ヨークシャーテリア【Yorkshire Terrier】
原産国 |
イギリス |
体重 |
2kg~3kg |
体高 |
15cm~18cm |
グルーブ |
3G |
特徴
JKCが公認している犬種の中でチワワに続き2番目に小さい犬種ですが、均整のとれた体型は威厳と気品に満ちています。黒々とした丸い瞳と、まっすぐで絹糸のようにつやのある長い被毛が特徴的です。トリミングでさまざまなヘアスタイルが楽しめるところも人気の理由の一つです。
性格
テリア種独特の気質を持っているので、知的で活発、大変勇敢ですが、頑固な一面もあります。飼い主に対しては愛情深く忠実です。好奇心旺盛なので、遊んでもらうことも大好きです。
毛色
被毛の色が生涯で7回変わると言われていますが、変化の仕組みはまだ解明されていません。その変化の美しさから「動く宝石」と呼ばれています。
色は生まれてから1年ほどかけて変わっていきますが、生まれて間もない頃は漆黒と呼ばれる真っ黒な色で、成長が進むにつれ次第に根元から変化し始めます。
JKCで決められた公認カラーはダーク・スチール・ブルー&タンの1色だけですが様々なカラーが見られます。
育て方
とても活発なので、毎日の散歩は欠かさないようにしてください。
自己主張が強いため、甘やかすとわがままに育ってしまいます。テリア種の特徴を理解し、子犬の頃からしっかりしつけることが大切です。
被毛はシングルコートで、換毛期がないため、放置していると毛玉になったり、ほつれてしまったりします。美しい被毛を保つために毎日のブラッシングと定期的なシャンプーやトリミングは必須です。またシングルコートは暑さ寒さの変化に弱いため、温度管理に注意することが大切です。
気をつけたい病気
気管虚脱は気管が本来の形を保てずにつぶれてしまう病気で、発症すると咳をしたり興奮時にガーガーという呼吸をしたりするようになります。重症になると呼吸困難になったり、熱中症のような状態に陥ったりすることがあるので注意が必要です。
門脈シャントは2歳くらいまでに発症し、無治療の場合は死に至る病気です。食欲不振、おう吐、下痢やふらつきなどが見られたら、早めに受診してください。
大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス病)は1歳未満の子犬に見られる股関節の病気で、この病気にかかる犬の約半数が、この犬種だと言われています。
膝蓋骨脱臼は後ろ足の膝蓋骨がずれてしまう病気で、小型犬に多く見られます。脱臼しやすい骨格かどうかをチェックしてもらうために、1才前後で検診を受けると良いでしょう。
歴史
19世紀の中頃、イギリス北部ヨークシャー地方で、倉庫や工場などの家を荒らしまわるネズミを駆除ための狩猟犬として作出された犬種です。マンチェスター・テリア、スカイ・テリア、マルチーズなど様々な犬種と交配して作り出されました。当初はボサボサしたワイヤー・ヘアで体重も5kg以上ある固体も多かったようです。狩猟犬として労働者階級の一般市民と共に生活していました。
しかし、交配を進めて犬種として安定化していく過程で、小型化して毛質も滑らかな直毛となり、次第に貴族の間にも広まって大人気となりました。
1862年に”ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャーテリア”と命名されましたが、あまりにも長い名前だったため定着せず、1870年頃から今の”ヨークシャーテリア”と呼ばれるようになったようです。
日本にやってきた正確な年代はわかっていませんが、戦後の高度成長期に人気に火がつき、 ポメラニアンとマルチーズと共に「座敷犬御三家」と称されました。今でもその人気は高く、長年登録数ランキングではトップ10に入り続けています。
ブリティッシュショートヘア【British Shorthair】
原産国 |
イギリス |
公認団体 |
CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF |
毛種 |
短毛種 |
特徴
中型から大型のセミコビーで、厚みのあるがっしりとした体型をしています。鼻は低めで、頭や額、大きな目は、どれも丸みを帯びています。足は骨太で少し短いところが特徴的です。被毛は短毛ですが密度が高く厚みがあり、やや固めで、ベルベットのような手触りです。
性格
普段はのんびりと穏やかに過ごすことが好きです。自立心が強いため、抱っこされたり撫でられたりすることは好みませんが、おもちゃで遊ぶことは大好きで、褒められることも大好きです。警戒心が強いため、心を許した家族には甘えん坊の一面を覗かせますが、家族以外の他人にはあまり懐きません。
毛色
独特の灰色は、別名「ブリティッシュブルー」と呼ばれるほど代表的な色です。異種交配の過程でいろいろな毛色を取り込んだため、今ではあらゆるカラーとパターンが発現します。
育て方
性格は穏やかですが、身体能力がある上、とても運動好きなので、運動できるスペースは必須です。スペースがない場合は、キャットタワーを設置して運動不足にならないよう工夫してあげましょう。体質的に太りやすい傾向があるので運動と共に食事管理も大切です。
短毛のダブルコートなので被毛の手入れは簡単な方ですが、気難しい面があり成猫になってからシャンプーやグルーミングを嫌がることがあるので、子猫の頃から慣らしておくとよいでしょう。
賢いので飼い主の言葉を理解して学習するため、しつけはしやすい猫種です。褒められることが好きなので、上手に出来た時は褒めてあげましょう。
気をつけたい病気
猫の血液型はA型がほとんどですが、ブリティッシュショートヘアは、珍しくB型が多いことが知られています。猫は血液型の違う相手との輸血に対する抗体のショックが非常に大きいので、治療で輸血が必要な時や、妊娠・出産の時には注意が必要です。万一に備えて、あらかじめ動物病院で血液型の判定を受けておくことが大切です。
非常に古くから存在する猫種のため健康で丈夫、遺伝性疾患も少ないのですが、糖尿病、尿結石、肥大型心筋症などは起こりやすいと言われています。普段から健康状態に気をつけ定期的に健康診断を受けるとよいでしょう。
歴史
起源は古く、2世紀ごろに古代ローマがイギリスへ侵攻する際に連れてきた猫と言われています。長い間ネズミを駆除するハンターとして活躍してきました。19世紀頃、イギリスでは土着猫への関心が高まり、品種確立に力を注ぐようになります。1870年代に入ると国内のキャットショーで多くの賞を獲得し、1900年代には品種の標準化が確立しました。
1620年代、アメリカへの移民の際にメイフラワー号に乗っていたとされ、アメリカンショートヘア種の基礎となったと考えられています。また、ルイス・キャロルの童話「不思議の国のアリス」に登場するチェシャ猫のモデルと言われています。
ラグドール【Ragdoll】
原産国 |
アメリカ |
公認団体 |
CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF |
毛種 |
長毛種 |
特徴
ふわふわした絹のようなセミロングの毛と、輝くブルーの瞳が印象的です。体格は頑強で重量感があり、ふさふさした尾は体長と同じくらいの長さがあります。ラグドールから派生したラガマフィンとは、見た目や性格が似ているといわれています。
性格
名前は、英語で「ぬいぐるみ人形」という意味、おだやかで人に抱っこされるのが大好きです。相手が子どもや他人でも抱っこされると全力で体を預けてしまうほどです。おっとりした性格なので、激しい遊びにはあまり関心を示しません。しつけもしやすく、騒いだりしないので、初めての方にも飼いやすい猫種です。
毛色
毛色は、ポインテッドのみで、ホワイトからクリーム系をベースに、シール、ブルー、レッド、クリームなどの色味が組み合わさります。斑の入り方に特徴があり、顔や手足、尻尾などにアクセントが入る「ポイント」、おなかや手足に色が入る「ミテッド」、2つの色が混じりあう「トーティ」、2色が分かれている「バイカラー」、ポイントの部分が縞模様になる「リンクスポイント」があります。
生まれた時は、ほぼ全身が白く、成長するにつれて顔回りや耳、しっぽの色味がはっきりしてきます。完全に発色するまで2年近くかかることもあります。
育て方
体が大きいので成猫になるまで3~4年はかかります。しっかりした体と美しい被毛を作るために、バランスの良い栄養の食事を与えるようにしましょう。
若猫時代は非常に活発です。キャットタワーを設ける場合は大きな体の動きに耐える広くゆったりした台座やハウスを備えた大きなキャットタワーを選び、しっかり固定しましょう。
毛量が豊富なので毎日のブラッシングが欠かせませんが、もつれることはあまりなく、お手入れはしやすい方です。しっぽだけは、あまりいじると貧相になってしまうことがあるので、軽くブラシを通す程度にした方が良いでしょう。
人懐っこい性格で飼い主と一緒に過ごすのが大好きなので、抱き上げたり膝に乗せたりして、たくさん甘えさせてあげてください。スキンシップは猫のストレス軽減にもつながります。
気をつけたい病気
遺伝性疾患は比較的少ないとされていますが、肥大型心筋症はしばしば起こるようです。この病気になると、疲れやすくなったり呼吸が早くなったり苦しくなったりする症状が見られます。薬によって病気の進行を遅らせることができますので、早期発見のためにも定期健診が重要です。
膀胱炎や尿結石では、トイレが近くなり血液の混じった濃い尿をすることがありまので、尿の変化には常に気を配るようにしてください。
皮膚炎や毛球症は、定期的なブラッシングやコーミングで予防することができます。換毛期には特にこまめに行いましょう。
歴史
1960年代に、アメリカ・カリフォルニア州に住むペルシャのブリーダー、アン・ベイカーが、ホワイトのペルシャとシールポイントのバーマンを交配させました。次にその生れた猫にセーブルのバーミーズを交配させてラグドールは誕生しました。
アン・ベーカーは既存の猫血統登録団体には登録せず、IRCAという新しい組織を設立し、「IRCA登録のブリーダーしかラグドールという名を使うことができない」という形で商売を始めました。 1975年、一部のグループがラグドールをもっと世に広めるための独自の活動を始め、その後の登録に貢献したと言われています。また1994年には別のグループがIRCAから独立し、のちにラグドールの血統から「ラガマフィン」という猫種を作り出しました。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル【Cavalier King Charles Spaniel】
原産国 |
イギリス |
体重 |
5.5kg~8kg |
体高 |
31cm~33cm |
グルーブ |
9G |
特徴
体高より体長が長めです。大きな垂れ耳と大きくて丸い目、平坦な頭頂部に尖った鼻が特徴的です。被毛は絹糸のように滑らかな長毛で、耳と胸、足、尾には飾り毛があります。身のこなしが優雅でバランスのとれた紳士的な表情を持っています。
性格
明るく陽気な性格で、飼い主や家族には愛情深く従順です。大変穏やかで社交的なので、子どもや他の動物とも仲良くすることができます。無駄吠えやかみ癖なども少なく、攻撃性もないので初心者の方にも飼いやすい犬種です。
毛色
ブラック&タン、ルビー(濃い栗赤茶)、ブレンハイム(白色をベースに茶色の模様が入る)、トライカラーの4色があります。
育て方
遊び好きなので、毎日30分くらいの散歩は欠かせません。室内でもおもちゃで一緒に遊んであげると良いでしょう。
基本的に従順で、無駄吠えやかみ癖が少ないので、しつけは楽なほうです。
被毛は長い上毛や飾り毛があり、換毛期は抜け毛が多くなるので、毎日丁寧にブラッシングしてあげてください。美しいスタイルを維持するために月に1回程度トリミングすると良いでしょう。
気をつけたい病気
遺伝的に多いとされているのが僧房弁閉鎖不全症です。高齢になるとどの犬でも起こりやすい疾患ですが、この犬種の場合、早い犬は生後1~2年から起こり6歳以上になると全体の6割以上がかかると言われています。早めの治療が必要なので、定期的に心臓の状態を診てもらうことが大切です。また普段から食生活にも気をつけてください。
他に短頭種気道症候群などの呼吸器疾患や、白内障や結膜炎などの眼疾患にも注意が必要です。
歴史
16世紀ごろ鳥猟犬として活躍していた犬が祖先犬と言われています。
16世紀から19世紀の間、英国王室では小型のスパニエルであるトイスパニエルがたいへん愛されていました。特にチャールズ2世は、あまりに溺愛しすぎたために公務に支障がでるといったエピソードがあるほどでした。
しかし18世紀にヨーロッパで短吻種の犬が流行し、その影響を受けてパグなどとの交配が進み、やがてスパニエル種の短吻タイプ、キングチャールズスパニエルが誕生しました。
19世紀初めに、チャールズ2世が育てていたような長吻タイプへの復活を求めて、アメリカの富豪であるロズウェル・エルドリッジ氏が巨額の懸賞金をかけました。その結果、繁殖家たちがこぞって戻し交配を進め、現在の長吻タイプが誕生し、1945年にイギリスでキャバリアキングチャールズスパニエルという犬種として登録されました。キャバリアとは「騎士」という意味で、イギリスでは現在でも愛玩犬として大変人気の犬種です。
ビーグル【Beagle】
原産国 |
イギリス |
体重 |
7kg~12kg |
体高 |
33cm~38cm |
グルーブ |
6G |
特徴
体は堅く引き締まり、猟犬らしく筋肉質でがっしりとした体格をしています。鼻先まである大きな垂れ耳と、ピンと立った太い尾が特徴的です。被毛は平らで滑らかな短毛が密集しています。優れた臭覚により獲物の匂いを追跡するセントハウンド犬の中でも一番体が小さい犬種です。
性格
明朗快活で遊ぶことが大好きです。大胆で勇敢ですが慎重さも持ち合わせています。群れで狩りをしていた習性から協調性・社会性が高く、他人や他犬とも仲よくできるので多頭飼いに向いています。また穏やかで優しい気質なので、小さい子どものいる家庭にもすぐ溶け込めます。逆にさみしがり屋なので、長時間の留守番などは苦手です。
毛色
代表色は白色、褐色、黒色のハウンドカラー(トライカラー)ですが、他にレッド&ホワイト、レモン&ホワイト(レモンカラー)もあります。尾の先は白色です。成長するにつれて被毛のカラーが変化し模様が変わることがあります。
育て方
体の大きさの割にとてもタフでスタミナがあるので、毎?朝?30分程度の散歩は?かせません。時にはドッグランなどで思い切り?らせたり、一緒にゲーム性のある遊びをしたりするのも良いでしょう。ストレス発散だけでなく、肥満の防止にもなります。
セントハウンド犬で気になるニオイを追わずにはいられない習性をもっているので、子犬の頃から制止をよく教えておくことが大切です。
被毛は短いので手入れは楽です。週に1度くらいブラッシングをしてあげると良いでしょう。
垂れ耳なので通気性が悪く耳のトラブルが起きやすいので、耳の入り口付近をやさしく拭いて清潔を保つとともに、定期的に汚れなどをチェックしましょう。
気をつけたい病気
他の犬に比べて丈夫で、発病率が低いと言われていますが、椎間板ヘルニア、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、白内障などの目の病気、外耳炎などはかかりやすい犬種です。日常生活の中で違和感を持ったらすぐに病院へ連れて行ってあげてください。また、食欲旺盛な犬種のため、肥満になりやすく、肥満から糖尿病になることもあるので日頃から食事のバランスに気をつけてあげてください。
歴史
起源については、はっきりしたことはわかっていませんが、その歴史は大変古く、紀元前からギリシャでウサギ狩りに使われていたハウンド犬が祖先犬ではないかと言われています。ローマ帝国の侵攻や交易などで、広く欧州に渡ったビーグルの先祖犬たちはヘンリー七世の時代からエリザベス一世の時代にかけて品種改良が進みました。
14~15世紀頃、原産地のイギリスではウサギなどの小動物を狩る猟犬として重宝されていましたが、1860年代アメリカに輸入されると一気に家庭犬としての人気が高まり、ポピュラーな犬種の一つとなりました。
キャラクター・スヌーピーのモデルになったことでも知られています。
ロシアンブルー【Russian Blue】
原産国 |
ロシア |
公認団体 |
CFA ・ TICA ・ FIFe |
毛種 |
短毛種 |
特徴
エメラルドグリーンの大きな目と、ベルベットのような手触りのブルー(灰色)の被毛が特徴的で、全体的に気品溢れる雰囲気を持っています。三角に尖った耳を持ち、頭をすっと持ち上げたような姿勢(コブラヘッド)をしています。口角が持ち上がり笑っているように見えることから、その顔はロシアンスマイルと呼ばれています。
性格
飼い主に対しては、忠実で甘えん坊ですが、気位が高く気まぐれなので、誰にでも懐くことはあまりなく、好む相手を選ぶ一面もあります。あまり鳴かない猫でボイスレス・キャットという別名があるくらいおとなしい性格です。
毛色
ブルー(灰色)の単色のみが認められています。1本1本の毛の先にはシルバー色のティッピングと呼ばれる濃淡があるため、光の加減によってシルバーブルーに美しく輝いて見えます。
育て方
短毛ですが、ダブルコートなので抜け毛はかなりあります。特に換毛期は抜け毛が多いので、ツヤを保つためにも小まめなブラッシングは欠かせません。我の強い面があるので子猫の頃からブラッシングなどのケアに慣らしておくことが大切です。
活発で甘えん坊なので積極的に遊んであげてください。キャットタワーを用意してあげるのも良いでしょう。
気をつけたい病気
純血猫種としては遺伝性の病気が非常に少ない猫だと言われていますが、腎不全や糖尿病、尿路結石症などには注意が必要です。普段から正しい食事と運動の知識をもって気をつけてあげることで予防することができます。また、早期発見・早期治療のため特に中年齢以降はこまめに健康診断を受けるようにしましょう。
歴史
祖先は ロシアの土着の猫といわれていますが、はっきりしたことはわかっていません。ロシア皇帝が飼っていた猫の子孫だという噂のほか、ロシアの貴族に寵愛されていたという話もあり、「猫の貴公子」や「ロシアの貴公子」などと呼ばれているようです。
ロシアから海外に出るようになったのは19世紀半ばになってからで、1860年代に北極圏に近いアルハンゲリスクの港からイギリスに向かう商船の中に、ロシアンブルーが乗っていたといわれています。この時代アルハンゲルキャット(英語でアークエンジェルキャット)など、いくつかの別名があったようで、20世紀初頭までアメリカではマルティーズキャットという名前で知られていました。
初期のキャットショーにおいて、短毛のブルーの猫はひとつのクラス内で競っていましたが、高貴で優雅な姿から愛猫家たちの中で人気となり1912年にロシアンブルーとして独自のクラスが認められました。
第二次世界大戦の間に個体数が少なくなり絶滅の危機に陥りましたが、イギリスやアメリカなどのブリーダーたちが共同で、シャムやブリティッシュショートヘアとの異種交配により回復が試みられ、かつての姿を取り戻すことができました。1960年代以降は常に一定して高い人気を誇っています。
ロシアンブルーから派生した品種として、長毛のブルー被毛を持つネベロングという猫種がいます。
アビシニアン【Abyssinian】
原産国 |
エジプト |
公認団体 |
CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF |
毛種 |
短毛種 |
特徴
端正な顔立ちと優雅で誇らしげな立ち姿が印象的です。小さなくさび形の顔に大きな耳、すらっと伸びた足で、エレガントな体型をしています。筋肉質な体は引き締まっており、動きもしなやかです。ティッキングのある輝くような短い被毛が特徴的で、毛質は絹のような手触りです。
性格
エレガントで高貴な容姿とは裏腹に、活発で人なつっこく非常に甘えん坊です。社交的で、初対面の人や他猫や他動物とも仲良くでき、子どもに対しても上手に相手をします。
賢いので人が喋っていることを理解できるといわれており、投げられたおもちゃを咥えて持ってくるなどのコミュニケーション能力も高い猫です。
運動神経は抜群で遊び好き、高い所に上るのも大好きです。あまり鳴かない上、声も小さいのでマンションなど集合住宅で飼いやすい猫種です。
毛色
主な毛色はルディー、レッド(ソレル)、ブルー、フォーンの4種です。1本の毛に濃い色と薄い色が入っているティッキングが特徴です。
育て方
活発に走り回ったり高い所に登ったりするのが大好きなので、室内にキャットタワーやキャットウォークなどを設置して、たくさん運動できる環境を整えてあげましょう。また、人と遊ぶのも好きなので、いろいろなおもちゃを用意して、一緒に遊ぶようにしてあげてください。十分に運動することで、この猫種にとってリスクの高い肥満を防止し、ストレス発散にもなります。
短毛ですがダブルコートなので抜け毛はあります。美しい被毛を保つためにも定期的にブラッシングまたはコーミングを行ってあげましょう。
気をつけたい病気
アミロイドーシス症(内蔵機能障害)や重症筋無力症など、遺伝的にかかる病気がやや多いと言われています。また、腎臓病や網膜萎縮など、早期発見が重要な病気にもかかりやすいと言われているので、日頃から病気に対する知識を持ち、少しでも気になることがあったら、病院で診てもらうようにしてください。
肥満になりやすい傾向があり、肥満になると各種の病気のリスクも高まってしまうので、予防のために必要栄養量以上のフードは与えないよう注意してください。
歴史
最も古い猫種の一つと言われていますが、起源には諸説あり、はっきりしたことはわかっていません。古代エジプトの壁画や出土品に描かれていたネコの特徴がアビシニアンに似ていることから、エジプト原産という説や1868年のアビシニア戦争の後アビシニア(現在のエチオピア)からイギリスに持ち込まれたズーラという名の猫が品種改良されたとするエチオピア説などがあります。そのため原産国もエジプト、エチオピア、イギリスと表記がわかれることがあります。
イギリスに入ってバーニーキヤット(ウサギ毛の猫)と呼ばれて珍重され、ブラウンやシルバーの家庭猫と交配されて、1800年代後半には初期のアビシニアンが誕生、1870年頃キャットショーに出陳されました。1930年頃にはアメリカや世界中の国々で繁殖されるようになり、たくさんの人に愛される猫種となりました。
初めて日本に入ったのは1964年で、日本の猫ブリーダーとしても活躍した故・森春子氏のアズリタ・ポカセット(ラディ、オス)が第一号です。
ラブラドールレトリバー【Labrador Retriever】
原産国 |
イギリス |
体重 |
30kg~36kg |
体高 |
牡56~62㎝、牝54~59㎝ |
グルーブ |
8G |
特徴
体つきは骨太でがっしりとしており、特に後躯は筋肉たくましく力強い印象です。カワウソの尾ともよばれる根元から太い尻尾が特徴的です。被毛はダブルコートで、どんな天候にもよく耐えられるように短毛が密集しています。
外観重視のイングリッシュタイプ(品評会用)と、能力重視のアメリカンタイプ(作業用)があり、イングリッシュタイプは首や脚、胴体など、全体的に太く短くがっしりしていて、アメリカンタイプは、足が長く胴長ですらっとしているのが特徴です。
性格
優しく温和で従順なので番犬には向きませんが、とても賢いのでしつけがしやすく、訓練などにも耐えて、すぐに覚えることができます。人懐っこいので、家庭犬としてはとても優秀です。一般的にはイングリッシュタイプのほうがやや大人しいと言われています。
毛色
ブラック、イエロー、チョコレートの3種類があります。 胸の部分に通称“メダル”と呼ばれる白い毛が入ることもありますが、これはすべての毛色に認められています。
毛の色によって性格が異なるといわれていて、盲導犬として活躍することが多いイエローは落ち着いた性格で、ブラックやチョコレートは活発な性格といわれることが多いようです。
育て方
活動的で体力もあるので、散歩は最低30分~1時間、1日2回は連れて行くようにしてください。作業犬として活躍してきた犬種なので、頭を使う遊びやトレーニングなども取り入れると良いでしょう。
賢い犬ほどしつけは大切で、やんちゃな子犬期にしっかり「マッテ」や「オスワリ」などの指示やクールダウンのしつけを行うことが重要です。
毛は短毛ながらダブルコートですので、週に数回のブラッシングをしてあげましょう。
気をつけたい病気
特に注意したい病気は胃捻転で、胃の中でガスが拡張することにより起こり、短い時間で死に至ることもある疾患です。主な原因は、早食いや食べ過ぎ、食後の激しい運動などで、ラブラドールレトリバーの食欲旺盛で早食い、動きが活発という特徴と重なって、特に発症しやすいようです。飼い主が生活習慣に気をつけてあげることで防止することも可能です。
股関節形成不全は主に遺伝的要因が強く、生後4か月頃から症状が現れます。腰を左右に振るように歩いたり足をひきずって歩くなどの症状が見られます。成犬になると前十字靭帯断裂や肩や肘の関節疾患にもかかりやすいので注意が必要です。
垂れ耳で外耳炎を起こしやすいので、こまめに耳掃除などの手入れをしてあげましょう。
歴史
起源はカナダ・ニューファンドランド島原産の犬で、16世紀頃にイングランドからこの島へと移住した人々が持ち込んだ使役犬と交配されてセントジョンズレトリバーが生まれたといわれています。当時は漁師の手助けをする水中作業犬として活躍していました。
1820年頃、その能力の高さに目を付けたイギリス貴族が自国へ持ち帰り、繁殖と選択交配が進めて、19世紀の末頃には現在のラブラドールレトリバーの基礎が出来上がったといわれています。その後、作業能力が高く、賢く穏やかな性格からイギリスとアメリカを中心に人気が高まり、やがて世界中へと広がりました。
現在も、盲導犬や、介助補助犬、麻薬探知犬、災害救助犬などで活躍する貢献度の高い犬種ですが、家庭犬としても広く愛され続けています。
外見や性格が似ているゴールデンレトリバーとは、親戚関係にあると勘違いされることも多いですが、全く異なる犬種で歴史的背景も違います。
ポメラニアン【Pomeranian】
原産国 |
ドイツ |
体重 |
1.4kg~2.5kg |
体高 |
18cm~25cm |
グルーブ |
5G |
特徴
スクエアな体型で、体の各部がよく引き締まり、小さいながらも丈夫な犬種です。フォクシーヘッドと呼ばれるキツネに似た頭部に、とがった小さな耳や小ぶりな鼻、つぶらな瞳が特徴的です。被毛はふわふわとした豊かなダブルコートで、尻尾の飾り毛は扇のように広がっていて豪華です。可憐で知性あふれる表情を見せます。
性格
とても活発で賢く、好奇心旺盛です。人間が好きで、特に飼い主に対して強い忠誠心があります。他の犬に対してもフレンドリーに接するので多頭飼育もあまり難しくありません。その一方で繊細で気が強い一面もあり、よく吠える傾向があります。
毛色
毛色のバリエーションがとても多い犬種のひとつです。ホワイト、ブラック、ブラウン、チョコレート、レッド、オレンジ、クリーム、オレンジ・セーブル、ビーバー(濃いベージュ)、ブルー(灰色)などの単色と、ブラック・タン(黒茶)、ウルフ・セーブル(灰に黒の差し毛)、パーティ・カラー(混色)などがあります。
育て方
とても活発で運動好きなので毎日の運動は必須ですが、手足の骨格が細いので、関節に負担をかけないように散歩の量は体調をみながら加減してください。
賢いのでしつけは入りやすいほうです。吠え易く噛み易い犬種ですが、しつけによってある程度は抑えることができます。子犬の頃からきちんとしつけて社会化に努めるようにしてください。
豪華な毛並みを維持するためには、こまめなブラッシングやトリミングが大切です。特に抜け毛の季節には毎日のケアが必要となります。毛量の多さから皮膚病などに気付きにくいので定期的にチェックしましょう。
好奇心旺盛なので誤飲に注意してください。
気をつけたい病気
比較的身体の丈夫な犬種といわれていますが、骨が弱いので膝蓋骨脱臼や大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス病)など、関節に異常が起きることが多い犬種です。早期発見が大切なので、歩き方がおかしいと感じたら早めに受診するようにしましょう。
気管虚脱など、喉や気管の病気にもかかりやすい傾向があります。命にかかわることもあるので、日頃から呼吸音には注意が必要です。
他にクッシング症候群、水頭症、流涙症などにかかりやすいと言われています。
歴史
祖先犬は、ジャーマンスピッツと考えられています。18世紀頃ドイツ東部とポーランド西部にまたがるポメラニア地方の牧羊・作業犬が、品種改良によりやや小型化され、その後イギリスに渡って愛好されるようになりました。その後、ポメラニアンの存在を広めたのは、イギリスのヴィクトリア女王と言われています。その当時の体重は現在より大きめでしたが、ヴィクトリア女王が展覧会に出陳した小柄なポメラニアンが優勝したことがきっかけで「女王の犬」として人気が爆発し、より小型化の方向に改良・繁殖されるようになりました。日本では1970年代以降、家庭犬・愛玩犬として人気の犬種となりました。
現在でも世界中を魅了している犬種のひとつで、アメリカや日本では常にランキングの上位に名前を連ねています。
標準サイズのポメラニアンよりも明らかに小さいポメラニアンをティーカップポメラニアンと呼ぶことがありますが、日本では正式な犬種として認められていません。
ベンガル【Bengal】
原産国 |
アメリカ |
公認団体 |
TICA ・ FIFe ・ GCCF |
毛種 |
短毛種 |
特徴
体は筋肉質で、がっちりとして引き締まっています。体の大きさの割に頭が小さく、野生的な雰囲気を醸し出しています。ロゼットと呼ばれる特長的なヒョウ柄が人気で、被毛は美しく滑らかな手触りです。
性格
野性的な見た目に反して、愛情深く人懐っこい性格で、いつも人と一緒にいたがります。子どもや他の動物とも仲良く遊びます。運動量が多く遊び好きで、猫としては珍しく水遊びも好きです。 視覚・聴覚・嗅覚が発達しているので敏感に反応を示しますが、神経質ではありません。
毛色
毛柄はロゼットに代表されるスポット(斑)と、マーブルやタビーのような縞があります。毛色はブラウン、シルバー、ブルー、スノウなどがあり、どれも目の回りと口元とアゴの下には白が入ります。
育て方
あり余るエネルギーの持ち主と言われるほど運動量が多く、高いところに登って遊ぶのも大好きです。家具類やキャットタワー等の配置を考えて運動できる環境を整えたり、色々なおもちゃを準備するなど、たくさん遊べる工夫をすると良いでしょう。また、入って欲しくない場所には行けないように制限したり、誤食につながるような細かいものなどを片付けておくことが大切です。
被毛は短毛で密着するタイプなので、お手入れは比較的楽です。ブラッシングは週1回程度を目安に定期的に行って清潔に保ちましょう。
気をつけたい病気
遺伝性の病気は少ない猫種といわれていますが、近年になってピルビン酸キナーゼ欠損症による溶血性貧血などが報告されているようです。
皮膚疾患や突発性膀胱炎など、ストレス性の病気を発症することがあります。運動不足や環境の変化、飼い主が構ってくれないなどが要因となるようです。ストレスを溜めないよう工夫するとともに、十分に遊んであげることも大切です。
歴史
1960年代、アメリカ人の繁殖家ジーン・ミル氏がアジアン・レオパード・キャットというヤマネコと自宅にいた黒毛のオス猫との交配を行って1匹のメス猫が生まれました。その猫でさらに交配を行ったところ数匹の子猫が生まれ、その中に豹のようなスポットを持つ子猫がいましたが、この子猫が育種に関わることはありませんでした。
1970年代、カリフォルニア大学でネコ白血病の研究のためにイエネコとベンガルヤマネコの交配が実験的に行われました。残念ながら研究はうまくいきませんでしたが、この時の交配で生まれた猫たちが現在のベンガルの基礎になったと言われています。その後、この猫たちは繁殖家ジーン・ミル氏に引き継がれ、アビシニアン、アメリカン・ショートヘア、エジプシャン・マウなど、さまざまな純血種の猫と交配され、純血の猫種として確立することになりました。1985年には初めてキャットショーに出陳され、その美しさで多くの愛猫家たちから大絶賛を受けました。