ペット図鑑

ノルウェージャンフォレストキャット【Norwegian Forest Cat】

ノルウェージャンフォレストキャット/ペット図鑑

原産国 ノルウェー
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

大きな体で野性味があり、堂々としていて気品があります。筋肉質な体つきで骨格もがっしりとしています。頭部は三角形で鼻筋はまっすぐ通っていて、目は大きくアーモンド形です。美しい長毛にふさふさした長い尾が印象的です。

性格

とても温厚で優しい性格ですが、機敏で遊ぶのも大好きです。子どもや他猫に対してもフレンドリーで順応性があります。頑丈な体に見合った忍耐強さや賢さ、勇敢さも備えています。水を楽しむ数少ない猫種の一つです。

毛色

大きく分類すると「黒系」「白系」「茶色系」「青系」「赤系」の5種類に分かれ、その被毛の模様もさまざまです。ブラウンタビー&ホワイトやオレンジタビー&ホワイトなどのバイカラーが一般的です。

育て方

成猫として完成するまでに3~5年かかる猫種なので、しっかりした骨格と筋肉、美しい被毛を作るために良質な食事を与えることが大切です。
長毛なので週に3?4回はブラッシングが必要です。換毛期は特に頻繁にブラッシングをして、抜け毛を取り除いてください。また、被毛は皮脂に薄く覆われているので、毛を美しく保つために定期的をしてあげましょう。
高い所に上るのも得意ですが、体が大きいので、キャットタワーは丈夫なものを選んで固定したり、家具の上を片付けたりするなど、安全に配慮してあげてください。

気をつけたい病気

純血種のわりに遺伝性の病気が少なく、比較的丈夫な猫種です。
かかりやすい病気としては、猫に多い心臓病の肥大型心筋症や、肥満による糖尿病があります。太りやすい傾向がある猫種なので、特に食事やおやつのあげすぎには注意が必要です。
被毛のお手入れを怠ると、皮膚疾患や毛球症になってしまうので注意が必要です。

歴史

祖先は、南ヨーロッパに住んでいた短毛の猫skogkatt(スコグカット)であるなど、いろいろな説がありますが、はっきりしたことはわかっていません。北欧の神話に登場するほどノルウェーに古くから生息し、厳しい寒さの中で生き残り、交配が繰り返される中で、長毛でやや大きめの猫になりました。長い歴史の中で人間の生活に近づき、ネズミ退治のために農場や船の上などで飼育されていました。ノルウェーでは昔から「森林の猫」と呼ばれ、人々から愛されてきました。
1930年代になって、国を代表する猫として血統の保存と管理が始まりました。しかし第二次世界大戦が始まると活動が中断され、その数は大きく減ってしまいます。1970年代に入り活動が再開されブリーダーや愛好家による繁殖が進み、1975年にノルウェージャン・フォレスト・キャットクラブが設立されました。
1979年に初めてアメリカへ渡り、1984年正式に品種として認められ、世界的に知られるようになりました。

マルチーズ【Maltese】

マルチーズ/ペット図鑑

原産国 マルタ共和国
体重 2.5㎏~3.2㎏
体高 22 cm~25cm
グルーブ 9G

特徴

頭と体の大きさはよく均整が取れており、体長は体高よりも長めです。黒いつぶらな瞳と愛らしい表情が魅力的です。純白の被毛は、なめらかで美しい絹糸のようで、カットしなければ地面に裾を引きずるほど長く伸びます。カット次第で印象がガラッと変わるため、様々な表情を楽しめるのも人気の理由の一つです。

性格

知的で温厚ですが、元気に遊ぶことも大好きです。飼い主に対しては愛情深く甘えん坊です。一方で神経質で気の強い面があり、不安や恐怖を感じる時には怖気づかず、吠えたり攻撃的になる大胆さもあります。

毛色

純白であることが望ましいですが、黄味がかった白(レモン)や、ごく淡いベージュのような白色(タン)も存在します。

育て方

活発な性格ですが、室内で飼われ続けて来たので、運動は室内での遊びで十分です。散歩は1日2回朝夕15分程度行うと良いでしょう。
体が小さいため、大きなものに対して警戒心が強く、比較的よく吠える犬が多い傾向があります。子犬の頃から甘やかしすぎず、きちんとしつけを行うことが大切です。
被毛は細く絡みやすいので、できるだけ毎日ピンブラシなど被毛に優しいブラシでのブラッシングが必要です。被毛は自然に伸ばすのが基本ですが、カットすることで生活しやすくなるので、定期的にカットすると良いでしょう。
耳や目と口のまわりは、長毛がかぶさって通気性が悪く汚れやすいので、定期的に拭いて清潔に保つことが必要です。

気をつけたい病気

全身の被毛が白色の犬には、生まれつき網膜や目の異常(眼瞼内反症など)、聴覚の異常が起きることがあります。
僧帽弁閉鎖不全症は、とくに高齢のマルチーズに多い心臓の病気で、遺伝的な要因もあるといわれています。
他に、外耳炎、低血糖症、流涙症、膝蓋骨脱臼、肛門のう疾患なども気を付けたい病気です。

歴史

愛玩犬としては最古の歴史を持つ犬種で、紀元前1500年頃、現在のレバノンあたりに都市国家を築いていたフェニキア人が貿易の中継地だったマルタ島に持ち込んだ犬が祖先ではないかといわれています。その後、シチリア島を経て地中海沿岸の国々に紹介されました。古代ギリシアやエジプト、ローマでは貴婦人たちに愛され、その愛らしさを賛美する詩人の言葉も残されています。フランスでは15世紀頃から抱き犬としてもてはやされ、19世紀になってからイギリスに紹介されました。19世紀末にはビクトリア女王が当時属領だったマルタから取り寄せたことがきっかけとなり大流行となります。アメリカでは20世紀中頃になって人気となりました。
日本に入ってきたのは1960年頃とされ、1968年から84年まで登録件数ナンバーワンの座を占めていました。現在でも、多くのフアンを持つ人気犬種です。

ウェルシュコーギーペンブローク【Welsh Corgi Pembroke】

ペット図鑑/ウェルシュコーギーペンブローク

原産国 イギリス
体重 11kg~14kg
体高 26cm~31cm
グルーブ 1G

特徴

体格はがっしりとしていて、胴長短足で一生懸命走る姿が愛らしい犬種です。被毛は中くらいの長さのダブルコートで硬い毛が密生しています。
大変よく似ているウェルシュコーギーカーディガンよりも新しい犬種で、犬種標準は尾の形、耳の形、毛色を除いてほぼ同じです。ペンブロークは、断尾により尾が短く、直立した耳の先はわずかに丸くなっています。

性格

明るく活動的で遊びが大好き、飼い主にはとても忠実です。社交的な性格で他の犬や動物とも仲良くなれるので、小さい子供のいる家庭や多頭飼いでも安心して飼うことができます。ただし、牧羊犬としての気質を残しているため、他の犬や小動物を見たときに吠えたり追いかけ回したりしてしまうことがあるので、子犬の頃からしつけことが大切です。

毛色

毛色は、レッド、セーブル、フォーン、ブラック&タンに限ります。足、前胸、首、頭部の白斑は認められます。コーギーの毛色は成長に伴い変化することがあるので、色にこだわる場合は注意が必要です。

育て方

活発で体力もあるので運動は欠かせません。毎日朝晩30分程度の散歩のほかに、ドッグランなどで思い切り走らせたり、ボール投げなどをして一緒に遊んだりすると良いでしょう。アジリティやフライングディスクなどドッグスポーツで活躍する犬もいるようです。
牧羊犬として活躍していたため、他の犬や小動物を見かけた時に吠えたり追いかけ回してしまうことがあります。無駄吠えしやすい犬種でもあるので、子犬の頃から飼い主の指示に従って行動できるようにしつけることが重要です。ほめられることが大好きなので、しつけはしやすい方です。
食欲旺盛なので肥満にならないように毎日の運動や食事に気を配ってあげてください。
ダブルコートで下毛が密集していますので、喚毛期には抜け毛があります。普段は週に1~2回のブラッシングで十分ですが、換毛期は毎日してあげると良いでしょう。

気をつけたい病気

胴長短足の犬種がかかりやすい椎間板ヘルニアのほかに、変性性脊髄症にもかかりやすいと言われています。変性性脊髄症は遺伝性疾患で、現状では病気の治療法が確立されていないため、事前の遺伝子検査が大切になります。ほかに尿路結石症、てんかん、進行性網膜萎縮症にも注意が必要です。

歴史

12世紀のヘンリー2世から現在のエリザベス女王に至るまで英国王室で寵愛されてきたので、「ロイヤルドッグ」と尊称されているイギリスを代表する国民的犬種です。
ペンブローク種はカーディガンより新しい犬種です。祖先犬がどんな犬なのか、はっきりしたことはわかっていませんが、フランドル(フランスとベルギーの大西洋に面した地方)の織工がウェールズに移住した時連れてきたという説や、バイキングが活躍していた頃にスウェーデンの犬がこの地に居残ったという説などがあるようです。
おもにウェールズのペンブロークシャー地方で牛追いの牧畜犬として活躍していました。その後、ヘンリー2世のペットとなってからは、繁殖家の手によって改良が進み、現在に近い形になったようです。
この当時はまだ、カーディガンとの交配が普通に行われており、相違点も多いことから、同じ犬種と考えられていました。しかし、毛色や尻尾、耳の形の違いなど、同一の犬種標準で計ることが難しくなり、原産国であるイギリスのケネルクラブは、1943年、別々の種類のコーギーとして登録することになりました。以降、日本も含め海外の多くの国で、別々のコーギーとされています。
断尾するようになったのは、牧畜犬として働く際に牛にしっぽを踏まれないためと言われていますが、家庭犬としては必要がないため、動物愛護の観点から現在欧米では断尾を禁止している国が多いようです。
日本ではテレビ番組やCMにたびたび登場して知名度が上がり人気となりました。

シャム【Siamese】

シャム/ペット図鑑

原産国 タイ
公認団体 CFA・TICA・FIFe・GCCF
毛種 短毛種

特徴

クサビ形の頭部に大きな耳が印象的です。体型はオリエンタルタイプで、手足やしっぽは細長くしなやかなで、エレガントな姿をしています。ポイントカラーと深いブルーの瞳が最大の特徴です。

性格

警戒心が強く、わがままで気難しい面もありますが、心を許した相手に対しては忠誠心を見せます。飼い主に対しても愛情深く甘えん坊で触れ合うことが大好きです。運動量も多く飼い主に沢山遊んでもらうのも大好きです。いたずら好きな子が多く、しつけはとても難しく根気が必要です。

毛色

体の中心部分がホワイト系の色で、他の末端部分にポイントカラーが入ります。代表的なカラーはブルー、シール、ライラック、チョコレートです。ほぼ真っ白な体で生まれてきますが成長に従ってポイントが出てきます。年々色合いは濃くなり、10歳を過ぎるとさらに黒くなる傾向があります。

育て方

運動量が多く活発なので、キャットタワーなどを設置して広く動き回れる環境を準備してあげてください。甘えん坊な性格なので猫じゃらしなどを使って沢山遊んであげると良いでしょう。
被毛は短いのでお手入れは楽ですが、寒さに弱いので冬場は室温の管理が必要です。
甘えん坊ですが気難しくわがままな面があるので、上手に付き合いながら根気よくしつけをすることが大切です。

気をつけたい病気

病気にかかりやすい猫種といわれています。特に、眼球振盪、角膜黒色壊死症、進行性網膜萎縮症、進行性網膜変性症などの目の病気と、慢性腎不全などの腎臓の病気が多く、早期発見・早期治療が大切です。また、親猫からの遺伝性の病気もありますので飼い始める前に調べておくと良いでしょう。

歴史

シャムという名前はタイ国の古い国名ですが、こう呼ぶのは日本だけで、海外ではサイアミーズ(Siamese)と呼ばれています。
何世紀もの間、シャムの寺院で飼われ門外不出でしたが、シャムの王家が特別な贈り物として王家の賓客に進呈するようになって、世界に知られるようになりました。1878年バンコクに赴任していたアメリカ領事から当時のアメリカ大統領ヘイズに贈られたものが最初とされています。さらに1884年にイギリスの総領事に寄贈され、イギリスのキャットショーに登場し、またたく間に人気となりました。イギリスでは繁殖も始まり、海外へと輸出されるようになりました。しかし二つの世界大戦の時代になると食糧難などから絶滅の危機に瀕し、その上ペルシャなど他の猫が人気になるにつれて、シャムの人気は下火になっていきました。戦後になって皇族の格式高い猫として愛猫家によって大切に飼育され、個体数を増やしていきました。その美しさから現在でも世界中の人に愛されている猫種です。
日本には明治の中ごろに初めて輸入され、純血猫の代表的な猫種としてよく知られています。

ボーダーコリー【Border Collie】

ボーダーコリー/ペット図鑑

原産国 イングランド(スコットランド)
体重 20kg前後
体高 53cm前後
グルーブ 1G

特徴

体高よりも体長のほうがやや長く、バランスの良いスマートな体型をしています。素晴らしい運動能力を持っていて、反射神経や瞬発力、持久力に優れています。耳は直立または半直立で、豊かな毛の長い尾は静止している時は垂らして保っています。被毛は豊富で滑らかなダブルコートで、長毛と短毛の2タイプあります。

性格

全犬種の中でもトップクラスの頭のよさを誇ります。作業意欲が強く洞察力があるので、自分で状況を判断して行動することができます。家族には大変愛情深く忠実ですが、他の人や犬には神経質になる場合があります。

毛色

さまざまな毛色が認められいて、ソリッド(単色)カラー、バイカラーのほか、複数の色が混ざりあるカラーも存在します。日本ではブラック&ホワイトのバイカラーが主流です。

育て方

運動能力に優れており非常に活動的であるため、朝夕1時間程度の散歩は欠かせません。知能や作業意欲も高いため、アジリティの要素を取り入れて、頭を使う運動や遊びをしてあげるのも良いでしょう。
従順で賢いので訓練しやすい犬種ですが、あいまいな態度で接したり、甘やかしすぎたりすると無駄吠えなど悪癖の原因となってしまうので、主従関係をしっかり作りながら訓練することが大切です。
長毛・短毛にかかわらずダブルコートで下毛が抜けますので、週に2~3回程度のブラッシングをして抜け毛を取り除いであげてください。

気をつけたい病気

がっしりした体格なので丈夫そうですが、他の犬種に比べて遺伝的な病気が多い犬種です。股関節形成不全、肘関節形成不全(異形成)は比較的多く見られ、遺伝性の素因が認められます。セロイドリポフスチン症(CL病)は脳と神経を侵す遺伝病です。発症率が極めて高いコリーアイ症候群は、眼球を覆う膜の一つ脈絡膜が成長段階で異常を起こす病気です。遺伝的な病気は、未然に防ぐことは難しいですが、病気についての知識を持ち、早期発見・早期治療に努めることが大切です。

歴史

祖先犬は、8世紀後半から11世紀にかけてスカンジナビア半島を中心に活躍したバイキングがイギリスに持ち込んだトナカイ用の牧羊犬だと言われています。土着の牧羊犬やラフコリーの祖先犬と交配され、19世紀末頃にはほぼ現在の形になりました。その後、ラフコリーなどがショー・ドッグとして人気を高めていきましたが、ボーダーコリーは、長い間その作業能力ばかりが高く評価されて牧場に取り残されていました。
最初の犬種標準ができたのは1906年になってからのことです。ドッグスポーツや訓練競技会に参加するようになってボーダーコリーばかりが上位を独占するようになり、その独自性が見直されたのがきっかけと言われています。今ではディスク競技やアジリティなどのドッグ・スポーツ界で大活躍する犬種となっています。
「ボーダー」はイングランドとスコットランドの国境地域・ボーダーの地名からきたという説や国境・辺境という意味からきたという説など諸説あるようです。

サイベリアン【Siberian】

サイベリアン/ペット図鑑

原産国 ロシア
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

大型で骨太、筋肉がよく発達していて力強い印象です。身のこなしがとても速く跳躍力も抜群です。頭部は丸みを帯びていて、とても優しい表情をしています。
被毛は質感の違う3種類の毛のトリプルコートで特徴的です。極寒に耐えられるよう、房毛と呼ばれる毛が足の裏に生えています。
成長スピードが遅く、成猫になるまでには5年ほどかかるといわれています。

性格

穏やかで忍耐強く独立心のある猫です。家族に対しては従順で愛情深いですが、仲間と認めない相手に対しては冷淡な面があります。非常に賢いので飼い主とのコミュニケーションも上手で芸を覚えたりすることもあります。水を嫌がらず、ネズミ捕りの優秀なハンターとしての側面ありますので、水の中であっても飛び込んでいくこともあるようです。

毛色

すべてのパターンや毛色が認められています。ブラウン系のタビーが多いようです。

育て方

大型の猫としてはめずらしく運動能力が高く跳躍力もあるので、キャットタワーは足場を固定するなど、安全に使用できるようしっかりと設置してください。水を嫌がらない性質なので、危険防止のために風呂や洗濯機のふたは常にしっかりと閉めておきましょう。
とても賢いので、しつけは楽です。
長毛なので毎日のブラッシングは欠かせません。特に換毛期は、普段よりこまめにお手入れしてあげてください。独特な被毛の性質からか、猫アレルギーがあっても飼える猫という研究結果があるようですが、科学的な根拠は十分ではありません。アレルギーのある方は、他の猫種と同様、家族として迎える前に慎重に検討して下さい。

気をつけたい病気

ピルビン酸キナーゼ欠損症や子宮蓄膿症など、かかりやすい病気があります。いざというときに焦ることがないよう、あらかじめ病気に関する知識を持ち、日頃から変化に注意してあげるようにしてください。
ピルビン酸キナーゼ欠損症は、貧血を引き起こす病気です。通常赤血球の中のピルビン酸キナーゼという酵素が、なんらかの事情により正常でなくなり、エネルギーの生産ができなくなってしまい、最終的には貧血症状が発生してしまうものです。
子宮蓄膿症は、メスでだけに発症する病気で、なんらかの原因によって、子宮の中に病原体が入り込んでしまい、炎症を起こした結果、膿が溜まってしまう病気です。

歴史

サイベリアンのルーツや起源について詳しいことは分かっていませんが、西暦1000年頃にはシベリアの森に生息していたと考えられています。サイベリアンという品種名はシベリアを意味し、サイベリアンフォレストキャット(シベリアの森に生息する猫)とも呼ばれていました。極寒にも強く身体能力も高いことから、古くから修道院や農家などでネズミ捕りとして飼われていたようです。
1871年にイギリスで行われた初めてのキャットショーに登場しますが、当時ロシアとは自由に貿易できなかった国が多かったため、入手が困難な猫とされていました。ロシアとの冷戦時代であったアメリカに輸出されたのは1990年になってからで、その後は政治的な雪解けとともに、世界各国に輸出されるようになりました。
2012年ロシアのプーチン大統領が当時の秋田県知事にミール(ロシア語で平和)という名前のサイベリアンを贈ったことで、日本でも広く知られるようになりました。
ロシアではゴルバチョフやメドベージェフなどの歴代大統領や政府要人に飼われていた猫として知られており、ロシアを代表する猫として現在でも国際交流のシンボルになっています。

ミニチュアピンシャー【Miniature Pinscher】

ミニチュアピンシャー/ペット図鑑

原産国 ドイツ
体重 4kg~5kg
体高 26cm~32cm
グルーブ 2G

特徴

体高と体長がほぼ同じスクエアな体格で、小鹿のようなすらっとした四肢を持ち、よく均整がとれています。体は筋肉質でよく引き締まっており、「ハックニー歩様」と呼ばれる前足を高く上げて歩く姿は優美な印象です。被毛は短毛のシングルコートで、滑らかで光沢があります。ドーベルマンに似た体型と精悍さも備えていますが、まったく異なる犬種です。

性格

好奇心が強く非常にエネルギッシュです。人見知りするので、初めての相手に対しては時に攻撃的になることがありますが、飼い主に対しては、次第に高い忠誠心を示してくれるようになり、べったり甘えるようなこともあるようです。負けん気が強く、大きな犬に対しても向かっていくことがあり、番犬としても優秀な犬種と言われています。

毛色

単色とバイカラー(2色で構成)があり、大きく分けて3種類です。
単色…レッドと呼ばれる赤みがかった茶色から黒に近い茶色まであり、その色の加減によって、ディアー・レッド、レディッシュ・ブラウン、ダーク・レッド・ブラウンなどと呼び分けられています。
ブラック&タン…黒漆色(ラッカーブラック)がベースで、眼の上や喉の下側、パスターン、足、後肢の内側、尾の付け根などにレッドまたはブラウンの斑が入り、胸には2つの三角形の斑が入ります。
チョコレート&タン…チョコレート色がベースで、斑はブラック&タンと同様の部分に入ります。

育て方

活発で運動能力が高いので毎日30分以上の散歩は欠かさずに行ってください。信頼関係が構築出来ているなら散歩以外の運動を取り入れるのも良いでしょう。
小柄ですが意思が強く吠えやすい犬種なので十分にしつけをしないと、見知らぬ人に危害を加えてしまう可能性もあります。子犬の頃から社会性をしっかり身に付けさせることが大切です。
被毛は、短毛のシングルコートなので手入れは楽な方ですが、犬種的に皮膚が弱いため負担が少ないブラシで優しくブラッシングしてあげてください。皮下脂肪も少なく寒さには弱いので、冬場は服を着せたり室温を上げたりして温度調節することが大切です。

気をつけたい病気

大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス病)は、生後数ヶ月から1歳ほどの成長期にみられる股関節の病気で歩行困難になります。予防が難しい病気ですが、足を引きずったり動きが鈍いなどの症状が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。
耳介辺縁皮膚症は、耳の縁の部分がフケを伴って脱毛したり変色してしまう病気で、耳が大きな犬種に多く見られます。血行をよくすることが予防に繋がると言われています。完治させることは難しい病気ですが、対症療法により症状を緩和することが期待できます。
膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝蓋骨がずれたり外れてしまったりする病気で、通称「パテラ」と呼ばれてます。軽度の場合は、症状が出ないこともありますが、重度になると歩行異常が見られます。予防として、膝への負担を減らすため適正な体重を維持するようにしましょう。

歴史

起源については、はっきりとわかっていませんが、古くからドイツや北欧の国々で害獣駆除を目的に飼育されていたジャーマンピンシャーを基礎犬とし、そこにダックスフント、イタリアングレーハウンドなどが掛け合わされて作出されたと考えられています。
原産国であるドイツでは1895年に犬種クラブが設立し、1900年に初めてドッグショーへ参加したことが確認されています。1920年代に入るとアメリカに渡り、1929年、AKCによって正式に公認されますが、現在のミニチュアピンシャーという犬名になったのは1972年からのことです。原産国であるドイツでは、小鹿に似ていることからレイピンシャーと呼ばれています。
現在でも家庭犬、愛玩犬として世界中で飼育されています。日本でもミニピンという愛称で親しまれています。

シンガプーラ【Singapura】

シンガプーラ/ペット図鑑

原産国 シンガポール
公認団体 CFA ・ TICA ・ GCCF
毛種 短毛種

特徴

アイラインをひいたようなアーモンド形の目と個性的な目の色が印象的です。通常生後2か月まではキントブルーと呼ばれる青い色ですが、以降さまざまな色に変化し、成猫になるとグリーン、ヘーゼル、イエローなどに定着していきます。
体は筋肉質でしっかりとしていて、丸い頭の両端には付け根の広い耳がついています。被毛はとても美しく絹のようになめらかです。
標準体重は2~3㎏で、現存する純血種の猫としては世界一小さい猫であることから「小さな妖精」とも呼ばれています。

性格

大人しい性格でほとんど鳴くこともなく静かな環境を好みます。飼い主や家族に対する愛情が深く、とても甘えん坊なのでそばにいたがり、膝や肩に乗ったりすることも多くみられます。神経が過敏な面があり、他猫や他動物に対して嫉妬することもあるので複数飼いには向かない猫種です。
高い運動能力を持ち、活発で遊び好きなので、飼い主さんとのおもちゃ遊びが大好きです。

毛色

毛色は淡い茶色のセーブル・ティックド・タビーのみが認められています。ティッキングは1本の毛に濃い色と薄い色が交互に入っていることで、根元が薄く、先端が濃くなっています。

育て方

甘えん坊で好奇心旺盛、活発な面もあるので、一緒にいる時間を積極的に作って、たくさん遊んであげてください。また、高いところに上るのも好きなので、キャットタワーを設置したりタンスや棚をうまく配置して高いところに行けるようにしてあげるとよいでしょう。
被毛のお手入れは、短毛なので定期的にブラッシングやコーミングをしてあげれば十分です。東南アジアの温かい地域で生まれた短毛の猫ですので日本の冬の寒さは苦手です。秋から冬は高めに室温調節をしてあげてください。
賢いのでしつけはそれほど難しくありません。

気をつけたい病気

この猫種は近年遺伝子研究によって、遺伝性疾患が多いことがわかりました。その中でもピルビン酸キナーゼ欠損症による貧血は特に発症リスクが高いとされています。元気がなく寝てばかりいるような様子がみられる時は早めに病院で診てもらうようにしましょう。
肥大型心筋症も多い病気で、発症した場合は薬を投与することで症状をコントロールしますが、重篤な場合は命にも関わる病気です。定期的な検診である程度予防できるので欠かさず受けることが大切です。
皮膚系の病気も多く、環境による細菌感染で起こる場合以外に、繊細な性格によるストレスから過度にグルーミングしてしまうため皮膚炎を起こしてしまう場合もあるようです。ブラッシングの時に皮膚の状態に注意するほか、グルーミングの回数が増えていないか十分に気を付けましょう。

歴史

起源についてわかっていないことが多い猫種ですが、始まりはシンガポールに生息していた野生の猫だと言われています。下水溝の中でネズミを捕って暮らしていたことからドレインキャットと呼ばれていました。
1974年アメリカ人のミセス・トミー・メドゥがご主人の赴任先のシンガポールでシンガプーラと出会い、1975年帰国することになった時、5頭のシンガプーラを自国に連れて帰りました。帰国後、さっそく育種を開始し、1988年には純血種「シンガプーラ」として血統が公認され、キャットショーの出場を機に世界中で人気となりました。その小さな体と可愛い顔などから「小さな妖精」と呼ばれています。

ゴールデンレトリバー【Golden Retriever】

ゴールデンレトリバー/ペット図鑑

原産国 イギリス
体重 牡29~34kg、牝25~29kg
体高 牡56~61cm、牝51~56cm
グルーブ 8G

特徴

均整のとれた体は力強く丈夫です。大きめの頭部、垂れ耳、アーモンド形の目が特徴的です。原産国のイギリスで作出されたイギリス系とアメリカで作られたアメリカ系の2タイプがあります。
イギリス系は、瞳や鼻の色が黒色で、アメリカ系と比べて被毛が短く緩いウェーブがかかっています。
アメリカ系は、瞳の色が茶色で、鼻の色は成長と共に黒から茶色に変わっていきます。被毛は柔らかいストレートです。

性格

飼い主に対しては大変愛情深く忠実です。とても穏やかで、他犬や他動物とも友好的な関係を築くことができます。寂しがり屋な面があり、人のそばにいたがるので留守番は苦手です。頭が良く、人の言葉をよく理解し指示に従って行動できるので、盲導犬、介助犬、人命救助犬など、さまざまな分野で活躍しています。また体を動かすことが大好きで、ボールやフリスビー、アジリティなどでその能力を発揮しています。
イギリス系は、アメリカ系よりおとなしい傾向があり、水猟犬として生まれた犬のため水難救助犬として活躍する場合が多いようです。
アメリカ系は、明るく好奇心旺盛で、作業欲求が強いので盲導犬や聴導犬として活躍しています。

毛色

イギリス系は白からクリーム色のプラチナカラーの毛色が特徴です。
アメリカ系はライトゴールドから茶色がかったゴールドまで濃淡の幅が広いです。白の差し毛は胸にだけ許されます。

育て方

活発で体力もあるので毎日2回各60分程度の散歩が必要です。散歩だけでなく、定期的にドッグランへ行って思い切り動ける時間を作ってあげてください。体力の発散だけでなく、社会性を身につける良い機会になります。
孤独な時間が長かったり、運動不足だったりすると問題行動を起こす場合があるので、子犬の頃からきちんとしつけることが大切です。飼い主に忠実なので初心者でもしつけはしやすい方です。
きれいな毛並みを保つためにブラッシングは大切で、特に換毛期は毎日行うようにすると良いでしょう。定期的にシャンプーをして皮膚や被毛を清潔に保つことも大切です。

気をつけたい病気

遺伝的に股関節形成不全を発症しやすいことで知られています。他にもアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患や外耳炎にかかりやすい犬種です。
また、一気にごはんを食べたり、食後に激しい運動をすると胃捻転を引き起こしやすいので要注意です。胃捻転を放置すると、数時間で死に至ることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。

歴史

歴史については、はっきりしたことはわかっていませんが、1865年スコットランドに住む愛犬家ツイードマス卿が黄色い毛色のウェービーコーテッドレトリバーとツイードウォータースパニエルを交配させたのが起源だといわれています。その後、アイリッシュセターやニューファンドランドとの交配を重ね、19世紀末頃には現在にほぼ近い形になったようです。当時は、鳥猟犬として、水中からの回収運搬を得意としていました。
1911年に愛犬家クラブが設立され、1913年ケンネル・クラブに登録が開始されました。この頃はイエローレトリバーとも呼ばれていましたが、1920年にゴールデンレトリバーに統一されました。
現在では、水難救助犬、盲導犬や聴導犬として活躍する貢献度の高い犬種ですが、家庭犬としても広く愛され続けています。
外見や性格が似ているラブラドールレトリバーとは、親戚関係にあると勘違いされることも多いですが、全く異なる犬種で歴史的背景も違います。

ヒマラヤン【Himalayan】

ヒマラヤン/ペット図鑑

原産国 イギリス
公認団体 TICA
毛種 長毛種

特徴

人気の猫で、一つの猫種のように扱われていますが、多くの猫協会ではペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。
猫の王様と呼ばれるペルシャとシャムを交配して誕生したので、ペルシャの絹のような滑らかな長毛とシャムのエキゾチックな毛色を持ち合わせているのが特徴です。しっかりとした骨格で、体は丈夫で力強さがあります。顔の形はまん丸で、短くつぶれた鼻も特徴的です。

性格

優しくのんびりとしていますが、他のカラーのペルシャよりも行動的です。人なつこいシャム猫の血が半分入っているからか、他のカラーのペルシャよりも社交性が高く、人や他のペットとも仲良くできます。遊ぶのは大好きですが、ペルシャ同様高いところに登るのは得意ではありません。

毛色

毛色は、シール、チョコレート、ブルー、フォーン、クリームなど様々ですが、耳、口元、脚、尾などに現れるポイントカラーを持つことが最大の特徴です。

育て方

賢い猫なので、しつけは難しくありません。遊び好きですが運動はあまり得意でなく、激しく動き回ることを好みません。小さなおもちゃなどを使って遊んであげましょう。太りやすい傾向がありますので食事管理も大切です。
長毛のダブルコートなのでお手入れは必須です。毛玉にならないように出来るだけ毎日コーミングかブラッシングをしてください。

気をつけたい病気

遺伝性疾患が多いペルシャの性質を受け継いでいますが、命にかかわるほどの重大な病気はあまりないと言われています。
尿石ができやすい傾向があり、尿路閉鎖になると命にかかわりますので、ふだんからよくお水を飲むように工夫し、おしっこの量や色にはよく注意してあげましょう。
流涙症は鼻が短い猫がかかりやすい病気です。日頃から目やにの量に注意し、こまめに拭き取ってあげましょう。
毛球症になると嘔吐や便秘、食欲不振などを起こします。普段からこまめにブラッシングをして飲み込んでしまう毛の量を減らしてあげてください。

歴史

ペルシャは最古の猫種と言われるほど古くから存在する猫です。その起源は諸説ありますが、はっきりしたことはわかっていません。1800年代にイギリスで計画的に繁殖され、ロンドンで開かれた世界初の公式なキャットショーに登場、以来人気の猫種となり「猫の王様」と呼ばれています。
ペルシャのさまざまなカラーバリエーションが作られていく中で、1930年代アメリカで長毛のペルシャにシャム猫の美しいポイントカラーを加えたいと考えたブリーダーたちによって計画的な繁殖が行われた結果、ヒマラヤンが誕生しました。その後爆発的に人気となり、一つの猫種として認定されたこともありましたが、現在多くの猫協会では、ペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。
名前のヒマラヤンは、特徴的なポイントカラーがヒマラヤウサギに似ていることに由来しています。