ペキニーズ【Pekingese】
原産国 |
中国 |
体重 |
5.4㎏以下 |
体高 |
20cm前後 |
グルーブ |
9G |
特徴
全身が美しい長毛に覆われており、特に首のまわりに生えた豊かなたてがみのような毛は気品があります。大きな頭部やしっかりと丈夫な胴体、地面近く低い姿勢も独特です。垂れ耳で、尾はゆるやかに巻かれていて長い飾り毛があります。
性格
独立心が旺盛で、大胆で勇気があります。愛玩犬ですが飼い主に依存することはあまりないので、猫のような性格の犬と評されることもあります。誇り高く頑固な一面もあります。
毛色
毛色はアルビーノ(皮膚や被毛の色素を欠いた白子)とレバーを除くすべての色と模様が認められていますが、斑が偏っているのは好ましくないとされています。
育て方
運動量はそんなに必要としないので、散歩は短い時間で十分です。毛量が多く暑さに弱いので、夏場は熱中症に気をつけてください。
気位が高く頑固な一面があるため、しつけが入りにくいと言われています。子犬の時から時間をかけてじっくり行うことが大切です。信頼関係が出来上がって飼い主を主人と認めるようになると、愛情深く振る舞うようになります。
ダブルコートの犬の中でも特に下毛の量が多く、喚毛期には大量の抜け毛があります。ブラッシングを怠って毛玉ができてしまうと皮膚病につながってしまうので、毎日のブラッシングは欠かさず丁寧に行ってください。
気をつけたい病気
先天的な遺伝子異常により、椎間板ヘルニアを起こす危険性が高い犬種の一つです。予防のためには、太らせないことが重要です。
短頭種なので軟口蓋過長症になりやすい傾向があります。興奮時のガーガーという異音やチアノーゼなどの症状があり、呼吸困難から失神するケースもあります。鼻腔狭窄症も短頭種がなりやすい先天的な呼吸器系疾患です。先天性の疾患なので予防は難しいですが、肥満防止によって病状の進行を止めることは可能です。
先天的に心臓が弱く、年齢を重ねると僧帽弁閉鎖不全症に罹患しやすくなります。特徴的な症状は咳で、興奮時や夜から朝方にかけて苦しげな咳をするようになったら要注意です。
歴史
ペキニーズに関する最古の記録は8世紀ごろになりますが、起源は定かではありません。祖先犬はラサ・アプソと考えられ、ラマ教の教主ダライ・ラマによって秦の始皇帝をはじめとした歴代の皇帝への貢物にされてきたと言われています。神聖な獅子犬であるペキニーズには魔よけの力があり皇族の葬儀では柩を率いて墓へ先導するという役割が与えられていました。1911年、西太后の葬儀が行われた時もモータンという名のペキニーズが棺を墓まで先導した話は有名です。
1860年の阿片戦争で中国と戦ったイギリスの士官が宮殿に置き去りにされた西太后のペキニーズ5~6頭を本国に持ち帰り、ビクトリア女王に献上しました。これがヨーロッパへ紹介された最初と言われています。犬好きで知られるビクトリア女王も愛育し、1872年に愛するペキニーズが死んだ時には宮廷動物画家のランドシーアに在りし日の姿を描かせたほどだったようです。この頃までは、イギリスでも王侯や貴族だけで飼育されていましたが、1893年に初めてドッグショーに出品されたのを機に一般人の間にも人気が広がっていきました。現在でも家庭犬、愛玩犬として世界中に愛好家が多い犬種です。
犬名は原産国である中国の都市「北京」が由来で、北京の綴りがかつては「Peking」だったことから「ペキニーズ」(Pekingese)となりました。
ソマリ【Somali】
原産国 |
イギリス |
公認団体 |
CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF |
毛種 |
長毛種 |
特徴
アビシニアンの長毛種で、毛の長さが違うだけで他の特徴は同じです。
丸みのあるクサビ形の顔とアーモンド形の大きな目を持ち、体は筋肉質のフォーリンタイプです。美しい長毛は柔らかく絹のようで、長い尾はキツネの尾のようにフサフサした毛で覆われているため「キツネのような猫」と表現されることもあります。また美しい鳴き声は「鈴を転がしたような声」と言われています。
性格
アビシニアン同様、甘えん坊で人と触れ合うことが大好きです。好奇心旺盛で活発に動き回ります。賢く洞察力があり、犬のようだと言う人もいるくらいコミュニケーション能力が高いので、しつけがしやすい猫種です。他人に対しては人見知りをしやすい傾向があります。また、神経質なため環境の変化に対しては敏感で、騒音を苦手な子が多くみられます。
毛色
代表的な毛色は、ルディー、フォーン、ブルー、レッド(ソレル)の4種です。アビシニアン同様ティックドタビーで、光の加減で色味が違って見えるのが特徴です。
育て方
長毛種のダブルコートですが、さほど長くないのでお手入れは比較的楽です。美しさを保つために、1日に1度はブラッシングとコーミングをしてあげてください。
運動神経が高く好奇心旺盛で活発に動き回るので、キャットタワーを設置するなど十分に運動できるスペースを作ってあげましょう。
用心深い面があるので知らない人や大きな音に驚いたり、留守番などで寂しさなどを感じてしまうとストレスを溜めてしまうことがあります。安心できる落ち着いた環境を準備し、たくさん遊んであげるよう心掛けてください。
水を怖がらないので、特に子猫の頃はお風呂場に行かせるのは大変危険です。浴槽に水を溜めておかないなど危険防止を徹底してください。
気をつけたい病気
重症筋無力症は、発症数は少ないですがアビシニアン同様比較的危険性が高いと言われています。
ピルビン酸キナーゼ欠損症や進行性網膜萎縮なども気を付けたい病気です。遺伝性の病気なので予防はできませんが、遺伝子検査をすることができます。できれば親の遺伝子検査について確認しておくと良いでしょう。
尿石症は猫全体に多い病気なので、肥満にならないように食事に注意したり、新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげるなど、日頃から予防を心掛けてください。
歴史
アビシニアンの長毛種です。アビシニアンは最も古い猫種の一つで純血種として繁殖され、キャットショーにも出陳されてきた猫種で、1930年頃にはアメリカや世界中の国々でも繁殖されるようになり、たくさんの人に愛される猫種となりました。その過程で突然変異により時折長毛種の子が生まれ、ロングヘアード・アビシニアンと呼ばれていました。しかし血種を守るブリーダーの間では良いものとされていませんでした。
1963年、カナダのブリーダーのメアリー・メイリングが地元のペットショーに初めてロングヘアード・アビシニアンをエントリーしました。その時キャットショーの審査員をしていたケン・マックギルはこの猫の魅力に驚き、メアリーから一匹もらいうけて計画繁殖を始めます。こうして本格的にアビシニアンとは別品種として認められるための活動が始まりました。このケンが育てた「Mayling Tutsuta」という名の猫がソマリとしての最初の公式記録と言うことになっています。
1978年には、独立種としてソマリが誕生しました。名前の由来はアビシニアンの名前の由来となったアビシニア(現エチオピア)の隣国ソマリアからきていますが、血統とソマリアとは直接関係はありません。
ミニチュアシュナウザー【Miniature Schnauzer】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
7kg前後 |
体高 |
30cm~35cm |
グルーブ |
2G |
特徴
スクエアな体型で、骨太くがっしりとした体つきをしています。筋肉がよく発達していて、大地をしっかりと踏みしめるように歩きます。被毛はダブルコートで、針金のような硬い毛に覆われています。長くて立派な口ひげと愛嬌ある眉毛が特徴的です。
シュナウザーは、ミニチュア、スタンダード、ジャイアントと3種類ありますが、毛色とサイズを除いて犬種標準はほぼ同じです。
性格
明るく好奇心旺盛で、遊ぶのが大好きです。家族に対して愛情深く、他の犬とも仲よくできます。警戒心が強く高い声で吠える傾向がありますが、家族に従順なので正しくしつけることでコントロールが可能です。
毛色
ソルト&ペッパー(下毛はグレー)、ブラック、ブラック&シルバー(下毛は黒)、ホワイトが認められています。
他にブラック&タン、ブラック&ホワイト、ホワイト&ブラック、レバーやウイートンなど茶色系も存在します。
育て方
活発なので毎?朝?30分程度の散歩は必要です。ボール投げなどおもちゃを使った遊びも大好きなので、室内でもたくさん遊んであげてください。
被毛はダブルコートで、抜け毛は少ないですが上毛は硬い毛質で下毛は密集しているので毎日ブラッシングをしてあげてください。特徴である口ひげは汚れやすいのでこまめに拭いて清潔に保ちましょう。定期的なトリミングが必須で、慣れない人はプロのトリマーに任せると良いでしょう。
番犬気質なので警戒心から吠える傾向があります。飼い主の指?で吠えをコントロール出来るように、しっかりトレーニングすることが?切です。一度吠え癖がつくと直すのが難しいので、子犬の頃から正しくしつけを行ってください。
気をつけたい病気
基本的に健康で頑丈な犬種ですが注意が必要な病気もあります。眼病にかかりやすいことで知られており、若年性白内障は6才以前に発症し視力が低下します。また、尿路結石症になりやすい傾向があり、尿石が尿管に詰まると手術が必要となる場合があります。定期健康診断の時は尿検査もしてもらうようにしてください。網膜萎縮症、胆のう粘液嚢腫、糖尿病、アトピー性皮膚炎などにも注意が必要です。
歴史
シュナウザーにはジャイアント、スタンダード、ミニチュアの3種類があり、すべての元になっているのはスタンダードシュナウザーです。スタンダードシュナウザーは14世紀ごろのドイツで作出され、牧羊犬や番犬として活躍していました。
ミニチュアシュナウザーは、農場を荒らすネズミなどの小動物を退治するために、スタンダードシュナウザーとアーフェン・ピンシャーを交配して、ドイツのフランクフルトで作出されたとされています。その後、アメリカに渡ってから一層の改良が進められて現在の形に固定化され、世界中で人気を博しました。
日本に入ってきたのは戦後アメリカ軍人が連れてきたのが最初と推測されています。1960年代になってから家庭犬として本格的に迎えられるようになり、2000年頃には人気が上昇、現在では毎年のようにJKCの登録犬種ランキングの上位に入っています。
ジャパニーズボブテイル【Japanese Bobtail】
原産国 |
日本 |
公認団体 |
CFA ・ TICA ・ FIFe |
毛種 |
短毛種・長毛種 |
特徴
胴体・四肢とも筋肉質で、体型はすらりとしていてエレガントです。頭部はほぼ正三角形で、直立した耳は大きく離れ気味で、鼻筋は通っています。一番の特徴は、短くボンボンのような形のしっぽで、これは劣性遺伝によるものです。口元にあるウィスカーブレイクといわれるくぼみも特徴的です。被毛は短毛と長毛があり、どちらも柔らかくて絹のようです。
性格
日本猫ならではの優しく温和な性格を持ち、賢くて活発です。人と一緒にいるのが大好きですが、ベタベタと甘えてくることは少ないようです。物わかりが良く、とても社交的なので他の猫とも仲良く過ごすことが出来るため多頭飼いに向いています。
毛色
さまざまな被毛のパターンがありますが、 最も一般的で人気なのはキャリコ&バイカラーで、赤茶色、黒色、白色の3色です。日本では三毛猫と呼ばれていますが、アメリカではそのままミケで通じます。
育て方
太りやすい傾向があるので、スリムな身体を保つためには運動と食事管理は必須です。しっかりと運動できるようキャットタワーを用意したり、興味を持ちそうなおもちゃを用意したりするといいでしょう。人と遊ぶことが大好きなので、一緒にたくさん遊んであげてください。
賢く物わかりがいいので、しつけはしやすい猫です。
被毛はダブルコートですが、抜け毛が少ないので週に2回くらいのブラッシングで大丈夫です。ただし、長毛種の場合は毎日のブラッシングとコーミングが必要です。
気をつけたい病気
多様な遺伝子を持っているため基本的には健康な猫種ですが、遺伝性の脊柱や骨の異常がみられることがあります。ブリーダーに親などに病気はないかを確認して、もし病気がある場合は、定期的に健康診断を行うようにしてください。早期発見、早期治療が大切です。
猫が一般的にかかりやすいといわれている病気には注意が必要です。腎臓病もその一つで、日頃から飲水量、排尿の状態をチェックし、飲水量が増えたり尿量が増してきたといった症状が見られた場合は、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
歴史
起源についてはっきりわかっていませんが、1000年以上前に中国から日本に入って来た猫だと言われています。仏教などの書物や飼育されていた蚕をネズミから守るために重宝されていたようです。江戸時代になると浮世絵などにも描かれていました。
1968年にアメリカ人ブリーダーが、短い尻尾の日本猫を3匹持ち帰って繁殖を開始しました。その後100匹以上がアメリカへ渡り、繁殖計画が進められ、1976年に、CFAに正式に猫種として認められました。海外では見慣れない短い尻尾が魅力的なので、現在はアメリカだけでなく、世界中で広くかわいがられています。
日本では昔から幸運のシンボルとして人気があり、招き猫のモデルはジャパニーズボブテイルであると言われています。
ウエストハイランドホワイトテリア【West Highland White Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
7㎏~10kg |
体高 |
28cm前後 |
グルーブ |
3G |
特徴
胴と手足は短くスクエア型の体型で、頭は少し大きく立ち耳です。小型害獣の狩猟犬だったので、小さいながらも力強く筋肉質な体つきで、スタミナも旺盛です。姿勢の良さとピンと上を向いた尻尾といったテリアらしい特徴も持っています。清楚で、優しく愛らしい表情が魅力的です。純白の被毛はダブルコートで、上毛は硬く下毛は短く柔らかです。
性格
典型的なテリア気質なので、活発で好奇心旺盛です。狩猟犬だったため、勇敢で気の強い一面も持ち合わせています。独立心が強く頑固なところもありますが、きちんと躾をすれば飼い主に従順で強い忠誠心を見せるようになります。
毛色
白のみが認められていますが、一部黄色がかっている場合もあります。
育て方
明るく活発なので、散歩は1回30分を1日2回程度行ってください。寒さに強いですが暑さに弱い犬種なので、真夏の炎天下のお散歩などは控えた方が良いでしょう。遊び好きで特に飼い主と遊ぶことが大好きなので、信頼関係を築くためにも室内で沢山遊んであげるととても喜びます。
警戒心が強く興奮しやすい面もあり、小動物に対してもあまり友好的ではないといわれています。まずは子犬の頃から社会性を身に付けることが大切です。散歩中に出会う猫などにくれぐれも注意し、放し飼いはやめましょう。
わがままで頑固な面があるため、しつけはやや難しいかもしれません。ほめることを大切に、根気よく行うことが必要です。
ダブルコートですが抜け毛が少ないため皮膚病になりやすい傾向があります。2日に1回程度はブラッシングをしながら、皮膚の状態をチェックしてください。また、プラッキング(被毛を専用のナイフや指で間引くこと)を行って被毛を整えてあげる必要がありますが、安全のためにもプロのトリマーに任せた方が良いでしょう。
気をつけたい病気
皮膚疾患になりやすい犬種として知られており、アレルギー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎のほか、細菌感染などが原因で皮膚炎を引き起こすこともあります。ブラッシングの時皮膚の状態に注意し、何か変化に気が付いたら早めに獣医師に相談をして早期治療を心がけてください。
また、肺動脈弁狭窄や頭蓋下顎骨症など、生後数カ月から症状が現れる先天性疾患や、小型犬によくある膝蓋骨脱臼も気を付けたい病気です。
歴史
起源は、イギリス・スコットランド地方で飼育されていたケアーンテリアから時々生まれる白い毛色の個体を選別し、固定したものと考えられています。当時は、この選抜繁殖を行なったマルコム家の人々が住んでいた地名からポルタロッチテリアと呼ばれていました。その後、アメリカに渡ってローズニーズテリアという名前に変わり、AKCアメリカンケネルクラブ登録の翌年に、現在のウエストハイランドホワイトテリアに改名されました。
もともとキツネを狩る猟犬として開発されましたが、アメリカに渡ると見た目の美しさや愛らしさに人気が集まり、次第に家庭犬として世界中で親しまれるようになりました。特にアメリカでは、人気ランキングで常にベスト10に入るほどポピュラーな犬種になっています。日本でもウェスティの愛称で親しまれています。
チンチラペルシャ【Chinchilla Persian】
原産国 |
イギリス |
公認団体 |
CFA・TICA |
毛種 |
長毛種 |
特徴
人気の猫で、一つの猫種のように扱われていますが、多くの猫協会ではペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。
特徴はペルシャと殆ど同じで、長くて艶やかな被毛が印象的ですが、毛質はペルシャよりやや軽いとされています。目の色が緑または青系統で、ペルシャよりアイラインがより強くくっきりと描かれています。
性格
上品で落ち着いた性格です。ペルシャと同様に自由気ままにくつろぐことを好むので構われすぎるのを嫌がる傾向があります。大人しい性格で、活発に運動するよりはリラックスして過ごすことを好むので、成猫になると遊ぶことは少なくなります。
毛色
主な毛色はシルバー、ゴールデン、ブルー、ブルーゴールデンの4種類です。ペルシャよりも明るい色合いが特徴で、日本で最も広く認知された毛色といわれています。
育て方
ペルシャより毛質が軽いと言われていますが、長毛で被毛が厚いのは同じなので、毎日ブラッシングまたはコーミングをしてあげてください。
ペルシャ同様、成猫になると運動不足になり太りやすい傾向がありますので、きちんと食事管理をしてあげてください。
気をつけたい病気
遺伝性疾患が多い猫種で、特に多発性のう胞腎は治療法のない病気で、両親のいずれかが発症していれば50%の確率で遺伝的に受け継がれていると言われています。
また肥大型心筋症にかかりやすいと言われています。この病気にかかると最悪の場合呼吸困難に陥る場合もありますが、定期的な検診で予防することが出来ます。
尿石ができやすい傾向があり、尿路閉鎖になると命にかかわりますので、ふだんからよくお水を飲むように工夫し、おしっこの量や色には日頃からよく注意してあげましょう。
他に流涙症などの眼病や、短頭種気道症候群などもかかりやすいと言われています。
歴史
ペルシャは最古の猫種と言われるほど古くから存在する猫です。その起源は諸説ありますが、はっきりしたことはわかっていません。1800年代にイギリスで計画的に繁殖され、ロンドンで開かれた世界初の公式なキャットショーに登場、以来人気の猫種となり「猫の王様」と呼ばれています。
ペルシャのさまざまなカラーバリエーションが作られていく中で、1882年に交配したペルシャの中に、毛の根元のみがシルバー、大半がベースカラーの黒という毛色(シルバースモーク)のオスができました。この猫がチンチラペルシャの基となったと言われています。
1900年代初頭には現在と同じような毛色となり、1920年代にはチンチラペルシャの基準が確立されました。
シルバースモークのペルシャは世界中で大人気となり、特にアメリカでは血統登録をチンチラペルシャとし、ペルシャ猫から独立させようという動きもありました。しかし、毛並み以外何も変わらないため、現在多くの猫協会では、ペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。
名前のチンチラは、げっ歯類のチンチラと毛色が似ていることに由来しています。
ボストンテリア【Boston Terrier】
原産国 |
アメリカ |
体重 |
5㎏~11kg |
体高 |
28cm~38cm |
グルーブ |
9G |
特徴
スクエアな体型で、引き締まった体つきをしています。短めの頭部やマズル、尾が特徴的です。顔立ちはブルドッグの系統ですが全体のバランスはテリアの影響が強く出ています。短い被毛はスムース・コートで、滑らかで光沢があります。体重によって、ヘビー、ミドル、ライトの3サイズに分類される珍しい犬種でもあります。
性格
人なつこく、愛嬌があります。愛情深く温厚、寛容さもあるので、飼い主や家族だけでなく、他の人や犬にもフレンドリーに接します。無駄吠えが少ないので、マンションなどの集合住宅で飼うのにも適しています。感受性が強いため、飼い主の表情や声から気持ちを敏感にくみ取ってくれますが、テリア種の特徴でもある興奮しやすい一面も持っています。
毛色
日本では大部分がブラックブリンドルホワイトやブリンドルホワイトです。アメリカではタキシードを着た紳士のような、黒に白の斑の“ボストン・カラー”が人気の高い毛色ですが、日本では希少な毛色になります。
育て方
運動が大好きですし、太りやすい犬種なので運動は必須です。短吻種で体温調整が苦手なので、呼吸困難にならないよう激しい運動は避け、散歩は毎日30分程度を2回程度にしてください。夏季は散歩を取りやめて室内での運動でも良いでしょう。
子犬の頃からたっぷりと愛情を注ぎながらしっかりとしつけて、落ち着いた犬に育てることが大切です。
被毛はダブルコートで、換毛期には抜け毛が多くなるので、毎日のブラッシングは欠かせません。
気をつけたい病気
遺伝性疾患も一般の病気も比較的多い犬種とされています。早期発見・治療のためにも定期健診を受けると良いでしょう。
短頭種は、生まれつき鼻から喉頭にかけての気道が狭いという身体的特徴を持っているため、短頭種気道症候群には特に注意が必要です。
白内障もよくみられますが、近年では症状の進行を抑える目薬などがありますので、早期発見が大切です。
他に椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼、皮膚疾患などがかかりやすい傾向があります。
歴史
数少ないアメリカ原産の犬で、3番目に古い歴史を持っています。
1860年代にアメリカ・マサチューセッツ州ボストンで白いイングリッシュテリアとブルドッグを交配して生まれたフーパーズジャッジという名の犬が起源と言われています。フーパーズジャッジは、白くて小柄なメス犬と交配、生まれた仔犬もさらに小さなメス犬と交配されて生まれた4頭の仔犬たちが、現在のボストンテリアの基礎犬となりました。当初はかなりの大型でしたが、ブリーダー達による改良と努力により、現在のコンパクトでスクエアな体型となりました。
現在は、人気の犬種にランクインし続けるアメリカを代表する愛玩犬となっており、名門・ボストン大学のマスコットとしても有名です。温和な性格で、タキシードを着たように見える被毛から「小さなアメリカ紳士」「タキシードを着た紳士」などと呼ばれています。
日本においては、漫画のキャラクター「のらくろ」のモデルと言われています。
ラガマフィン【Ragamuffin】
原産国 |
アメリカ |
公認団体 |
CFA ・ GCCF |
毛種 |
長毛種 |
特徴
大きな体に筋肉質のしっかりした体を持ち、やや釣りあがったクルミ形の大きな瞳や短めのマズルなど全体的に丸みを帯びています。被毛は絹のような手触りですがしっかりとした毛質なので、長さはあっても毛玉になりくいという特徴があります。
ラグドールから派生した長毛猫なので、見た目や性格はラグドールに似ているといわれています。
性格
ラグドール同様、温和でおとなしく優しい性格です。人なつっこく甘えん坊なので人のそばにいたり、抱っこされるのが大好きです。一方、好奇心旺盛で遊び好きな一面も持ち合わせています。非常に愛情深くフレンドリーなので子供とも仲良くでき、とても飼いやすい猫種です。
毛色
ラグドールは毛色がポインテッドのみに限定されていますが、ラガマフィンは遺伝学的に発生するすべての毛色が認められています。
育て方
体が大きいので成猫として完成するまで3~4年はかかります。しっかりした体を作るためにバランスの良い食事を与えるようにしましょう。
人懐っこく遊びが大好きなので一緒にいる時間を積極的に作って、おもちゃなどを使ってたくさん遊んであげてください。賢く扱いやすいためしつけは難しくありません。
長毛種ですが、もつれにくい毛質なので割とスムーズにブラッシングできます。普段は週に2~3回のブラッシングでよいですが、換毛期はまめにブラッシングやシャンプーをしてあげてください。
気をつけたい病気
肥大型心筋症は疲れやすくなったり呼吸が早くなったり苦しくなったりする症状が見られます。薬によって病気の進行を遅らせることができますので、早期発見のためにも定期健診が大切です。
多発性のう胞腎は遺伝性の腎臓の病気で、一度発病すると完治することはないので注意が必要です。初期症状がないので定期的な健診での早期発見が重要です。
尿結石は尿管に結石ができる病気で、尿の回数が多いのに尿量が少ないような場合は病院で診察を受けるようにしましょう。予防法はできるだけ水分をとらせることです。
毛球症は毛づくろいの際に毛を飲み込んでしまい、消化器官に毛が溜まってしまう病気です。定期的なブラッシングやコーミングで予防することができるので、定期的に欠かさず行ってください。
歴史
直系祖先はラグドールです。1960年代にアメリカ・カリフォルニア州に住むペルシャのブリーダー、アン・ベイカーが、ホワイトのペルシャとシールポイントのバーマンを交配させ、次にその生れた猫にセーブルのバーミーズを交配させてラグドールを誕生させました。アン・ベーカーは既存の猫血統登録団体には登録せず、IRCAという新しい組織を設立し、「IRCA登録のブリーダーしかラグドールという名を使うことができない」という形で商売を始めました。
そのやり方に反対したブリーダーたちが1994年にIRCAから独立し、ラグドールと同じ血統の猫を使って新たなラガマフィンを生み出しました。21世紀初めには一部の猫種登録団体で認定されましたが、主要な猫種登録団体でもラグドールと似すぎているという理由で公認していないところがあります。
パピヨン【Papillon】
原産国 |
フランス、ベルギー |
体重 |
4kg~6kg |
体高 |
20cm~28cm |
グルーブ |
9G |
特徴
体長は体高よりも少し長く、調和がとれています。直立した耳は蝶が羽を広げたようについていて特徴的ですが、多くの国で垂れ耳も標準として認められています。被毛は滑らかな長毛で、絹糸のように優美です。特に耳周りと尻尾の飾り毛が美しく、気品を感じさせる佇まいです。
性格
明るく活発な性格で散歩や運動が大好きです。可憐な容姿に似ず大胆な面も持っています。陽気で人懐っこいので小さい子どもの遊び相手にもなってくれます。他人や他犬に対しても穏やかです。とても賢く、飼い主の指示をよく聞くことができるので、しつけは比較的容易です。
毛色
白地であれば、ホワイト&ブラック、トライカラー(3色の毛色)など、すべての色の斑が許容されます。ボディや足はホワイトの割合が多いほうが好ましいとされています。
育て方
とても活発で好奇心旺盛なので、毎日30分程度の散歩以外にも室内でたくさん遊んであげてください。賢い上に動きが機敏なので、ドッグスポーツにも向いています。
頭がよく人懐っこくて飼い主とのスキンシップも大好きなので、飼育しやすい犬種ですが、可愛さのあまり甘やかして育てると、噛み癖や無駄吠えが多くなってしまうことがあります。特に若いうちは甘やかしすぎず、きちんとしつけることが大切です。
骨・関節トラブルが多いので、関節に負担がかからないように、床を滑りにくくするなど生活環境を整えてあげてください。
被毛は抜け毛が少なく、もつれにくい毛質なので、比較的お手入れはしやすい犬種です。美しい被毛を保つために週に2~3回やさしくブラッシングしてあげましょう。
気をつけたい病気
遺伝疾患も少なく、比較的健康な犬種と言われています。小型犬全般にかかりやすい病気には注意が必要で、緑内障などの眼の病気、膝蓋骨脱臼、眼瞼内反症(逆さまつ毛)などがあります。活発なので骨折などのケガにも気を付ける必要があります。
歴史
祖先犬はスペインのトイスパニエルの一種とされています。イタリアのボローニャ地方で活発に繁殖が行われていました。16世紀にはフランス国内に入って、ポンパドゥール夫人や王妃マリー・アントワネットをはじめとするヨーロッパ貴族の寵愛を受けるようになりました。初期のパピヨンは耳よりも華やかな尻尾が注目されていたので、リス犬、スカーレル・スパニエルなどと呼ばれていたそうです。当時は垂れ耳タイプが一般的でしたが、時折生まれる立ち耳タイプが注目されるようになり、18世紀末になると選択的交配が行われるようになりました。スピッツ、チワワとの交配により現在のような姿を確立し、パピヨン(フランス語で蝶の意)という名前で呼ばれるようになりました。英語名でバタフライ・スパニエルとも呼ばれています。また、垂れ耳のパピヨンをファーレン(フランス語で蛾という意味)と呼びますが、同じ犬種として認められています。
パグ【Pug】
原産国 |
中国 |
体重 |
6.5kg~8kg |
体高 |
25cm~28cm |
グルーブ |
9G |
特徴
スクエアな体型で、よく筋肉が発達し締まった体をしています。頭部はバランスの取れた大きさで、しわが寄った額、鼻先が短い顔立ちが特徴です。短頭種なので呼吸が浅く、いびきをかきやすいです。耳は、前に垂れて先端が目の方にくるボタン耳と、反り返って内部が見えるローズ耳があります。滑らかな被毛は短いダブルコートで密生しています。
性格
愛くるしい見た目通りの明るい性格です。のんびり落ち着いていて無駄吠えも少ないので、室内向きの犬種といわれています。飼い主には愛情深く、喜ばせることが大好きです。他の人や犬に対しても大変友好的です。また、独立心が強いので留守番も大丈夫です。反面、頑固で自尊心が高いところがあり、自分の意思を曲げないマイペースさも持っています。
毛色
毛色はシルバー、アプリコット、フォーン、ブラックがあります。ブラック以外では、マズルやマスク、耳、頬、前頭部などに黒が入る個体が多いです。
育て方
食欲旺盛で肥満になりやすいので、運動と食事管理は大切です。運動は1日に30分くらいの散歩以外にも室内で沢山遊んであげてください。
明るく人懐こい性格で比較的飼いやすい犬種ですが、甘やかして育てると頑固さが前面に出てきてしまいます。他の犬種に比べて賢い方ではないので、幼犬期から威厳をもって繰り返し辛抱強くしつけてあげることが大事です。
被毛は短いので比較的お手入れは簡単ですが、ダブルコートなので抜け毛はあります。また皮膚が弱い個体が多く、おでこのしわ部分は通気性が悪いので清潔に保つことが大切です。定期的にブラッシングを行いながら皮膚の状態にも注意するようにしてください。
で暑さ寒さに大変弱いので室内でも温度管理に注意が必要です。
気をつけたい病気
壊死性髄膜脳炎はパグに起こりやすい病気で、別名「パグ脳炎」とも呼ばれています。詳しい原因は分かっていませんが、数日で死亡に至ることもある恐ろしい病気です。遺伝的要因が言われているため、親兄弟含めて発症した犬がいないか確認しておいたほうが良いでしょう。
短頭種なので、軟口蓋過長症や鼻腔狹窄症などの呼吸器の疾患が起こりやすいことで知られています。ひどくなると呼吸困難になります。
顔にシワが多いので、シワの中に汚れがたまり皮膚炎を起こしやすいです。清潔な状態を維持してあげることでかなり予防することが出来ます。
歴史
起源については、よくわかっていませんが、紀元前400年の中国に存在していたという記録が残っています。マスティフ系の犬が先祖と考えられいますが、大型のマスティフが小型化するまでの経緯などについても、今のところ完全に解明されてはいません。
17世紀頃に、中国との交易が盛んだったオランダの代表的な貿易商社である東インド会社を通じてイギリス初めヨーロッパの国々へ紹介されました。そのため、ダッチ・ドッグ(オランダの犬)と呼ばれて、長い間オランダ原産の犬種と思われていたようです。この犬を愛好した王侯貴族にはイギリスのウィリアム3世、ロシアのエカテリーナ2世王妃、フランスのナポレオンの皇后ジョセフィーヌなどがおり、それぞれにパグにまつわるエピソードを残しています。
その後も改良が加えられて、20世紀に入り現在の容姿になりました。日本に入って来たのは戦中から戦後の20世紀前半です。現在も家庭犬として世界中で人気の高い犬種で、CMや映画にも登場しています。