秋田犬【Akita Inu】
原産国 |
日本 |
体重 |
35kg~50kg |
体高 |
牡64~70cm、牝58~64cm |
グルーブ |
5G |
特徴
たくましく太い首、がっしりとした骨格で、均整のとれた体型をしています。尾は付け根の位置が高く、太く力強く背の上に巻いていて特徴的です。素朴さを感じさせる一方で重厚感のある外貌は品位と威厳を感じさせます。被毛はダブルコートで、上毛は硬くまっすぐで、下毛は柔らかく密生しています。
性格
知的で温和な性格です。飼い主には忠誠心が厚く、家族にも愛情深く接します。しかし、警戒心と自立心が強いため、他の人や犬に対しては攻撃性が強く、威圧的な態度をとることがあります。とても我慢強く、頑固な一面もあります。
毛色
被毛の色は、赤、虎(縞目)、白、胡麻で、白以外の3色は「裏白」でなければなりません。裏白とは、顎の下側から首の下側、胸や腹、四肢、尾の裏側の毛が白に近い淡い色であることを指します。
育て方
タフでスタミナがあるので、ストレスを溜めないためにも散歩は必須です。1日に1時間程度を2回が目安で、時にはドッグランなどでエネルギーを発散させてあげるのも良いましょう。暑さは苦手なので、夏は涼しい時間帯に行ってください。
体が大きいので、噛み癖などで他人や他犬にケガをさせてしまうことがあります。子犬の頃から、信頼関係を築きながらしっかりとしつけを行ってください。特に、噛み癖、吠え癖、トイレトレーニングのしつけが大切です。
被毛はダブルコートで年に2回換毛期があります。毎日コームやブラシを使ってブラッシングしましょう。
気をつけたい病気
遺伝的に皮膚が弱く、皮膚病のリスクが高い犬種です。症状が悪化すると思わぬ感染症を引き起こしてしまうこともあります。
大型犬に起こりやすい骨や関節の疾患にも注意が必要です。特に、股関節形成不全は1歳未満から発症するため、定期的に健診を受けることも大切です。
臍(さい)ヘルニアは“でべそ”のことで、遺伝的になりやすい個体が多いとされています。飼い主にもおなか周辺を触らせない時や、ぐったりして元気がない様子の時はこの病気を疑い、早めに動物病院で診断を受けましょう
他に眼瞼内反症、甲状腺機能低下症などがかかりやすい病気とされています。
歴史
起源は、秋田県大館地方に存在した猟師の犬・マタギ犬と考えられています。当時は大館犬(おおだていぬ)と呼ばれていました。秋田藩主佐竹氏が闘犬好きであったため、クマを相手に戦う闘犬としても用いられてきました。
明治に入り、大型犬の土佐犬とも渡り合える体格を作るため、土佐犬、外来のマスティフやグレートデンなどと交配されるようになり大型化しました。そのため、血統が失われただけではなく、大舘犬の特徴だった立耳や巻尾などを失ってしまいました。
明治41年(1908)、秋田県内における闘犬が禁止されたことを機に頭数が激減、大正期には絶滅の危機に瀕します。しかし、その後保存運動が起こり、明治6年、天然記念物として認定され、秋田犬と呼ばれるようになりました。
昭和に入ると大戦のために、またもや絶滅の危機に陥りますが、戦後有志によって復興と改良が計られました。またアメリカ帰還兵が多くの秋田犬を母国に連れ帰り、それが現在のアメリカン・アキタのルーツとなりました。
現在、諸外国でも日本を代表する犬種の一つとして公認されています。「忠犬ハチ公」はハリウッド映画にもなり世界一有名な秋田犬です。プーチン大統領やフィギュアスケートのザギトワ選手の愛犬としても知られています。
ブルドッグ【Bulldog】
原産国 |
イギリス |
体重 |
25kg前後 |
体高 |
33cm~41cm |
グルーブ |
2G |
特徴
胴体は分厚くて重々しく、逞しさを感じます。大きな頭の短頭種で、顔には特徴的なシワがあり、下顎から胸まではデューラップと呼ばれる大きな皮膚のたるみが2本あります。がっしりとした肢は前から見ても4本全部見えることが望ましいとされています。被毛は短毛のスムースで、硬く肌に密生しています。
性格
冷静沈着で温和です。陽気で愛嬌もあり、逞しい体つきとのギャップが愛らしいです。飼い主に対しては愛情深く強い忠誠心があります。勇敢で物事に動じない強さがあるため、意思とそぐわない事に関しては、かたくな拒否する頑固な一面もあります。
毛色
毛色は、レッド・ブリンドルやその他のブリンドル、単色カラー(白、レッド、フォーン、ファローなど)、パイド(ホワイト&ブラック、ホワイト&レッドなど)があります。
育て方
肥満予防のためにも散歩は毎日30分~1時間程度行うと良いですが、暑さに弱いので夏場は深夜か早朝の涼しい時間帯に行うようにしてください。
頑固でしつけや訓練は入りにくいですが、性格は優しく温和なので、根気よくしつけるようにしましょう。
被毛は厚いですが短毛であるため手入れは楽です。頑固でしつけや訓練は入りにくい方なので根気よくしつけるようにしましょう。
短頭種なので健康面のケアは重要です。顔はしわの間に汚れがたまらないように、毎日こまめにふき取ってあげましょう。
気をつけたい病気
皮膚が緩んでいるので皮膚病にかかりやすい傾向にあります。湿性皮膚炎やアトピー性皮膚炎のほか、子犬の場合は毛包虫症という病気にかかりやすいといわれています。また、股関節に異常が見られる股関節形成不全や、生まれつき鼻腔が狭いことで呼吸が苦しくなってしまう鼻腔狭窄症などの呼吸器障害にもかかりやすいので注意が必要です。
ブルドッグの寿命は比較的短く8?10年程といわれています。長生きできるように日頃から体調に気をつけ、普段と違う様子があったら獣医師にすぐに相談するようにしてください。
歴史
13世紀から19世紀のイギリスにおいて、貴族や庶民の娯楽として雄牛(ブル)と戦わせるブルベイティングと呼ばれる見世物が人気でした。ブルドッグはこのブルベイティングのためにマスティフ系の犬種を改良して生み出された犬だと言われています。
1835年、動物愛護の観点からイギリス国内でブルベイティングが禁止となったため存在理由がなくなり、一時は人気が衰えましたが、一部の愛好家の手により、時代に合った犬へと改良が始まりました。闘争心や攻撃性を抑えることに重点を置いて徐々に改良が進められた結果、温和で穏やかな犬として生まれ変わり、家庭犬として広く飼育されるようになりました。
現在では、勇気と不屈の精神の象徴としてイギリス国犬に指定され、イギリス海軍のマスコットにもなっています。またアメリカでもニューヨーク州のレスキューのシンボルマークに使われています。日本では、大正末期からソースのシンボルマークに使われいますが、ソース発祥の地イギリスで家庭犬として人気だったことから採用されたそうです。
フレンチブルドックは、フランスが原産で、小型のブルドックを品種改良して誕生した犬種ですが、このフレンチブルドックと区別するために、ブルドッグを「イングリッシュブルドック」と呼ぶことがあります。
シベリアンハスキー【Siberian Husky】
原産国 |
ロシア |
体重 |
21kg~28kg |
体高 |
54cm~60cm |
グルーブ |
5G |
特徴
独特な顔の模様とオオカミのような精悍な顔立ちが印象的です。調和のとれた体は骨格も筋肉もがっしりとしており、ほどよく引き締まっています。極寒にも耐え抜く体質をもっており、豊富で厚い下毛を持つダブルコート、立ち耳とブラシのような尾が特徴的です。
性格
従順で勇気があり、人にも他犬にも友好的で社会性も高いので集団飼育に向いています。 明るく前向きで好奇心旺盛ですが、慎重で控えめな一面も見られます。また、独立心が強く頑固な場合もあります。
毛色
黒、黒青色、茶褐色、白など、さまざまな色があります。どの色も腹部だけは白い個体が多く、顔には他犬種には見られない独特な斑があります。
育て方
非常に体力があり運動量が必要な犬種です。朝晩合わせて1?2時間の散歩は必須、歩くだけでなく自転車で並走したりジョギングしたりするのも良いでしょう。運動不足でストレスがたまると問題行動を起こす原因となります。長時間の留守番も苦手です。
楽天的で大雑把な性格なので、知能は高くてもしつけには時間のかかる犬種です。子犬の頃から根気よく、きちんとしつけてあげてください。まず飼い主をリーダーと認めさせることが大切です。とても優秀ですが初心者には難しい犬種です。
被毛は、抜け毛の量が多めで、換毛期はさらに増えるので、ブラッシングは毎日しっかり行いましょう。
家族と一緒にいたい犬なので室内飼いがお勧めですが、暑さに弱いので室内の温度管理には気を付けてください。
気をつけたい病気
重篤な遺伝病は比較的少ない犬種とされています。
白内障、緑内障、進行性網膜萎縮症などの眼病が発生しやすいと言われています。
アトピー性皮膚炎、脂漏症などの皮膚疾患も多く、厚い被毛が日本の高温多湿の気候に合わないためではないかと考えられています。皮膚のバリア機能を保つために、ブラッシングをこまめに行うほか定期的なシャンプーも必要です。
また、食後にすぐに運動すると、胃が捻転を起こして命に危険が及ぶことがあります。予防のため食後2時間くらいは安静に過ごすようにしてください。胃捻転かもしれないと思ったら緊急で病院に行く必要があります。日頃から病気の初期症状などをよく学んでおくことも大切です。
歴史
起源については、詳しいことはわかっていませんが、アラスカンマラミュートやサモエドとも近縁関係がある、非常に歴史の古い犬種だと言われています。シベリア北東部のコリマ川流域を中心とした地方に住むチュクチ族に飼われ、そりやボートを引くほか狩猟の助手として活躍していたようです。
1900年代初頭、アメリカの探検家ピアリーによる北極点探検やノルウェーのアムンゼンによる南極探検などに使われ、注目を集めました。1925年、アラスカの村でジフテリアが大流行した際、人々を救うためハスキーの犬ぞりが、命がけで500km以上の距離を走り抜き血清と薬を届けました。この出来事を機に世界中にその名が知られ、世界的英雄として人気者となりました。
日本ではバブル景気の頃、少女漫画「動物のお医者さん」をきっかけにハスキー犬ブームが起こり、一般家庭での飼育頭数が急増しました。しかし、運動量が非常に多く必要とすることや抜け毛が多くて手入れが大変なことなどの理由から、飼いきれず飼育放棄が相次ぐという残念な事態になってしまいました。その後ブームは過ぎ去りましたが、今でも北極系の犬種の中で最も人気の高い犬種の一つになっています。
セントバーナード【St. Bernard】
原産国 |
スイス |
体重 |
50kg~91kg |
体高 |
65㎝~90㎝ |
グルーブ |
2G |
特徴
全犬種の中で最重量の部類に属する犬種です。バランスが損なわれない限りサイズは大きいものが望ましいとされており、体重は100kgを越えることもあります。筋肉質ながっしりとした体型、大きめの垂れ耳、太くて長い尾が特徴的です。被毛は厚いダブルコートで、硬い短毛が密集して生えているスムースタイプと直毛またはウェーブがかったほどよい長さのロングタイプの2種類があります。
性格
穏やかで落ち着いた性格で、飼い主には従順で甘えん坊です。我慢強いので、子どもとも安心して遊ばせることができます。しかし自分で判断して行動できる知能の高さがあるため、頑固で融通が利かない一面もあります。
毛色
毛色は、白地に赤みのある茶色の斑またはブランケットが胴体や顔に入っています。黄色よりの茶色の斑も認められており、斑は平均して散らばっていることが望ましいとされています。
育て方
性格的には飼いやすい犬種ですが、大変大きな犬なので、家の広さや車の大きさなどは飼う時の条件となります。また、力が強くて散歩中も気を抜けないため、飼い主に大型犬を制御できる体力と技術も必要となります。
運動不足になると肥満が心配なので、1日1時間以上の散歩以外にも、足腰に注意しながらドッグランなどで沢山運動させてあげてください。
ダブルコートで下毛が厚いため、できれば毎日ブラッシングをしてください。特に夏場は、下毛はなるべく取って通気性を確保すると良いでしょう。よだれは、一年を通して沢山垂れ流すので、喉から前胸にかけてこまめに拭いてください。必要に応じてよだれかけを付けるのも良いでしょう。
気をつけたい病気
大型犬は小型犬に比べると寿命が短い傾向にありますが、その中でもセントバーナードは短命な傾向があり、寿命は8~10年と言われています。その上、遺伝性の病気にかかりやすく、予防ができないため早期に発見し治療することが重要になってきます。どういう病気にかりやすいのかを事前に把握しておき、定期健診は必ず受けるようにしてください。
股関節形成不全は、多くの場合遺伝によるものなので、親犬がかかったことがないかを事前に確認しておくことが大切です。
拡張型心筋症は、原因がわかっていないため発症を予防するのは難しいですが、早期に発見できれば進行を遅らせることができます。
前十字靭帯断裂は、膝関節を構成する前十字靭帯が部分的もしくは完全に切れてしまった状態のことです。予防のためには適正体重を超えないよう管理することが大切です。
歴史
起源は、はっきりとわかっていませんが、祖先はローマ帝国がスイス侵攻の際に連れてきた軍用犬であるモロシア犬であると言われています。当初は番犬や使役犬として働いていましたが、寒さに強く忍耐力もあり飼い主に従順なことから、寒冷地での山岳救助を担うようになりました。17世中頃からスイス・アルプスにある聖ベルナール僧院で雪中遭難救助犬として活躍、3世紀に渡って約2500人もの命を救ったと伝えられています。中でもバリーと呼ばれる犬は生涯にわたって40人もの命を救いました。その栄誉を称えられ、一時セントバーナードのことをバリー・ハウンドと呼び、死後バリーの?製はスイスの博物館に収められました。1887年に国際畜犬会議で正式にスイスの犬種として公認されて以来、スイスの国犬です。現在は、家庭犬、番犬としても世界中で飼育されています。
日本では「アルプスの少女ハイジ」に登場する犬がセントバーナードであったことから人気となりました。東京消防庁の特別救助隊や消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)では、救助犬として活躍したセントバーナードが描かれたワッペンを車両と隊員の肩に付けています。
名前は、聖ベルナールを英語読みしたものです。
ボクサー【Boxer】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
30kg前後 |
体高 |
57cm~63cm |
グルーブ |
2G |
特徴
スクエアな体型で、たくましい骨格とよく引き締まった筋肉を持っています。顔はブルフェイスで、くぼんだ鼻が特徴的です。歯のかみ合わせは下の切り歯が上の切り歯より前方に出ているアンダーショットです。被毛は短く光沢があって、滑らかに体に密着しています。がっちりとしていて筋肉質な体つきのドイツタイプと、見た目がスマートなアメリカタイプの2種類があり、現在日本で繁殖されているのは約8割がアメリカタイプです。
性格
大胆で活発ですが、落ち着いた行動をとります。人間をよく観察しているので、人間の行動に合わせて動くことができます。飼い主に対しては愛情深くとても忠実で、家の中では甘えてくることもありますが、見知らぬ人や他の犬には気を許さず警戒心を見せます。利口なので訓練性能は高いですが、繊細で神経質な一面もあるため、しつけにはコツがいります。
毛色
毛色はフォーンまたはブリンドルで、白のブレーズの入っていることが好ましいとされています。ブリンドルは肋骨の方向に流れるような黒のストライプを持つタイプで、顔のブラックマスクは必須です。フォーンは子鹿の毛のような明るいブラウンのタイプで、様々な色合いが見られます。
体の3分の1以上に白い斑がある子犬が一定の割合で産まれてきますが、聴力に障害があることが多いため、従来は体の3分の1までとされていました。しかし近年は繁殖に使わないことを条件に、その存在が認められています。
育て方
十分な運動を必要とし、遊ぶことも大好きなので毎日1時間の散歩は必須です。ドッグランなどで十分に遊ばせてあげるもの良いでしょう。但し、暑さが苦手なので夏場はできるだけ朝晩を選んで行ってください。
しつけがすごく重要な犬種で、信頼関係ができていないと気が強く攻撃的な面が目立つ犬になってしまいます。子犬の時から愛情を持ってしつけや訓練をしっかりと行い、外では決して目を離さず、いつでも命令ができる状態でいることが大切です。
被毛は短毛なので、お手入れは比較的簡単ですが、高温多湿に弱いので皮膚は清潔に保つようにしましょう。
気をつけたい病気
拡張型心筋症の発生率が高いことで知られており、ボクサー心筋症と呼ばれることもあります。この心臓病は遺伝性のもので、特にオスに発症することが多いようです。発症すると投薬や運動制限などが必要となります。
他にクッシング症候群、皮膚疾患、短頭種であるため軟口蓋過長症なども発症しやすいと言われています。
歴史
比較的新しい犬種で、祖先犬は広くヨーロッパ大陸で熊、猪、鹿狩りに用いられていたベルギーのブラバン地方の土着犬ブレンバイサー・ブラバンソンと言われています。19世紀末にマスティフやブルドッグと交配して作り出されました。作出の目的は雄牛と闘わせるためでしたが、使われた期間はさして長くなかったようです。闘う時に前脚を高く上げる姿が拳闘のボクサーに似ていることからこの名前が付いたと言われています。1895年ドッグショーに初めて出品されました。闘犬に多く見られるような粗野なところがなく、スマートで人間の社会にも適応しやすいことから1920年頃より人気の犬種となりました。現在でも警察犬、警備犬、軍用犬、家庭犬として世界で愛され続けています。
日本に初めて入ったのは昭和の始めで、ドイツから輸入されました。戦後は占領軍であったアメリカ軍が帯同していたことにより知名度が高くなり、その後日本でも警察犬として採用されるようになりました。
ドーベルマン【Doberman】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
牡40kg~45kg、牝32㎏~35kg |
体高 |
牡68㎝~72cm、牝63㎝~68cm |
グルーブ |
2G |
特徴
筋肉質で逞しい体つきをしており、犬のサラブレッドとも呼ばれています。くさび形の頭部や直線的な口吻のラインが特徴的です。とがった耳と短いしっぽは、子犬の時の断耳・断尾によるものですが、近年は家庭犬として飼われることが増えているため断耳・断尾を行わない習慣が広がっています。被毛は硬くてまっすぐな短毛で密集しています。頭をあげて遠くを見る姿はきりりとして勇壮です。
性格
容姿や雰囲気から怖い印象を持たれがちですが、実際は優しく穏やかな気質を持っており、飼い主や家族への愛情や忠誠心はとても強い犬種です。しかし、見知らぬ人に対しては警戒心を見せます。学習能力が高く訓練による制御がしやすい犬なので、護衛犬や警察犬などでも大活躍しています。
毛色
公認の毛色はブラックまたはブラウンで、定位置にラスト・レッド(赤褐色)の斑が入ります。斑の入らないブルーや、イザベラ(薄い栗色)は好ましくないとされています。
育て方
筋肉質で逞しいので、かなりの運動量が必要です。散歩は毎日1時間以上を2回、それ以外にドッグランなど自由に走り回れる場所でたっぷりと運動をさせてください。運動不足によるストレスで、破壊行動などの問題行動を起こすことがないよう注意しましょう。
繊細で警戒心が強く、他の人や犬に襲い掛かってしまうことがあるので、子犬の時からのしっかりとしたしつけが重要です。いざという時に制御できるよう主従関係をきちんと築いておきましょう。
被毛はシングルコートで、換毛期でも抜け毛は少ない方なので、お手入れは比較的簡単です。定期的にブラッシングしてあげてください。
気をつけたい病気
大型犬なので、かかりやすい疾患が多い傾向にあります。
胃捻転を起こしやすいので、食事を与える際に少量ずつに分けるなどの工夫が大切です。
拡張型心筋症は、発症の原因がわかっておらず、有効な予防法もありません。早期の発見が重要になるので定期的な健康診断や心臓の検査を行うようにしましょう。
股関節形成不全は成長期によく見られると言われています。遺伝が一つの原因となっているので、親犬の情報を事前に確認しておくことも大切です。
ウォブラー症候群は、しっぽに近い頸椎や椎間板に障害が起こることで中を走る脊髄が圧迫されてしまう進行性の病気です。この病気の詳しい原因はわかっていないのですが、遺伝が関与していることが多く有効な予防法はありません。ただ、幼少期に過度な運動をさせない、成長期に必要な栄養素をしっかり与えることが予防につながるとされています。
歴史
1800年代後半、ドイツで税金を徴収する仕事をしていたフリードリヒ・ルイス・ドーベルマン氏によって作出されました。ドーベルマン氏は犬の繁殖も行っており、仕事で現金を持ち歩く時の護衛を目的に作出されたのが始まりです。ジャーマン・ピンシャーを基礎に、マンチェスター・テリア、ジャーマン・シェパード、ロットワイラーなどを交配して作られました。1876年にドッグショーに登場して以来、美しい外見と知性の高さから大人気となり、1900年にはドイツのケネルクラブに公認されました。その後は警察犬、護衛犬、軍用犬として世界中で活躍、家庭犬としても安定的な人気を保っています。
日本へは1930年代に軍用犬としてやって来ました。日本警察犬協会によって指定されている警察犬7種のうちの1つです。
イタリアングレーハウンド【Italian Greyhound】
原産国 |
イタリア |
体重 |
2.8㎏~5kg |
体高 |
32cm~38cm |
グルーブ |
10G |
特徴
グレーハウンドを小型化したスマートな容姿で、優雅な品位を備えています。歩様は高踏み(前肢を高く上げてから踏み下ろす歩き方)で、走る時は両手両足を揃えて飛ぶように走ります。耳はローズ耳で横に垂れる形が標準とされていますが、ずっと立ち耳の個体も多くいるようです。被毛は、滑らかで薄くボディに張り付いたような短毛のスムースヘアで、光沢があるのが特徴です。
性格
活発で遊ぶことが大好きです。穏やかで優しい性格なので、子供や他動物がいる家庭でも安心して飼うことができます。飼い主や家族には愛情深く接しますが、内気な面があるため知らない人に対しては距離を置くことがあります。鋭敏で神経質な一面があり、嫌なことがあった時などは攻撃的になるのではなく、逃走したり距離を置いたりして自分の身を守ります。
毛色
毛色はフォーン、レッド、グレー、ブルー、クリーム、ホワイト、ブラックなど豊富で、白いマーキングが入ることもあります。犬種標準では、タン(茶色のマーキング)やマールカラー(大理石のような模様)、ブリンドル(虎毛)は認められていません。まれですが成長とともに毛色が変わることがあります。
育て方
運動量が必要な犬種で、スレンダーな体型維持のためにも、毎日のお散歩は欠かせません。気候の良い時は積極的に散歩や運動に連れていくと良いでしょう。しかし、寒さに弱い犬種なので、寒い時期は散歩を控えて、室内でたっぷりと遊んであげるようにしてください。散歩の時は、頭が小さく首輪が抜けやすいのでハーネスを使うようにしてください。
賢さを備えているので、しつけは難しくありません。繊細で神経質な上、我慢強いのでストレスをため込みがちです。遊びや散歩など、愛情を持って接してあげることが大切です。
短毛で抜け毛が少ないので、お手入れは楽な方です。皮下脂肪が殆どなく、とても寒がりなので、季節に合わせた室温管理は必須です。冬の散歩の際は必ず洋服を着せてあげてください。
気をつけたい病気
かかりやすい病気で一番多いのが骨折です。四肢が長くて骨も細いため、転倒時や高い所から飛び降りた時、また抱っこされている飼い主の懐からの落下でも骨折してしまうことがあります。カルシウムをとる、日光浴をする、子犬の頃からしっかり運動をして骨を守る筋肉をつけるなど、日頃から予防を心掛けてください。
他に淡色被毛脱毛症、パターン脱毛症、網膜剥離、白内障・緑内障、てんかんなど、かかりやすいと言われています。
歴史
グレーハウンドを小型化した犬と考えられています。祖先のグレーハウンドは、紀元前数千年前からエジプトにいたことはすでに証明されていますが、古代エジプトのファラオの墓や紀元前のローマ遺跡からイタリアングレーハウンドによく似た犬が描かれた絵画や記録が存在していることから、イタリアングレーハウンドもほぼ同じ時代かそれより少しあとにエジプトで誕生したものと考えられています。
古代エジプトやギリシャやローマでは貴族たちのペットとして愛育されました。体型的には現在もこの頃とほとんど変化がなく、17世紀にイギリスでやや小型化されただけです。
紀元前5世紀頃にイタリアに伝わり、ルネッサンス時代には当時の名高い芸術家が手がけた貴族の肖像画にもしばしば登場しています。その後もヨーロッパ貴族の間で飼育されるようになり、イギリスのチャールズ1世やアン王女、ヴィクトリア女王、フリードリヒ2世などに愛されたといわれています。
現在でも愛玩犬として世界中で飼われています。日本ではイタグレの愛称で親しまれています。
スノーシュー【Snowshoe】
原産国 |
アメリカ |
公認団体 |
TICA ・ FIFe ・ GCCF |
毛種 |
短毛種 |
特徴
最大の特徴はその名の通り白い靴を履いたような手足をしていることですが、これは劣性遺伝によるものなので、すべての子猫に白い手足の模様が出現するわけではありません。顔の模様も特徴的で、口の周りが白く、目の周りはマスクをかぶったような模様になっています。体はセミフォーリンタイプで、筋肉が発達していて引き締まっています。頭は丸いタイプがほとんどですが、シャム猫を血統に持っている影響で逆三角形の形の頭をした子が生まれることがあります。
性格
明るく活発で、賢く学習もできるので、しつけはしやすい猫です。飼い主に対しては愛情深く甘えん坊なので、常にかまってもらいたがります。また寂しがり屋なので留守番は苦手です。大らかな性格で他猫とも仲良くできるので多頭飼いに向いています。
毛色
白い靴を履いたような手足の模様が特徴的ですが、生まれた時は全身が真っ白な毛で覆われていて数週間かけて徐々に色付きます。生後半年以内に模様が出現しなければ生涯現れないと考えられます。
毛色はライラック、ブルー、チョコレート、シール・ポイントなど幅広くありますが、明るめの毛色は白い四脚が強調されなくなるため、あまり一般的ではありません。
育て方
活発で運動神経も抜群なのでキャットタワーなどを設置して自由に動き回れるような工夫をしてあげてください。
短毛なので被毛の手入れは難しくありません。週に1回程度ブラッシングをしてあげましょう。
とても甘えん坊なので、おもちゃで遊んであげるなど出来るだけ一緒に過ごす時間を作ってあげてください。ストレスをためてしまうと反抗的になることもあります。
気をつけたい病気
ミックス種なので比較的病気にかかりにくい丈夫な猫種ですが、シャム猫が元になっているので同様の遺伝性疾患が起こることがあります。また歯周病になりやすい傾向があるので、定期的にお口の中のお手入れをすると良いでしょう。ほかに尿路結石、膀胱炎、腎臓病などに注意が必要です。ヘルニアにもなりやすいので、肥満にならないよう気を付け、しっかり運動させてあげることが大切です。
歴史
1960年代、米国ペンシルバニア州・フィラデルフィアでシャムの繁殖をしていたブリーダー、ドロシー・ドーハーティは、生まれたシャムの子猫の中に白い靴を履いたような手足の子猫を3頭見つけました。この毛色が気に入り、この子猫とアメリカンショートヘアを交配させ、育種を始め、祖先となる猫が誕生しました。ドーハーティは、地元のキャットショーなどにエントリーしてこの猫を紹介しましたが、シャムを交配させただけの猫だとなかなか認定をもらえず、結局品種の確立を諦めてしまいます。 その後、ヴィッキー・オランドーが交配を引き継ぎ、品種の確立に尽力、1980年代になりTICAに正式な猫種として認定されました。白い靴を履いたような手足の模様は劣性遺伝によって現れるものなので、同じような模様をもつ個体を増やすのは簡単なことではなく、猫種として定着するまでに20年もの歳月がかかりました。
シーズー【Shih Tzu】
原産国 |
中国 |
体重 |
4kg~7kg |
体高 |
20cm~28cm |
グルーブ |
9G |
特徴
大きな目と垂れ耳、鼻ペチャが特徴的です。咬み合わせはアンダーショット(下の切歯が上の切歯より前方に出ている)であることが好ましいとされています。被毛は美しいダブルコートで、全身が長い毛で覆われています。一生伸び続けるのが特徴でフルコート(あえて被毛を長く伸ばすこと)にしてシーズーならではのスタイルにすることもあります。
性格
明朗活発で陽気な性格です。人懐こくて甘え上手、他人や他犬にも友好的です。大人しく無駄吠えも少ないので初めて犬を飼う人に向いています。反面、プライドの高いところがあるので、自分の気に入らないことがあると吠えたり噛んだりすることがあります。
毛色
ゴールド、ブラック、ホワイト、シャンパンなどのソリッドカラー(単色)やゴールド&ホワイト、マホガニー&ホワイトなどのパーティー・カラー(2色)など、あらゆるカラーが公認されています。日本やアメリカではパーティーカラーが人気です。
育て方
太りやすいため毎日の運動は必須です。散歩は、1日に最低でも20分は行うようにしてください。かなり食欲旺盛なので甘やかさずに食事の量はきちんとコントロールしましょう。
幼い時のしつけによってその後の性格が変わるため、子犬の時から充分なしつけを行ってください。人間が大好きなので聞き分けは良いですが、頑固でプライドが高い面があるので、しかり方には注意が必要です。褒めて伸ばすようにすると良いでしょう。
被毛は、長毛のダブルコートのため、絡まりやすいので毎日のブラッシングが必要です。ブラッシングを怠るとすぐに毛玉になり、放置すると取り除くことが難しくなりカットするしかなくなります。特に、フルコートを目指して伸ばしている場合は念入りにブラッシングを行いましょう。被毛が長いため夏の暑さがとても苦手なので室温管理は大切です。室内温度は25度前後を常に保つようにしましょう。
気をつけたい病気
短頭種、長毛種、垂れ耳など、独特な特徴があるゆえにかかりやすい病気があります。鼻腔狭窄や脂漏性皮膚炎、外耳炎などには注意が必要です。
遺伝的に白内障になることが多く、発症すると目の中にある水晶体という部分が白く濁ることで視界が悪くなり、最悪失明します。早期発見ができれば、点眼や投薬治療を行い進行速度を遅らせることができます。
歴史
中国の王宮で数百年に渡り飼育されていたペキニーズと、チベット地方原産のラサ・アプソとを交配して作出されました。神の使者として神聖視されて、獅子狗(シー・ズー・クウ)と呼ばれていました。獅子は中国では神聖な動物で、長い頭部の髪がライオンに似ていたからではないかと言われています。
1930年にイギリス人の旅行者が中国から持ち帰ってヨーロッパに紹介されましたが、ラサ・アプソとの区別がはっきりしていなかったため、初めはケンネル・クラブでは同一犬種として扱われましたが、1934年に分離独立しました。
1969年アメリカン・ケンネル・クラブに第1号が登録され、日本には1963年頃に紹介されたとされています。
アメリカンカール【American Curl】
原産国 |
アメリカ |
公認団体 |
CFA ・ TICA ・ FIFe |
毛種 |
短毛種・長毛種 |
特徴
名前の由来にもなっている反り返った耳が特徴的です。生まれた時は皆まっすぐな耳で、生後1週間程度で後方にカールし始め、生後3~4カ月程度で滑らかなアーチを描いた反り耳になります。この耳は優性遺伝で、約50%の確率でカールしない耳の個体も生まれます。
体は筋肉質なセミフォーリンで、尾は長く頭部は丸みを帯びたくさび型です。大きな目はクルミ形でとても印象的です。被毛はロングコートとショートコートがありますが、どちらも豊かな毛量で、シルクのようになめらかな手触りです。
性格
とても賢くて好奇心が強く、元気で明るい性格です。家族に対する愛情が深いので、そばにいたがります。逆に、ひとりでいることがストレスになるので留守が多い家庭には向きません。人懐っこいので他人でも比較的スムーズに仲良くなれます。猫の中では珍しくテリトリー意識が低いため多頭飼いでもトラブルが少ない猫種です。
毛色
全ての毛色が存在し認められています。ブラウン、レッド、ホワイト、ブラックなどの色が人気です。
育て方
人懐っこく飼い主と遊ぶことが大好きなので、毎日少しの時間でも一緒におもちゃで遊んであげると良いでしょう。
外巻きの耳は軟骨が変形したものなので、耳掃除をする時など耳に触る際には、けがをしないように丁寧に行ってください。
被毛の手入れはロングコート・ショートコートどちらも比較的楽です。週に何度かしっかりブラッシングもしくはコーミングをしてあげましょう。
気をつけたい病気
純血種の中では、病気が少なく丈夫だといわれています。
毛量が豊富なため、換毛期やブラッシング不足の時などにグルーミングで飲み込んだ毛量が多くなってしまうと、毛球症になることがあります。日頃から定期的にブラッシングやシャンプーなどでケアしてあげてください。
耳の形が特徴的なので外耳炎になりやすい傾向があります。自分で耳を引っ掻いたり耳掃除をしすぎたりすることが原因になる場合があります。耳垢の色がおかしいとか耳から変なニオイがするなどの変化があった時はかかりつけ医に相談してください。
歴史
猫の品種の中ではもっとも歴史が浅く、1981年6月カリフォルニア州レイクウッドに住むルーガ夫妻が繁殖の基礎となった猫を発見したことから始まります。夫妻は自宅玄関前で黒い長毛で反り返った耳をした猫を見つけ、シュラミスと名付けて飼い始めたのでした。その猫は4頭の子猫を出産、そのうちの2頭は母親であるシュラミスと同じ反り返った耳を持っていました。この出産により、耳の形は遺伝するものだと考えられるようになったのです。その後、猫の遺伝学を研究していたイギリスの学者であるロイ・ロビンソンが繁殖家と協力して調査と分析を行い、反り返った耳が優性遺伝子であることや、耳の遺伝子には遺伝性疾患を伴っていないということが確認されました。
1983年から猫愛好家や繁殖家によって新しい品種としての改良・固定が始まり、その後新しい品種として各団体に認められました。