすことが好きなほか、顔を洗うような仕草をするなど、猫のような性質を持っています。
毛色
毛色は白をベースに黒か赤の斑が入ります。顔の斑は、目の周囲から耳全体にかけて左右対称にあるのが好ましいとされています。
育て方
小型犬なので、散歩は1日20~30分程度で十分です。飼い主と遊ぶのが大好きなので室内での遊びを取り入れると良いでしょう。
人懐こく従順な性格ですが、プライドが高い面もあるので、しつけは根気よく教えていくことが大切です。
被毛は、抜け毛が少ないので週に2,3回のブラッシングで大丈夫です。長くきめ細かい絹糸状なので、丁寧に行うようにください。
温度変化に弱い犬種なので、冷暖房などを使って快適な室温に調節してあげてください。
気をつけたい病気
小型犬に多くみられる肘・膝の脱臼、股関節形成不全のほか、乾性角結膜炎、眼瞼内反症、白内障などの目の病気、僧帽弁閉鎖不全などの心臓の病気にかかりやすいと言われています。多くは遺伝性疾患なので、あらかじめ検査によりチェックすることができます。
歴史
祖先犬はチベタンマスティフであろうと考えられています。日本に入ってきた時期については、奈良時代の西暦730年に新羅(現在の韓国)から聖武天皇へ献上され、その後遣唐使によって中国からも入って来たという説など諸説あり、はっきりしたことはわかっていません。江戸時代には、生類憐みの令で名高い徳川五代将軍綱吉によって愛玩犬として飼育され、その生活が贅沢三昧だったことから「座敷犬」という言葉が生まれたと言われています。
1853年にペリー提督がアメリカに持ち帰り、当時のフランクリン大統領やペリーの娘など上流階級の愛犬として飼育されました。また、フランクリン大統領からイギリスのビクトリア女王に献上されたという記録が残っていることから、イギリスにもこの時代に上陸したと考えられています。
日本では、第二次世界大戦などにより固有種が激減してしまったため、イギリス人やフランス人によって改良された狆を逆輸入し、交配を加えて改良され現在に至ります。明治以降、上流社会の女性の抱き犬として愛され続けて、改良国産犬種として日本で最初の世界公認犬種となりました。
犬名の由来は、「ちいさいいぬ」という言葉が省略されたものと言われています。海外ではジャパニーズチンと呼ばれています。
ウェルシュテリア【Welsh Terrier】
原産国 |
イギリス (ウェールズ) |
体重 |
9㎏~9.5kg |
体高 |
39cm以下 |
グルーブ |
3G |
特徴
体型は体高と体長がほぼ同じスクエア型で、ガッチリとした筋肉質の体つきをしています。被毛は硬くゴワゴワした巻き毛で、小さくV字型の耳は、途中で折れ曲がっているのが特徴的です。テリアの王様と呼ばれる エアデールテリアをそのまま小さくしたような見た目から「小さなエアデールテリア」と呼ばれることもあります。
性格
陽気で活発、従順な性格ですが、気が強くて勇敢、頑固で負けず嫌いというテリアらしい気質も持っています。家族には愛情深く接しますが、気位が高いため怒って反抗的になることがあります。他の人や動物には警戒心を抱き、気に入らない相手には攻撃的な態度を見せることもあります。
毛色
毛色はブラック&タン、もしくは黒に灰色や赤系の色が混ざっているブラックグリズル&タンのいずれかです。
育て方
小型犬の割に多くの運動量が必要なので、散歩は毎日1回30分以上を2回行ってください。運動不足になるとストレスで気分が荒れて扱いにくくなることがあります。また、子犬の頃から他の犬にあいさつをさせ、一緒に遊ぶことで社会性を身につけさせると良いでしょう。
しつけは難しく、叱られると反抗的になったり飼い主を無視する行動にでることがあります。まず、頑固なテリア気質を理解し、毅然とした態度で対応することが大切です。ほめながら時間をかけて根気よくしつけをすると良いでしょう。
被毛は硬く、抜け毛の少ないダブルコートです。家庭用として普通に飼うのであれば、毎日のブラッシング、定期的なシャンプー&カットで大丈夫ですが、本来の硬い毛質を維持するのであれば、ブラッキングと呼ばれるトリミングが必要になります。専門の技術のあるトリマーにお願いすると良いでしょう。
日本の高温多湿は苦手なので、夏場は温度管理が必要になります。
気をつけたい病気
丈夫で健康的な犬種で、遺伝性の疾患が大変少ないと言われています。起こりやすい遺伝病としては、 股関節形成不全、大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス病)などが知られています。また、緑内障や脂漏性皮膚炎、外耳炎などが時々見られることがあります。
歴史
13世紀から存在していたという説があるほど歴史のある犬種ですが、17世紀以前の記録が残っていないため、はっきりしたことはわかっていません。ウェールズ地方原産のブラック・アンド・タン・テリアが祖先犬と考えられており、カワウソやキツネ、アナグマなど小獣猟犬として人間とともに生き、活躍をしてきました。当時は、ブラック・アンド・タン・ワイヤーヘアード・テリアという名前で呼ばれていましたが、同時期に北イングランドでオールド・イングリッシュ・ブロークンヘアード・テリアという、姿も名前もとてもよく似た犬種が作出されており、それぞれがショーに出場するようになると、ほぼ同じ犬種のように見える2種類の犬にショーの審査員が混乱するということが起こりました。そこでこの2種類の犬をその起源の違いに関係なく単一の犬種に統括しようという流れになり、1886年にウェルシュテリアという名前を与えられて、イギリスケネルクラブで犬種として登録されました。その後ブリーダーたちがワイアー・フォックス・テリアとの交配を行い、現在の姿を作り上げ、家庭犬としても、猟犬としても愛される犬種にまでたどり着きました。